U-20W杯準々決勝のナイジェリア戦でゴールを決めたチェ・ソクヒョン。
前半・後半を0-0で終えた両チームは延長戦に入った。この試合の唯一のゴールは延長前半5分に生まれた。イ・スンウォン(江原)のCKからDFチェ・ソクヒョンが頭で方向を変えたボールはゴールに吸い込まれた。
ナイジェリアが韓国の長身FW(192センチ)イ・ヨンジュン(金泉)を警戒する間、ジャンプ力があるチェ・ソクヒョンが感覚的に空間を活用した。
◆大学選手チェ・ソクヒョン、闘志で短所を克服
チェ・ソクヒョンはCBの選手としては身長が178センチと低い。このポジションには180センチ台中後半の選手が多い。にもかかわらず今大会ではヘディングで2得点している。エクアドルとの決勝トーナメント初戦(韓国3-2勝利)でも決勝ゴールを決めた。チェ・ソクヒョンは大学生だ。今回のU-20韓国代表選手のうち、GKキム・ジョンフン(高麗大)と共に2人だけが大学チームに所属している。プロに比べて経験などが不足するしかない。
U-20韓国代表の金殷中(キム・ウンジュン)監督は敏捷性・闘志・サッカーセンスなどチェ・ソクヒョンの長所を高く評価した。体格・経験の短所を克服することができると判断した。期待通りスピードとジャンプ力で活躍を見せた。連続決勝ゴールで金監督の選択が正しかったことを証明した。イタリアのファビオ・カンナバーロ (176センチ)やスペインのカルレス・プジョル(178センチ)のような、小さいが強い世界的なセンターバックの誕生を期待させる。試合後のインタビューでチェ・ソクヒョンは「イ・スンウォンがうまく上げてくれたので頭で押し込むことができた」と同僚を称えた。
2003-04年生まれが主軸の今回のU-20韓国代表は、李承佑(イ・スンウ、水原FC)、白昇浩(ペク・スンホ、全北)、李康仁(イ・ガンイン、マヨルカ)などがいた過去の代表より注目を引くことができなかった。所属チームの主力級選手もほとんどいない。一部の人は今回のU-20韓国代表を「谷間世代」と呼んだ。こうした状況で4強入りを果たしただけに感慨深くなるしかない。
金殷中監督は試合後のインタビューで涙を見せた。「両チームともに慎重に試合をした。体力的にもきつく、厳しかった」と話し始めた金監督は「選手たちに本当に感謝している」と言って涙を流した。続いて「最後まであきらめず韓国サッカーの力を見せようと注文した」とし「選手がよく持ちこたえて良い結果が生まれた」と語った。
◆左目の視力を失った金殷中、指導者として浮上
金監督は中学時代、ボールが当たって負傷した目を適時に治療できず、左目の視力をほぼ失った。こうした困難の中でも驚くほどの得点力を見せため「シャープ」と呼ばれた。プロ舞台ではゴールゲッターとして知られたが、代表チーム、特にA代表では足跡を残すことができなかった。選手時代に遠ざかった太極マークを指導者として付けた金監督は「谷間世代」の弟子を一気に頂上が見えるところまで牽引した。
韓国は決勝進出をかけて9日午前6時にイタリアと対戦する。イタリアは準々決勝でコロンビアに3-1で勝利し、3大会連続で4強に進出した。イタリアはグループリーグでブラジルに3-2で勝利したが、韓国の準々決勝の相手だったナイジェリアには0-2で敗れた。
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