A教師は英語の時間に宿題をしてこなかった生徒を叱ったところ、抗議を受けた。生徒は「できないと言ったのにどうしてそう言うのか。そのように教えろと習ったか」と反発した。教師は興奮した生徒を教室の外に連れていって落ち着かせ、保護者に電話をかけて下校を提案した。しかし保護者は教師が授業を受けさせなかったとして教育庁に通告した。
光州(クァンジュ)の小学校のB教師は女子児童にセクハラ性の暴言を吐いた男子児童に「性暴力は恐ろしい犯罪」と言い聞かせた。すると男子児童の保護者が息子を潜在的な性犯罪者として扱ったとして担任教師の交代と公開謝罪文を要求した。学生人権条例違反として教育庁にも通告した。
23日に国会で開かれた「教育活動保護強化のための国会公開討論会」で取り上げられた教権侵害事例だ。教育部によると、各学校で審議した教権侵害件数は2019年の2509件から2022年には3035件に増えた。教育界では教師を保護する法が必要だという声が高まっている。
◆報復性の児童虐待通告が相次ぐ
最近最も問題になったのは報復性の児童虐待(児童福祉法違反)通告だ。児童の福祉保障のために制定された児童福祉法は教師には「死神法」と呼ばれる。通告されるだけでも担任交代、職位解除などの処分が下されるからだ。韓国教員団体総連合会(教総)が2月、全国の幼稚園・小中学校教員5520人を対象にアンケート調査を実施した結果、回答者の77%が「教育活動、生活指導中に児童虐待の加害者として通告されないか不安」と答えた。
教総のソン・ドクジェ副会長は「『宿題を書き写して出すな』『教室では靴下を履け』などと言葉で訓戒したり、けんかをやめさせようと制止したりするだけでも児童虐待として通告されたりもする」と伝えた。教師労働組合連盟のウォン・ジュヒョン室長は「児童虐待として通告された教員のうち警察の不起訴処分を受ける場合は53.9%で、全体の児童虐待の嫌疑なし比率(14.9%)に比べて圧倒的に高い。それだけ無分別な通告があるということだ」と話した。
試験や校内暴力事件の処理過程でも苦しむ教師が多い。教師労働組合が公開した事例の中には、低い点数を受けた生徒の保護者が「特別目的高校に行けなくなった」として繰り返し苦情を申し立てる事例、アルファベットが分からない小学4年の児童に別の指導をしようとしたところ親が反発して通告すると脅迫する事例などがあった。
教権侵害をする主体は生徒が最も多い。教育部によると、生徒が加害者とされる事件が全体教権侵害事件の93.3%(2833件)にのぼる。しかし教師は生徒よりも親の反発が苦痛だと訴える。教総は酒に酔った親が午前1時に何度も電話をかけて「殺す」と脅迫した事例、精神疾患が疑われる親から侮辱的な言葉を浴びた事例などを公開した。
◆「教職脱出は知能の順」と自嘲…制度補完が必要
教権侵害は教員の士気低下、離脱につながっている。教師労働組合が先月、組合員1万1377人にアンケート調査を実施したところ、2950人(25.9%)が「ほぼ毎日、離職および辞職を考慮している」と答えた。「度々」(33.5%)、「時々」(27.6%)の回答者まで含めると10人に9人は辞職を考えているということだ。
実際、中間年次(勤続15-25年)退職教師数は2017年の888人から19年は979人、21年は1088人に増えている。教師労働組合のウォン・ジュヒョン室長は「最近、教師の間では『教職脱出は知能の順』という自嘲的が言葉が広まっている。若い教師がスタディグループを作って離職を準備したりもする」と伝えた。
専門家らは関連制度を改善すべきだと強調している。協成大のキム・ソンギ教授は「正当な生活指導過程で発生した児童の被害に対しては免責条項を適用できるようにし、教員の不安をなくす必要がある」と述べた。韓国教育開発院のファン・ジュンソン本部長は「教員の生活指導権限を示す小中等教育法に授業排除(教室外移動など)、反省文作成など生活指導の具体的な類型と措置方式を含めるべきだ」と強調した。
告訴から教師を保護すべきだという指摘もある。キム・ソンギ教授は「教育庁が教員を相手にした刑事告訴・告発の件が児童虐待に該当するかを先に審査し、行政力の浪費を防がなければいけない」と話した。ファン・ジュンソン本部長は「教員個人に故意や重過失がなければ訴訟の当事者にならないように自治体や教育庁が取り組んでいく必要がある」と述べた。
