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【コラム】米中覇権争いの中で日本の地政学的魅力が浮上(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最近の世界経済のホットニュースは日本証券市場の復活だ。このほど広島で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)に世界のスポットライトが集まる状況と絶妙に合致した。

東京証券取引所1部の優良株で構成された日経平均株価は30日に3万1328.16円で引け約33年ぶりの高値を継続した。日経平均は今年に入ってからだけで20%以上上昇した。東京証券市場1部をすべて反映したTOPIXもやはり連日30年ぶりの高値記録を塗り換えている。まるで証券市場に火がついたようだ。東京証券取引所によると外国人投資家の買い越し規模は5月第2週まで7週連続で3兆円に迫った。

1990年代初めのバブル崩壊後に進んできた「失われた30年」がもう幕を下ろしたのだろうか。日本経済全体として見ればまだ進む道は長い。しかし証券市場だけみれば確実に雰囲気が変わった。


東京証券市場急騰の原因は複合的だ。バンク・オブ・シンガポールの首席エコノミスト、マンスール・モヒウディン氏は3つに整理した。

◇日経指数今年20%以上上昇

まず景気回復だ。1-3月期の日本の国内総生産(GDP)は前四半期より0.4%成長した。市場予想の0.1%を上回った。この傾向が1年間続くと仮定して算出する年率では1.6%になる。国際通貨基金(IMF)が1.5%の成長を予想した韓国経済を凌駕できる。日本経済がプラス成長に戻ったのは3四半期ぶりだ。景気回復は企業の業績改善を意味する。SMBC日興証券によると日本の上場企業1308社の2022年度営業利益は前年より4.2%増え過去最大を記録すると予想される。

2番目に、日本銀行の超金融緩和政策持続だ。4月に就任した植田和男総裁は前任の黒田東彦氏の金融緩和政策をそのまま継承している。10年物長期国債金利をほぼ0%で縛っておくイールドカーブ・コントロール(YCC)も、政策金利マイナス0.10%も黒田総裁時代と同じだ。アベノミクスの執行官だった黒田氏が退任すれば超金融緩和に終止符が打たれるかもという証券市場の懸念をきれいに解消した。しかも日本の物価上昇率が日本銀行の目標値である2%をはるかに上回っているのにだ。4月の日本の消費者物価(CPI)上昇率は3.4%を記録した。特に生鮮食品とエネルギーを除いたコアCPI上昇率は4.1%で42年来の高水準だった。

3番目に円安だ。ドル=円相場は26日に1ドル=140.66円で130円台を超えるドル高円安となった。円相場は昨年10月の150円台には至らないが、依然として記録的な安さをみせている。円安はトヨタ自動車など日本の輸出大企業の業績改善を刺激し、これは証券市場の好材料として作用する。

◇昨年の自社株買い過去最高

また別の理由がある。日本の証券市場で以前には見られなかった株主還元政策が熱く展開されている。配当と自社株買いの増加が代表的だ。CNNによると日本の上場企業の2022年度の自社株買いは約9兆7000億円に達した。過去最高だ。また、上場企業が配当を増やし日経配当指数もやはり過去最高を記録した。こうした流れには東京証券取引所が重大な役割をした。一種の官治だ。東京証券取引所は株価純資産倍率(PBR)が1倍を下回る企業に積極的な株価浮揚を促した。2月基準でPBRが1倍以下の東証上場企業は約半分に達した。PBR1倍以下は時価総額が企業を清算した価値より低いことを意味するという点で企業の低評価状況を端的に見せる。バブル崩壊後長く低評価されてきた日本株が本来の価格を取り戻すのに取引所が本格介入したのだ。株主行動主義の拡散も見逃せない。英フィナンシャル・タイムズによると、自社株買い、配当拡大など株主価値向上を目的とする行動主義ファンドの数は2014年の10件未満から今年は約70件に増え、企業利益を株主にさらに多く還元すべきという動きを引き出した。

総合すれば日本の証券市場が海外の投資家に再び魅力的に見え始めたということに圧縮できる。ここに折しも「投資の鬼才」バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット会長が加勢した。めったに米国を離れないバフェット氏が4月中旬に日本を訪問した。彼は日本経済新聞とのインタビューで、日本の大手総合商社5社の株式を7.4%まで増やしたと明らかにした。5大総合商社は伊藤忠、三菱、丸紅、三井、住友だ。2020年8月に公示を通じて株式保有の事実を明らかにした5大商社に対する投資比率をさらに高めると公開したのだ。このようになれば日本は米国を除くとバフェット氏の最大の投資先となる。


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