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ワグネル・グループが離れて活発化するIS…住民たち「精神病になりそう」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

エフゲニー・プリゴジン氏

イスラム国(IS)をはじめとするイスラム急進主義勢力や現地反乱軍などがアフリカや中東で再び勢力を拡大する可能性が高まっている。これまで同地域で影響力を行使してきたロシア民間軍事企業ワグネル・グループの傭兵が最近離脱しているためだ。これに対して現地住民たちは「力の空白」による安全保障の恐怖に包まれているとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が9日(現地時間)、報じた。

WSJは欧州保安当局者や住民たちの言葉を引用して中央アフリカ共和国北部のモイェンシドにあるワグネル・グループの野営地から、最近装甲車8両で構成された護送隊が出発したと伝えた。他の2つのキャンプからもワグネル・グループの傭兵が離れた。離脱者の数はすべて合わせて約100~200人になると推算される。

飛行追跡サイト「フライトレーダー24」によると、ワグネル・グループの陸上離脱以降、ロシア産イリューシン航空機2機も中央アフリカ共和国の首都バンギからロシアに移動した。ワグネル・グループの傭兵がバンギで荷物を持って待つ場面が撮影された映像がソーシャルメディアにシェアされた。ただし、ワグネル・グループ側の関係者は「今回の飛行は数カ月前から休むべき人々のために計画されたもの」と説明した。


◇「料理道具からマットレスまですべて売って離れた」

ワグネル・グループの傭兵がとどまっていた中央アフリカ共和国のナナ-バカサ・キャンプ付近の住民たちは傭兵が村を永久的に離れる兆しがあるとみている。彼らが料理道具からマットレスまですべての装備を売り払っているためだ。離れた傭兵に代わる人材も従来より非常に不足した15人にすぎない。

ワグネル・グループは過去10年間、中央アフリカ共和国をはじめ、リビア・マリ・スーダンなどアフリカ国家13カ所で現地政権や反乱軍など核心勢力と結託して活動してきた。ほとんどが権威主義独裁政権で、米国など西側と敵対的関係にある国々だ。ワグネル・グループは「安全保障サービス」を提供する見返りに、現地国家の内政に干渉し、天然資源・鉱物採堀権など各種経済的利権をほしいままにしてきた。この過程で民間人に対する殺人や拷問など残酷行為もはばからず、国際社会の非難を受けていた。ワグネル・グループは昨年3月、マリ中部で500人以上の住民を虐殺した。ロシアはワグネル・グループをテコに西アフリカと中央アフリカで影響力を行使するフランスを押し出したあと影響力を拡大した。

◇「残酷行為」という批判にも治安維持の役割担当

だが、ワグネル・グループのトップ、エブゲニー・プリゴジン氏が先月25日にロシア政府にクーデターを仕掛けた後、ワグネル・グループの影響力は揺らいでいる。ロシア政府がワグネル・グループが行った傭兵事業ネットワークの掌握に出ながら傭兵を一時に撤収させる可能性があるとの展望が出ている。

現地住民の間では、治安を維持してきたワグネル・グループの存在すらなくなってしまえば、イスラム急進主義勢力をはじめとする現地反乱軍が地域を接収し、より大きな混乱が広がるのではないかと心配している。ワグネル・グループが撤収したアフリカ地域のある住民は「現在、地域社会に巨大な精神病が広がっている」と話した。

◇IS、シリア油田を再び接収か

特にシリアではISが再び猛威を振るいかねないとの懸念が大きくなっている。シリア政府の顧問や欧州の官僚はシリア南部地域の油田とガス田がISの攻撃を受けるかもしれないと伝えた。同地域はシリア内戦中にワグネル・グループや彼らが訓練した民兵隊「ISハンターズ」がISから奪還した。ワグネル・グループとISハンターズは治安を提供する見返りとして油田収益の25%を受け取ってきた。

だが、プリゴジン氏の反乱以降、状況が変わった。WSJによると、最近ロシア外務省高位関係者はシリアのアサド大統領にワグネル・グループの傭兵事業管理主体が変わるだろうと伝えた。ロシア国防省は最近シリアのパルミラ油田とガス田からワグネル・グループ傭兵を追い出してこの地域の管理をISハンターズに任せた。WSJは「ワグネル・グループによる指揮が消えながらISハンターズは混乱に陥り、給与が大幅に削減される危機に処した」と伝えた。

実際に、ISは最近中東で再び活動を行っている。この日、米軍中部司令部は7日、シリアのアル=バーブ地域でドローン「MQ-9リーパー」を通した空襲でシリア東部地域のIS指導者、ウサマ・アル・ムハジルを除去したと明らかにした。

マイケル・クリラ中部司令官は「ISはこの地域だけでなく、それ以上に脅威」としながら「ISを撃退するための態勢を引き続き維持していく」と話した。



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