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体長4ミリの虫の大群が居間に…15年で全国に広がった外来種の襲撃=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

仁川松島のあるマンションで発見されたタマバエの死骸。[写真 読者提供]

仁川松島(インチョン・ソンド)の新築マンション団地に住むユンさん(31)は最近2週間ほど留守にして帰ってきて家の様子に衝撃を受けた。窓を閉めていたのに居間と靴箱などあちこちにタマバエの死骸が積もっていた。その時からユンさんは絶えず出てくるタマバエとの戦争を行わなければならなかった。彼は「寝る前に携帯電話をつければハエが携帯電話に向かって飛んできて、鼻に入る場合もあり睡眠に支障が出てきた。もうすぐ子どもが生まれるがまともな家を出て借家でも確保すべきか落ち着かない」と話す。



タマバエの襲撃に苦痛を受けているのはユンさんだけでない。2月から入居が始まったこのマンション団地では先月中旬からタマバエの死骸が大量に見つかり始めた。別の住民は「押し入れの服は幼虫だらけで、ふとんの洗濯ももう一度しなければならない。子どもたちを連れて実家などに移った世帯も多い状況」と話した


別の地域のマンションでもタマバエの群れが現れたという報告が相次いでいる。害虫防除業者代表のイム・チャンホさんは「最近松島だけでなく始興(シフン)や釜山(プサン)など全国でタマバエの報告が寄せられた事例は14カ所。うわさになるかとみんな不安に思う状態で表に出ないようにしながら建設会社の対応を待っているが、現場に行ってみると松島ほど深刻な状況の所が多い」とした。

この小さな虫の正体はタマバエの一種で外来種だ。新築マンション内部で主に発見されマンションタマバエと呼ばれたりする。2008年に松島のある新築マンションで初めて発見された。その後、春になると間けつ的に被害事例が現れ、15年ぶりに全国的に大量発生した。タマバエは人に直接的な害を及ぼすことはないが、大きさが4ミリメートルほどと小さく、食べ物や呼吸器を通じて体内に入ることがある。

①流入-家具の中で増殖

最大のミステリーはどのように外来種のタマバエが新築マンション内部で大量に生息しているのかだった。2008年の初めての発見後に進められた調査の結果、押し入れのパーティクルボード内部でタマバエが増殖するのが確認された。タマバエが家具内のかびを食べながら生息し成虫になると隙間から外に出てくるのだ。

マンションタマバエはインドで初めて見つかった種で、中国などを経て韓国に流入したと推定される。だが正確な流入経路はまだ明らかになっていない。当時研究を進めた高麗(コリョ)大学環境生態工学部のペ・ヨンジェ教授は「木材輸入元である東南アジアまで行ったが結局起源地を見つけられなかった。インドで出てきた種が韓国にどのようにやってきて自生しているのか今後明らかにしなければならない状況」と話した。

②拡散-全国の海沿いのマンション中心に広がる

マンションタマバエは2008年に松島で初めて発見されてからマンション団地つながりで徐々に他の地域に広がっていった。2011年に京畿道(キョンギド)の坡州(パジュ)と南楊州(ナムヤンジュ)に続き、2014~2015年には全羅南道麗水(チョンラナムド・ヨス)と慶尚南道巨済(キョンサンナムド・コジェ)でも発見された。だがほとんどが新築マンションで発生したため、建設会社と住民のいずれも外部に明らかになることを敬遠した。タマバエ流入原因を調査した初めての報告書もやはり業者側の要請で公開されなかった。

こうした状況の中で海沿いの都市のマンションを中心にタマバエ被害事例が次第に増えてきた。かびが生息しやすい高温多湿な環境が作られるなど徐々に亜熱帯化する気候もタマバエ拡散に影響を及ぼしたと分析される。害虫防疫専門家のチョン・ムンシク氏は「夏に梅雨が長かった翌年にタマバエ被害が最大化するパターンが現れた。特に海に近く湿度が高い所でタマバエ発生頻度が高かった」とした。

③定着-温暖化で生存と適応容易に

外来種のタマバエが新築マンションという環境でどのように15年にわたり生存して韓国に定着できたのかも明らかにすべき課題だ。2月に国際学術誌のサイエンティフィックリポートに掲載された論文によると、研究チームは「(マンションタマバエは)10年間遺伝的多様性が減少したにもかかわらず新しい地域に成功裏に侵入したことを立証する数少ない事例のひとつ」と明らかにした。子(幼虫)が子を産む幼生生殖という独特の繁殖方法を通じ新たな環境でも生き残ったという可能性も提起された。このように生存能力が優れているため専門防疫業者の助けを受けずに対処するのは容易でない。

韓国の気候が次第に暖かくなり外来種が定着しやすい環境に変わっているのも懸念される部分だ。世界化で貿易と旅行などの活動が増加し外来種の流入がさらに加速化した状況で気候変動により侵入した外来種が新たな生息地で生き残り適応するのが容易になったという意味だ。

最近ソウル・江南(カンナム)のある住宅で見つかった外来種のシロアリもやはり高温地域に主に生息する種だ。韓国政府は女王アリを含む合計253匹を処分し、シロアリが周辺に拡散した痕跡はなかったと明らかにした。

ペ教授は「温暖化の影響で外来昆虫が国内に流入したり大発生する可能性が大きい状況。ヤブ蚊など病原菌を媒介する外来種が国内に流入すれば深刻な保健問題を起こしかねないため備えが必要だ」と強調した。



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