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「疑問を解消できない視察」 汚染水視察団の発表を韓国環境団体が批判

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

福島県富岡駅にある放射能線量計。ここは福島第1原発から10キロ離れている。イ・ヨンヒ特派員

福島第1原発の汚染水処理施設を点検して帰国した韓国政府視察団の結果発表に対し、環境団体が31日、「懸念したように日本政府を立てるような視察だった」と批判した。

日本放射性汚染水海洋投棄阻止共同行動(以下、共同行動)はこの日午後2時、ソウル市中区(チュング)で記者会見を開き、「視察団派遣を決定した時から懸念されたように、日本政府の立てるような視察だったことが明らかになった」と主張した。

共同行動は▼視察団が試料採取と検証もできずに帰国し、東京電力が提示した標本の代表性問題に対する疑問を解消できなかった▼廃炉(原子炉永久閉鎖)過程が進行されない状態で30年以上続く汚染水発生問題の対策への評価がない▼トリチウムの生物学的濃縮と海洋生態系に及ぼす影響を十分に扱っていない点などを問題に挙げた。


◆「海洋投機が他の代案と比べてよいという根拠を知るべき」

この日、記者会見に参加した専門家らは「視察団が日本の汚染水処理設計自体に問題がある可能性を検討した内容が発表になかった」と指摘した。海洋放出が他の処理方式と比較してこの問題を解決するうえでよいという根拠を視察団が確認、把握することができなかったというのが最も重要な問題ということだ。

ソウル大の白道明(ペク・ドミョン)教授(元ソウル大保健大学院長)は「原子力業界である措置を取る時は『正当化の原則』(措置を取って得る社会構成員の利益が害よりも大きくなければいけないという原則)に基づかなければいけない」とし「日本の汚染水海洋投棄(放出)が正当化の原則に基づくものかについて視察団が点検したのか疑問」と述べた。

原子力の安定と未来(民間原子力団体)のイ・ジョンユン代表は「福島原発事故が発生した2011年から海洋投棄を決定するまでの過程をみると、最初から海洋投棄を念頭に置いて汚染水処理計画を設計して進めてきたことが分かる」と主張した。

◆「トリチウム体内被ばく時は有害という反論も」

トリチウムの有害性もさらに深く問いただすべきという指摘もあった。白教授は「トリチウムの場合、外部被ばくが危険でないと知られているが、有機結合を通じて体内に蓄積された水産物を摂取するなど体内被ばく時に人体に悪い影響を及ぼすという反論が引き続き提起されている」と説明した。

イ代表も「一般原発から放出するトリチウムとALPS(多核種除去設備)を経た福島汚染水は違う」とし「汚染水にはトリチウムの他にもプルトニウムなど多核種が含まれていて、ALPSはこれを減らすだけで完全に除去することはできない」と話した。

◆「視察団がすべき質問と検証はこれ」

視察団が海洋放射能レベルを評価する際、表層海水調査に限定するのではなく、海底堆積物、魚類の放射能数値に基づいて福島汚染水海洋放出安全性問題を判断すべきという指摘も出てきた。単純に表層海水の放射能を根拠に人体に及ぼす影響を検討してはいけないということだ。

白教授は「韓国原子力安全技術院(KINS)の海洋環境放射能調査の結果をみると、東海岸の海底堆積物からセシウム137の濃度が(福島原発事故が発生した)2011年に急激にピークになった後、減少している」とし「この数値が意味することについて質問を投じるべきだ」と述べた。



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