アップルの複合現実（ＭＲ）ヘッドセットが公開される。アップルウォッチ以来の最大の野心作に挙げられ、市場ではサムスン電子やメタ（Ｍｅｔａ）などと競争しながらＭＲ機器市場が急成長するという見方が出ている。

アップルは５日（現地時間）、米カリフォルニア州クパチーノで開催される年次世界開発者会議（ＷＷＤＣ）でＭＲヘッドセットを公開する予定だ。

ブルームバーグ通信など海外メディアによると、この機器は「Ｒｅａｌｉｔｙ　Ｏｎｅ」または「Ｒｅａｌｉｔｙ　Ｐｒｏ」という名称で、外観デザインはスキーゴーグルに似ているという。販売時期は今年１０－１２月期、価格は３０００ドル（約４２万円）程度となる見込みだ。


この機器はアップルのｉＯＳインターフェースに使用者が操作できるようカメラ・センサーが搭載されるとみられる。ゲーム、フィットネス、瞑想アプリパックが入り、メッセージ、ＦａｃｅＴｉｍｅ、ＳａｆａｒｉなどｉＯＳアプリにも接続できる。ヘッドセットでＦａｃｅＴｉｍｅ（映像通話）をすれば使用者があたかも同じ空間にいるような感じを作り出すことができるという説明だ。

アップルの新製品公開を控え、海外メディアや市場では高い評価が続いている。米ＣＮＮはアップルヘッドセットについて「２０１５年に公開したアップルウォッチ以来の最大の野心作」と報じた。フィナンシャルタイムズ（ＦＴ）は「（ｉＰｈｏｎｅ登場以来）１３年ぶりの最も重要な製品」と表現した。

米ウォール街のアナリストはこのヘッドセットがアップルの２０２３年度会計年度が終わる９月までに販売されないにもかかわらず、アップルの売上高を前年比７％増の４１１０億ドル（約５３７兆５８８０億ウォン）と予想した。年初から４５％上昇したアップルの株価も今回の新製品公開でまた高空行進すると予想した。ＦＴは「アイフォンのアプリを作るにはマックブックが必要であるように、新製品ヘッドセットが開発者にそのような機会を提供するだろう」と明らかにした。

市場ではメタがアップルより４日先にヘッドセットの新製品を公開し、期待感が高まった状況だ。メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者（ＣＥＯ）は１日（現地時間）、自身のフェイスブックとインスタグラムで「クエスト３」を公開した。前作より４０％薄くて着用感が良く、ディスプレーと解像度を強化したのが特徴だ。次世代クアルコムチップセットを使用してグラフィック性能は２倍強化し、３つ以上のカメラが機器の前面に装着される。

クエスト３の販売価格は４９９ドルと、安い方だ。ザッカーバーグ氏は「単独機器でバーチャルリアリティ（ＶＲ）とＭＲを経験できる最高の方法」と強調した。

サムスン電子もヘッドセット市場に参入するとみられる。サムスン電子は年初、ギャラクシーＳ２３アンパック行事で、グーグル、クアルコムと提携してＸＲ生態系を構築すると宣言した。２月には韓国・米国特許庁に「Ｇａｌａｘｙ　Ｇｌａｓｓｅｓ」商標を出願した。業界は早ければ今年末に、遅くとも来年初めに製品が販売されるとみている。

米市場調査会社ＩＤＣによると、グローバルＸＲ市場規模は昨年１３８億ドルと、年平均３２％成長し、２０２６年には約５０９億ドルに拡大するという。ハナ証券のキム・ドゥヒョン研究員は「今年はソニーのプレイステーションＶＲバージョンから始まり、アップル・メタのヘッドセット販売など３つのイベントでＸＲ市場拡大の元年になりそうだ」と述べた。