#1.「最近、中央日報の記事はあまりにも中国を意図的に批判していませんか」。邢海明大使は「意図的」という部分を繰り返し強調した。3年前、ソウル明洞(ミョンドン)の駐韓中国大使館を訪問した時のことだ。当時掲載されたコラムに対し、邢大使は不快感を露骨に表した。夕食会に招待しておきながら話す言葉ではなかった。話は終わらず、水位も上がった。一言いわなければならなかった。「いや、邢大使、ゴルフでドライバーショットを打つ時、誰が意図的にOBを打つでしょうか。本人はみんな真ん中にと打とうとします」。
最初から偏向報道ではないと「外交的」に話した。しかし邢大使は止まらなかった。夕食会場に入ってからも続いた。「この席は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン副会長が先日訪れて座った席だ」。「私が赴任から7カ月間に79人の韓国内の主要人物に会ったという内容が韓国メディアに出ているが、それは違う。100人をはるかに超える」。
おそらく李在明(イ・ジェミョン)民主党代表はこうしたう邢大使の関連情報に何度も接していたはずだ。にもかかわらず局長級大使の家を訪ね、A4用紙15枚分のライブ訓戒に付き添った。「闘鶏」と呼ばれる李代表だが、邢大使の巧妙な演出に完全にやられた。
#2.4月28日、東京の記者クラブ。新任の呉江浩駐日中国大使が記者会見をした。呉大使は「日本は中国を分裂させる戦車に縛られていると、日本の民衆が火の中に引きずり込まれることになる」と挑発した。中国を分裂させる戦車、すなわち、米国に寄り添って台湾独立問題に繰り返し言及すれば日本国民を相手に軍事行動も辞さないという言葉だ。20年近く日中関係が険悪であっても、このような表現を聞いたことはない。米国側に付いた韓国と日本を相手に駐在国の大使が競争するように戦狼外交をしている。もちろんケイ海明大使も呉江浩大使も本国の指示や許可なしにこうした行動をするわけではない。
注目されるのは韓国と日本の対応だ。韓国は大統領が自らケイ海明大使、中国政府に直球を投げた。一方、日本は首相が出ることもなく、呉大使を呼ぶこともなかった。かなりの時間が過ぎた後に林外相が国会に出て「外交ルートを通して抗議した」と明らかにした程度だ。
きまり悪かったのか。先月、中国最大シンクタンク社会科学院の幹部が日本を訪問し、公開フォーラムでの呉大使の発言について「日本も中国も大国ではないか。両大国が互いに熟考しながら関係を改善していこう」と述べた。和解のジェスチャーだった。
#3.駐在国の大使の欠礼はあくまでもその級に合わせて外交ラインで対応するのが正しい。最高指導者までが出れば選択肢が狭まる。こうした点で日本式の対応が模範答案だ。
しかし果たして現時点で韓国が日本のように、大国のように冷静に実務ラインで対応したところで、中国政府が日本にしたように韓国にも和解ジェスチャーと礼儀を見せるだろうか。私はないとみる。文在寅(ムン・ジェイン)政権を経て韓中関係は健全な均衡がすでに崩れた。「韓国は圧力を加えれば抑えられる」という誤った観念が根付いてしまった。中国は事案ごとに原則を守る日本と同じ基準で韓国に対応しない。
この際、韓中関係を正常化しておかなければ「ケイ海明惨事」はまた起きる。こうした点で大統領が自ら強く警告メッセージを投げかけたのはやむを得ない側面があると見る。相互主義が何かを中国に改めて熟考させ、傾きを戻さなければいけない。もう一つ。局長級の駐韓中国大使を扱う方法も真摯に考えてみよう。
中国の一方的なTHAAD(高硬度防衛ミサイル)報復に最大の被害を受けたロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン)会長は他の大企業トップや政治家とは違い、ケイ海明大使の招待を拒否したという。それほどの堂々たる姿ではないとしても、呼ばれたからと駆けつけ、食事をし、写真を撮影するという指導層の形態が続けば、我々は本当に小国から抜け出すことができないだろう。
キム・ヒョンギ/巡回特派員/東京総局長
最初から偏向報道ではないと「外交的」に話した。しかし邢大使は止まらなかった。夕食会場に入ってからも続いた。「この席は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン副会長が先日訪れて座った席だ」。「私が赴任から7カ月間に79人の韓国内の主要人物に会ったという内容が韓国メディアに出ているが、それは違う。100人をはるかに超える」。
おそらく李在明(イ・ジェミョン)民主党代表はこうしたう邢大使の関連情報に何度も接していたはずだ。にもかかわらず局長級大使の家を訪ね、A4用紙15枚分のライブ訓戒に付き添った。「闘鶏」と呼ばれる李代表だが、邢大使の巧妙な演出に完全にやられた。
#2.4月28日、東京の記者クラブ。新任の呉江浩駐日中国大使が記者会見をした。呉大使は「日本は中国を分裂させる戦車に縛られていると、日本の民衆が火の中に引きずり込まれることになる」と挑発した。中国を分裂させる戦車、すなわち、米国に寄り添って台湾独立問題に繰り返し言及すれば日本国民を相手に軍事行動も辞さないという言葉だ。20年近く日中関係が険悪であっても、このような表現を聞いたことはない。米国側に付いた韓国と日本を相手に駐在国の大使が競争するように戦狼外交をしている。もちろんケイ海明大使も呉江浩大使も本国の指示や許可なしにこうした行動をするわけではない。
注目されるのは韓国と日本の対応だ。韓国は大統領が自らケイ海明大使、中国政府に直球を投げた。一方、日本は首相が出ることもなく、呉大使を呼ぶこともなかった。かなりの時間が過ぎた後に林外相が国会に出て「外交ルートを通して抗議した」と明らかにした程度だ。
きまり悪かったのか。先月、中国最大シンクタンク社会科学院の幹部が日本を訪問し、公開フォーラムでの呉大使の発言について「日本も中国も大国ではないか。両大国が互いに熟考しながら関係を改善していこう」と述べた。和解のジェスチャーだった。
#3.駐在国の大使の欠礼はあくまでもその級に合わせて外交ラインで対応するのが正しい。最高指導者までが出れば選択肢が狭まる。こうした点で日本式の対応が模範答案だ。
しかし果たして現時点で韓国が日本のように、大国のように冷静に実務ラインで対応したところで、中国政府が日本にしたように韓国にも和解ジェスチャーと礼儀を見せるだろうか。私はないとみる。文在寅(ムン・ジェイン)政権を経て韓中関係は健全な均衡がすでに崩れた。「韓国は圧力を加えれば抑えられる」という誤った観念が根付いてしまった。中国は事案ごとに原則を守る日本と同じ基準で韓国に対応しない。
この際、韓中関係を正常化しておかなければ「ケイ海明惨事」はまた起きる。こうした点で大統領が自ら強く警告メッセージを投げかけたのはやむを得ない側面があると見る。相互主義が何かを中国に改めて熟考させ、傾きを戻さなければいけない。もう一つ。局長級の駐韓中国大使を扱う方法も真摯に考えてみよう。
中国の一方的なTHAAD(高硬度防衛ミサイル)報復に最大の被害を受けたロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン)会長は他の大企業トップや政治家とは違い、ケイ海明大使の招待を拒否したという。それほどの堂々たる姿ではないとしても、呼ばれたからと駆けつけ、食事をし、写真を撮影するという指導層の形態が続けば、我々は本当に小国から抜け出すことができないだろう。
キム・ヒョンギ/巡回特派員/東京総局長
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