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「ウクライナ水爆弾」300頭が全滅…白鳥とアヒルだけ生き残った

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ウクライナ南部ヘルソン州のドニプロ川で6日、カホフカ水力発電所のダムが爆破された一帯が洪水になっている。写真は洪水で浸水した市庁舎前広場を白鳥が遊泳している様子。[ツイッター キャプチャー]

ロシアが占領するウクライナ南部ヘルソン州カホフカ水力発電所のダム爆破により動物園が水没するなど生態学的被害が雪だるま式に増えている。被害規模を計ることも難しい状況の中で、浸水によるドニプロ川周辺環境破壊の後遺症が数十年間続くだろうという懸念が出ている。

ウクライナメディアのキーウ・インディペンデントなどが6日に伝えたところによると、動物権保護団体Uアニマルズはこの日フェイスブックを通じ「カホフカ水力発電所のダムがあるノバカホフカ村の動物園が水没した。そこにいたウマ、ロバ、タヌキ、サルなど約300頭の動物が全滅した」と明らかにした。同団体は「動物園でただ白鳥とアヒルだけ生き残った」と付け加えた。




この村はこの日破壊されたカホフカ水力発電所のダムに面しており、ダム爆破後最初に浸水した最大被害地域だ。ドニプロ川一帯の住民数千人は避難したが、動物園に閉じ込められていた動物たちは避難できなかったとみられる。

昨年2月のロシアによる侵攻後、動物園周辺はロシア軍が掘った塹壕と周辺道路の封鎖で要塞化された状況だった。そのためダム破壊後の動物救出作戦が容易でなかったと同団体は伝えた。

ソーシャルメディア(SNS)には家を失って出歩くビーバー、水に浸った市庁前広場を遊泳する白鳥、警察に救助される犬、水に落ちて救助されたシカなど、動物が生活基盤を失い放浪する映像が共有されている。

ウクライナのゲラシェンコ内務相顧問はこの日ツイッターにビーバー1頭がヘルソンの通りをうろつく映像を上げた。彼は「ビーバーがヘルソンに現れた。この地域には多くのビーバーが住んでいるのに彼らの生息地が破壊された。動物たちもロシアが起こした環境的災害の被害者」と投稿した。

ヘルソン地域の水位が3.5メートル上昇し住民らはペットを抱き荷物をまとめてひざまで上がった水をかき分けて避難しているとロイター通信が伝えた。ウクライナ当局は洪水が7日にピークに至る見通しで、約4万2000人が被害を受けると予想した。

今回のダム爆破はロシア軍の「エコサイド(生態集団虐殺)」というウクライナ側の批判が激しい中で、川の氾濫により近隣の生態系が致命打を受けたという分析が出ている。ガーディアンによると特にドニプロ川下流地域は川の水と土砂が激しく通過して周辺の湿地と河口などが破壊され、ここに生息する動植物群が元に戻るには最小数年はかかるだろうという見通しが提起されている。

上流の石油施設と農場などが浸水し石油製品と農薬が下流で混じり合っているという診断も出ている。ウクライナのセメラク元環境相はガーディアンに「今回の事態は1986年のチェルノブイリ原発事故後最悪の環境的災害」と主張した。

一方、ロシアのタス通信が7日に伝えたところによると、今回のダム爆破により少なくとも民間人7人が行方不明になったと集計された。ドニプロ川一帯14カ所の居住地域が浸水し1万6000人の被災者が発生した。米国家安保会議(NSC)のカービー戦略疎通調整官は前日の会見で、洪水被害者がどの程度なのかは不明だとしながらも「相当な死亡者が出ている恐れがある」と話した。ロシアとウクライナは互いに対しダム爆破に責任があるとして攻防を行っている。



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