ディズニーの実写映画『リトル・マーメイド』のワンシーン。[写真 ウォルト・ディズニー・カンパニー]
◇評論家「韓国美人型…以前の作品より優秀」
一部では「黒人マーメイド」を掲げたディズニーの実写映画『リトル・マーメイド』と春香の肖像画をめぐる容貌議論に対し「仮想の人物に対する多様な解釈を尊重せず、嫌悪感をあおる消耗的論争に広がっている」という見方もある。黒人マーメイドは映画『リトル・マーメイド』で主人公のアリエル役を黒人女優が務めたことで出てきた。これに対し、「赤い髪の白人マーメイド」ではないとの理由でなじめず嫌悪する現象まで現れた。
「黒人マーメイド」をめぐり、「ディズニーが『政治的な正しさ』に立った「ブラックウォッシング」に執着し伝統的な白人のお姫さまのイメージに合わない俳優を無理にキャスティングした」という批判と、「黒人がマーメイド役を務められないという考えは人種差別主義」という反論がぶつかり合う。「ブラックウォッシング」とはハリウッドなど西洋の主流映画界で無条件に白人俳優を起用する慣行である「ホワイトウォッシング」を当てこすり、人種的多様性を追求するとして黒人など有色人種を登場させる傾向を皮肉った言葉だ。
これに対し美術評論家のキム・ソンジさんは最近フェイスブックに「どうせ幻想の中の童話の国の話なのに赤い髪の白人のお姫さまではないからと原作を傷つけた? 本当にあきれる詭弁。新しい春香の肖像画は立派だ」と書いた。キムさんは「新しい肖像画が現在の西欧美人型に慣れた私たちの美的基準に合わないからそうなのであり、整形していない一般的な韓国美人型に近く見える。色感をはじめとして全体的な芸術的完成度も以前の作品に比べ優秀で、彼ら(一部市民団体)が認めなかった徳性や気品も一層深く表現されたようだ」と評価した。
◇キム・ウンホ画伯に親日議論…62年ぶりに交代
これに先立ち南原市は既存の春香の肖像画を2020年10月に撤去した。キム・ウンホ画伯が1939年に描き1950年の韓国戦争(朝鮮戦争)の際に流失し1961年に再び描いた肖像画だ。2009年に大統領直属の親日反民族行為真相究明委員会が発表した親日反民族行為者705人にキム・ウンホ画伯が含まれており肖像画交代世論が起きた。
最初の春香の肖像画は1931年の第1回春香祭の時にカン・スジュ画伯が描いたという説があるが、落款などがなく確実でないと南原文化院は話す。30代の御史夫人の姿である最初の肖像画は韓国戦争中に一部毀損したが、現在は南原郷土博物館の収蔵庫に保管中だ。
「李夢龍がほれた春香の顔なのか」…韓国版「黒人マーメイド」議論(1)
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