#1.先日、韓国のあるユーチューブチャンネルが「日本外務省の幹部Aがアジア開発銀行(ADB)総裁と推定される人物(浅川)との面談で「日本政府は国際原子力機関(IAEA)に100万ユーロ(約1億5650万円)の政治献金をし、IAEAの最終報告書の結論は最初から処理水(汚染水)は絶対に安全だという内容に決まっていると話した」と報道した。彼らが入手したという対外秘文書3枚を見ると、自ずと笑いが出る。まず、このチャンネルが文書作成者と見る浅川雅嗣ADB総裁。彼は財務省財務官(次官)出身で、65歳の国際的な権威者だ。
外務省には林外相をはじめ、どの幹部も浅川総裁より年齢、期数で上の人はいない。ところが文書には外務省の幹部Aという人が浅川総裁に「長い関係だから共有する」「メモは書いてはいけない」という。内容はともかく、日本を、日本語を少しでも知っていればそのような報道はできない。もう一つ。文書の右上にある「担当:浅川」という表記だ。
サムスン電子の対外秘文書の一番上に「担当:李在鎔(イ・ジェヨン)」と書かれるだろうか。韓国銀行(韓銀)の対外秘文書に「担当:李昌ヨン」とあるだろうか。こうした恥は国民がかくことになる。
#2.野党もそうだ。11カ国の科学者が2年かけたIAEAの最終報告書を「空っぽ報告書」「日本が発注した報告書」と蔑んだ。日本がお金でIAEAを丸め込んだということだ。
日本の倍もの分担金を出す国が中国という点には決して言及しない。韓国が昨年9月までIAEA理事会議長国だったという事実にも触れない。国連傘下の国際機関をこのように強く否定する国は北朝鮮とイランしかない。後にIAEA視察団が北朝鮮の核施設を検証しても「IAEA分担金1位が米国だからこの査察報告書は信じられない」というのだろう。このためIAEAのグロッシ事務局長は4日の会見で「包括的、中立的、科学的、客観的、実証的、献身的、学術的」というあらゆる用語を繰り返し「IAEAは権威(The authority)だ」と抗弁した。
「うんちを食べても福島汚染水は飲まない」という野党はどうせ「間違っていればそれまで」という態度で終わらせるだろうが、その恥はそのまま大韓民国、大韓民国の国民のものとなる。民主党は繰り返し「科学が100%の真実でない可能性」を話す。「問題になることがあり得るため、汚染水放出自体をできないようにすべき」という主張だ。
これは毒があるフグの料理は資格のある料理人が裁いても食べてはならず、鳥インフルエンザの可能性があるので鶏肉は無条件に食べてはいけないという論理と変わらない。
#3.政府・与党も水槽の水を飲んだり刺し身を食べたりしながら「科学を信じるべき」と叫ぶ段階は過ぎた。いくら民主党の怪談を非難しても説得可能な国民が大幅に増えるとは考えにくい。2023年の大韓民国の国民感情がそうだ。
なら国民の不安を解消する現実的・政治的な接近が同時に必要だ。例えばIAEAが5日に開所した「IAEA福島原発事務所」に韓国人の専門家を常駐させるのはどうか。汚染水放出に最も敏感なのが韓国という事実をIAEAも、日本政府もよく知っているだけに、外交的な努力を傾ければ不可能なことではない。あす(7日)訪韓するグロッシ事務局長、11-12日にリトアニアで開催されるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議で会う岸田日首相を説得するのは尹錫悦大統領の役割だ。福島の放出現場で放射能数値と濃度を常時モニタリングして監視する役割に韓国が加わり、リアルタイムでその数値をそのまま伝達・共有すれば、韓国国民の不信感もかなり弱まるはずだ。誰の言葉が怪談であるかも分かるだろう。もう一つ。愉快なことではないが、この際、みんな真摯に考えてみよう。いつまで大韓民国を受容と尊重の国でなく否定と争いが激しい国として放置するのかを。
キム・ヒョンギ/巡回特派員兼東京総局長
外務省には林外相をはじめ、どの幹部も浅川総裁より年齢、期数で上の人はいない。ところが文書には外務省の幹部Aという人が浅川総裁に「長い関係だから共有する」「メモは書いてはいけない」という。内容はともかく、日本を、日本語を少しでも知っていればそのような報道はできない。もう一つ。文書の右上にある「担当:浅川」という表記だ。
サムスン電子の対外秘文書の一番上に「担当:李在鎔(イ・ジェヨン)」と書かれるだろうか。韓国銀行(韓銀)の対外秘文書に「担当:李昌ヨン」とあるだろうか。こうした恥は国民がかくことになる。
#2.野党もそうだ。11カ国の科学者が2年かけたIAEAの最終報告書を「空っぽ報告書」「日本が発注した報告書」と蔑んだ。日本がお金でIAEAを丸め込んだということだ。
日本の倍もの分担金を出す国が中国という点には決して言及しない。韓国が昨年9月までIAEA理事会議長国だったという事実にも触れない。国連傘下の国際機関をこのように強く否定する国は北朝鮮とイランしかない。後にIAEA視察団が北朝鮮の核施設を検証しても「IAEA分担金1位が米国だからこの査察報告書は信じられない」というのだろう。このためIAEAのグロッシ事務局長は4日の会見で「包括的、中立的、科学的、客観的、実証的、献身的、学術的」というあらゆる用語を繰り返し「IAEAは権威(The authority)だ」と抗弁した。
「うんちを食べても福島汚染水は飲まない」という野党はどうせ「間違っていればそれまで」という態度で終わらせるだろうが、その恥はそのまま大韓民国、大韓民国の国民のものとなる。民主党は繰り返し「科学が100%の真実でない可能性」を話す。「問題になることがあり得るため、汚染水放出自体をできないようにすべき」という主張だ。
これは毒があるフグの料理は資格のある料理人が裁いても食べてはならず、鳥インフルエンザの可能性があるので鶏肉は無条件に食べてはいけないという論理と変わらない。
#3.政府・与党も水槽の水を飲んだり刺し身を食べたりしながら「科学を信じるべき」と叫ぶ段階は過ぎた。いくら民主党の怪談を非難しても説得可能な国民が大幅に増えるとは考えにくい。2023年の大韓民国の国民感情がそうだ。
なら国民の不安を解消する現実的・政治的な接近が同時に必要だ。例えばIAEAが5日に開所した「IAEA福島原発事務所」に韓国人の専門家を常駐させるのはどうか。汚染水放出に最も敏感なのが韓国という事実をIAEAも、日本政府もよく知っているだけに、外交的な努力を傾ければ不可能なことではない。あす(7日)訪韓するグロッシ事務局長、11-12日にリトアニアで開催されるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議で会う岸田日首相を説得するのは尹錫悦大統領の役割だ。福島の放出現場で放射能数値と濃度を常時モニタリングして監視する役割に韓国が加わり、リアルタイムでその数値をそのまま伝達・共有すれば、韓国国民の不信感もかなり弱まるはずだ。誰の言葉が怪談であるかも分かるだろう。もう一つ。愉快なことではないが、この際、みんな真摯に考えてみよう。いつまで大韓民国を受容と尊重の国でなく否定と争いが激しい国として放置するのかを。
キム・ヒョンギ/巡回特派員兼東京総局長
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