サムスン電子が事業部門別に下半期のグローバル戦略会議を開く。核心経営陣が額を突き合わせ半導体とスマートフォン、家電など主要事業に対する経営変数を点検し、危機打開策を求める席だ。

サムスン電子は２０日から３日間にわたり内外の役員クラス２３０人余りが集まり「２０２３年下半期グローバル戦略会議」を開き複合危機状況で対策案を模索するとこの日明らかにした。最近の市場環境と技術動向などを総合的に点検した後に営業戦略を新たに策定する方針だ。

スマートフォン、テレビ、家電事業を担当するサムスン電子デバイス経験（ＤＸ）部門はこの日水原（スウォン）事業場で盧泰文（ノ・テムン）社長の主宰でモバイル経験（ＭＸ）事業部戦略会議を開いた。続けて２１日には映像ディスプレー（ＶＤ）と生活家電事業部会議が、２２日には人事・マーケティングなど全社点検会議が続く予定だ。デバイスソリューション（ＤＳ、半導体）部門はこの日華城（ファソン）事業所で慶桂顕（キョン・ゲヒョン）社長の主宰で戦略会議を開催した。


毎年６月と１２月の２回開かれるグローバル戦略会議はサムスン電子の内外の役員クラスが一堂に集まって業況を点検し、新成長動力案と事業計画について意見を交換する席だ。１８日に尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領のフランス訪問に同行した李在鎔（イ・ジェヨン）サムスン電子会長はこの日の会議に参加しなかった。李会長は今後事業戦略などの報告を受ける計画だ。

何より世界的な景気低迷でサムスン電子の業績が底を打つ状況で危機解決策探しに焦点が合わされた。半導体部門ではメモリー半導体減産効果と下半期の世界的半導体市況などが議論されたという。特に人工知能（ＡＩ）半導体の必需品に浮上した高帯域幅メモリー（ＨＢＭ）市場でＳＫハイニックスなど競合会社に対抗し市場主導権を握るための事業戦略が切実な状況だ。

この日の会議では昨年６月からサムスンが世界で初めて量産に入ったゲートオールアラウンド（ＧＡＡ）工程の競争力を基盤としたファウンドリー事業部の受注拡大戦略など技術リーダーシップ強化案も取り上げられた。

ＭＸ事業部はこの日の会議で、来月下旬にソウルのＣＯＥＸで公開予定の「ギャラクシーＺフリップ５・フォールド５」の販売戦略を議論した。ＶＤ事業部と生活家電事業部は景気低迷にともなう家電業績不振を打開する案に対し集中的に話し合うものとみられる。

金融投資業界では４－６月期にもサムスン電子の業績悪化が続く可能性が大きいと分析した。ＢＮＫ投資証券のイ・ミンヒ研究員は「世界的需要が依然として弱い４－６月期の業績が予想より振るわないだろうと推定される」としながらも、「ただメモリーなど主力事業が底を打っており、下半期には業績が改善されるだろう」と予想した。