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ダム崩壊どちらに痛手か…ウクライナ軍は作戦に支障、ロシアは飲料水難の恐れ(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

爆破されたウクライナのカホフカ水力発電所のダムのイメージ。[写真 米戦争研究所、AFP、ウクライナ軍]

6日に破壊されたウクライナ南部ヘルソン州のカホフカ水力発電所のダムがウクライナ戦争の新たな変数に浮上しいる。カホフカ水力発電所のダムがウクライナとロシアの双方に戦略的価値が大きい要衝地だっただけに、今後の戦況に相当な影響を及ぼしかねないためだ。ウクライナとロシアのうちどちらがダムを破壊したのか不明な中で、今回の事件がどちらに有利なのかをめぐり多様な分析が出ている。



◇ウクライナの作戦の足引っ張るか


まず西側の軍事専門家を中心に、4日から大反撃を始めたウクライナの足を引っ張るだろうという分析が出ている。ウクライナは南部クリミア半島から東部ドンバス(ドネツク、ルハンシク)に至るロシア占領地を奪還するために、陸橋を断つことを狙った。カホフカ水力発電所のダムがあるヘルソン州やザポリージャ原発があるザポリージャ州などを掌握してロシア占領地を分断することが核心だ。これを通じてロシア軍の重要な物流補給路(陸橋)を断ち、クリミア半島をはじめとする南部のロシア占領地を孤立させる考えだった。

だがカホフカ水力発電所のダム破壊でドニプロ川下流地域が浸水してこうした作戦が支障をきたすことになった。ドニプロ川を中心に西側はウクライナ軍、東側はロシア軍の統制下にあるが、今回のダム破壊で浸水したのは川の東側地域だ。西側の支援により戦力が急上昇したウクライナ機甲部隊の東側への進撃が難しくなった。米予備役陸軍中将スティーブン・トゥイッティ氏は「ダムが氾濫すれば水が農地などに流れ込んで土地が泥沼になり装甲車が泥にはばまれ通過できなくなる」と話した。

実際にウクライナ軍関係者はフィナンシャル・タイムズに「(洪水)直後は本質的にその土地は湿地になるだろう。上陸作戦計画があるならば当分絶対にしないだろう」と話した。ウォール・ストリート・ジャーナルは「ダム破壊はウクライナの選択肢を狭めることになった。ロシアはウクライナ軍の潜在的進軍経路を制限し防衛に向けた時間を稼げるようになった」と伝えた。ロシアは旧ソ連時代にダム爆破を戦争に活用した前歴がある。1941年の第2次世界大戦当時、ソ連はナチスドイツの進撃を防ぐためドニプロ川中流にあったドニプロダムを爆破した。これによる洪水で民間人数千人が死亡した。

◇ダム崩壊、ロシアにも甚大な被害

だがカホフカ水力発電所のダム破壊による被害はロシアも劣らない。ウクライナの攻勢に備えて川の東側に力を入れて構築してきた防衛陣地が浸水したためだ。米シンクタンク海軍分析センターのマイケル・コフマン軍事分析家は「ダムが破壊されドニプロ川東側のロシアの第1防衛線が浸水した。この災害はロシアが占領した領土に最も大きな影響を及ぼすだろう」と話した。



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