該当潜水艇には５人の乗客が搭乗したという。３５年間タイタニック号の海底探査に没頭し「ミスター・タイタニック」と呼ばれるフランス海軍司令官出身の探検家ポールアンリ・ナルジョレ氏を含め、英国の億万長者事業家兼探検家のハミッシュ・ハーディング氏（５９）、英国に基盤を置くパキスタンの化学・エネルギー大手エングローホールディングスの副会長シャーザダ・ダウード氏（４８）とその息子（１９）、オーシャンゲート・エクスペディションズの設立者で最高経営者（ＣＥＯ）であるストックトン・ラッシュ氏（６１）などだ。

ラッシュ氏は２０１８年、タイタンに乗って世界で２番目に単独４０００メートル潜水に成功したことがある。最初の成功事例は映画『タイタニック』を演出したジェームズ・キャメロン監督だ。

現在、米国とカナダはタイタンの行方を探るのに総力をあげている。ＡＰ通信は、米沿岸警備隊が現在まで少なくとも１万平方マイル（約２万６０００平方マイル）の公海を捜索したと伝えた。航空機「ロッキードＣ１３０ハーキュリーズ」２機と米航空機動司令部の航空機「Ｃ１７」などが公海を隅々まで調べている。これとは別に、独自の深海潜水ロボット潜水艇を搭載したフランス研究船が米海軍の要請で捜索地域に派遣され、２１日夜に到着する予定だ。


カナダの研究砕氷船「ポーラー・プリンス」は、カナダの偵察機「ボーイングＰ８ポセイドン」の力を借りて水上捜索を続けている。カナダ海軍はタイタンから発生したすべての音を探知するために水中音波探知機のブイを投下した。

タイタンが発見された場合に備え、引き揚げ装備と救護チームも現場に移動している。潜水医学を専門とする医療チームと６人用移動式高圧減圧チャンバーが搭載されたカナダ王立海軍艦艇も出港した。

しかしロイター通信は、タイタンの捜索と搭乗客の救助がいずれも容易ではないと見通した。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの海洋工学科教授であるアリステア・グリーグ氏は「潜水中に非常事態発生時、通常操縦士が錘を緩めて水面上に浮上することができる」とし「しかしタイタンのように広大な大西洋海の中で本部と連結が切れた潜水艇を探すのは非常に難しいこと」と伝えた。

ロイター通信は、タイタンが２マイルを超える深さの海底に閉じ込められた状態なら、深刻な水圧と完全な暗黒で救助が容易ではないとも伝えた。また、潜水艇が深海底に沈んでいる場合、救助隊員を投入することができないため、特殊装備を利用しなければならないが、装備の動きは極度に限られるしかないとも指摘した。海洋専門家ティム・マトリン氏は、「海の中で遭難した潜水艦の搭乗客を別の潜水艦で救助するのはほとんど不可能だ」と述べた。


「３０分ごとに叩く音」…タイタニック観光潜水艇の「生存信号」か（１）