光州(クァンジュ)の小学校のB教師は女子児童にセクハラ性の暴言を吐いた男子児童に「性暴力は恐ろしい犯罪」と言い聞かせた。すると男子児童の保護者が息子を潜在的な性犯罪者として扱ったとして担任教師の交代と公開謝罪文を要求した。学生人権条例違反として教育庁にも通告した。
23日に国会で開かれた「教育活動保護強化のための国会公開討論会」で取り上げられた教権侵害事例だ。教育部によると、各学校で審議した教権侵害件数は2019年の2509件から2022年には3035件に増えた。教育界では教師を保護する法が必要だという声が高まっている。
◆報復性の児童虐待通告が相次ぐ
最近最も問題になったのは報復性の児童虐待(児童福祉法違反)通告だ。児童の福祉保障のために制定された児童福祉法は教師には「死神法」と呼ばれる。通告されるだけでも担任交代、職位解除などの処分が下されるからだ。韓国教員団体総連合会(教総)が2月、全国の幼稚園・小中学校教員5520人を対象にアンケート調査を実施した結果、回答者の77%が「教育活動、生活指導中に児童虐待の加害者として通告されないか不安」と答えた。
教総のソン・ドクジェ副会長は「『宿題を書き写して出すな』『教室では靴下を履け』などと言葉で訓戒したり、けんかをやめさせようと制止したりするだけでも児童虐待として通告されたりもする」と伝えた。教師労働組合連盟のウォン・ジュヒョン室長は「児童虐待として通告された教員のうち警察の不起訴処分を受ける場合は53.9%で、全体の児童虐待の嫌疑なし比率(14.9%)に比べて圧倒的に高い。それだけ無分別な通告があるということだ」と話した。
試験や校内暴力事件の処理過程でも苦しむ教師が多い。教師労働組合が公開した事例の中には、低い点数を受けた生徒の保護者が「特別目的高校に行けなくなった」として繰り返し苦情を申し立てる事例、アルファベットが分からない小学4年の児童に別の指導をしようとしたところ親が反発して通告すると脅迫する事例などがあった。
教権侵害をする主体は生徒が最も多い。教育部によると、生徒が加害者とされる事件が全体教権侵害事件の93.3%(2833件)にのぼる。しかし教師は生徒よりも親の反発が苦痛だと訴える。教総は酒に酔った親が午前1時に何度も電話をかけて「殺す」と脅迫した事例、精神疾患が疑われる親から侮辱的な言葉を浴びた事例などを公開した。
◆「教職脱出は知能の順」と自嘲…制度補完が必要
教権侵害は教員の士気低下、離脱につながっている。教師労働組合が先月、組合員1万1377人にアンケート調査を実施したところ、2950人(25.9%)が「ほぼ毎日、離職および辞職を考慮している」と答えた。「度々」(33.5%)、「時々」(27.6%)の回答者まで含めると10人に9人は辞職を考えているということだ。
実際、中間年次(勤続15-25年)退職教師数は2017年の888人から19年は979人、21年は1088人に増えている。教師労働組合のウォン・ジュヒョン室長は「最近、教師の間では『教職脱出は知能の順』という自嘲的が言葉が広まっている。若い教師がスタディグループを作って離職を準備したりもする」と伝えた。
専門家らは関連制度を改善すべきだと強調している。協成大のキム・ソンギ教授は「正当な生活指導過程で発生した児童の被害に対しては免責条項を適用できるようにし、教員の不安をなくす必要がある」と述べた。韓国教育開発院のファン・ジュンソン本部長は「教員の生活指導権限を示す小中等教育法に授業排除(教室外移動など)、反省文作成など生活指導の具体的な類型と措置方式を含めるべきだ」と強調した。
告訴から教師を保護すべきだという指摘もある。キム・ソンギ教授は「教育庁が教員を相手にした刑事告訴・告発の件が児童虐待に該当するかを先に審査し、行政力の浪費を防がなければいけない」と話した。ファン・ジュンソン本部長は「教員個人に故意や重過失がなければ訴訟の当事者にならないように自治体や教育庁が取り組んでいく必要がある」と述べた。
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