昨年10月、慶尚南道昌原市(キョンサンナムド・チャンウォンシ)の馬山(マサン)湾で大量死したイワシ群れ。どれも口を大きく開いたまま死んでいる。これは魚が酸欠で死ぬ時に現れる症状だ。アン・テフン記者
◇昌原市のイワシ対策=回収→焼却
15日、昌原市によると、市は今年のイワシ大量死発生に備えた段階別対応策づくりを急いでいるところだ。基本的に馬山(マサン)地方海洋水産庁など関係機関と共に人材と装備を動員してイワシの死骸を回収した後に焼却処理する計画だ。
これは昨年イワシ大量死処理したときと同じ方式だ。当時昌原市は市が運営する城山(ソンサン)・馬山資源回収施設(焼却場)で死骸の大部分を焼却した。昨年9月30日~10月29日までの約1カ月間、昌原、馬山湾・鎮海(チンヘ)湾一帯で回収したイワシの死骸は226トンに達した。
◇城山焼却場「一部稼働中断」…焼却場を確保できず「非常事態」
ところがその昌原市がイワシの死骸を処理しなければならない焼却場を確保できずに頭を悩ませている。昌原市が運営する焼却場のうち処理容量が大きい城山資源回収施設(1日400トン)が9月から1年以上にわたり一部「稼働中断」に入るためだ。昨年イワシ大量死が発生した10月と時期と重なり、焼却処理量が急減することになる。
昌原市は城山資源回収施設2カ所の焼却炉のうち1カ所(2号機)が建設から20年以上経っていることから、老朽設備の入れ替えのための補修工事に入ると説明した。2号機の焼却容量は1日200トンに達する。市が運営する城山・馬山・鎮海資源回収施設の総焼却容量(1日650トン)の30%程度を占める。
このため今年昌原市は既に資源回収施設で焼却した生活廃棄物のうち一部の1万3000トンを民間委託するか(8000トン)、埋めたてなければならない(5000トン)状況だ。同市の資源循環課関係者は「事実上(イワシの死骸など)追加で発生する物量を焼却することは難しいものとみられる」とした。
◇民間焼却場「今年はしない」
昌原市は民間焼却場を探しているが、これさえも思うようにいかない。昨年一部の死骸を焼却処理した昌原と統営(トンヨン)にある民間焼却場2カ所は「拒絶」意志まで表している。悪臭とともに死骸回収過程で土や石など異質物が大量に混入していて入っていて焼却が難しいという理由でだ。
民間焼却場を利用する場合、費用も2倍以上かかる。市が運営する資源回収施設では費用が1トン当たり10万ウォン(約1万円)だが、昨年民間焼却場で死骸を処理したときは1トン当たり27万ウォンかかった。昌原市関係者は「他の民間焼却場とできるだけ多く接触しているところで、資源回収施設担当部署と協議して処理することができるように最善を尽くしたい」と話した。
◇国立水産科学院「今年もイワシの群れが流入するだろう」
国立水産科学院は11日、「今年も昨年のように南海岸沿岸にイワシの群れが出現すると予想される」とした。先月、慶南・統営地域沿岸で漁獲量が急増したためだ。先月の漁獲物量のうち91%がイワシだった。
実際、最近韓国の沿岸でイワシが急増するのは統計からも知ることができる。韓国のイワシ漁獲量は2006年は記録に残らないほど少なかった。だが、2011年2400トンに増え、2017年には8100トンまで増加した。昨年は1万2000トンまで急増した。
◇昨年イワシ大量死…「悪臭」に苦痛
このように昨年イワシ群れが急増し、群れが押し寄せた南海岸では大量死が相次いだ。特に昌原の馬山湾・鎮海湾で顕著だった。大量死の現場近くに住む市民やカフェ・飲食店など商人は悪臭に悩まされた。同じ時期、慶南統営市韓山面(ハンサンミョン)の龍草島(ヨンチョド)海岸や釜山(プサン)の海雲台(ヘウンデ)海水浴場にもイワシの群れが出没した。
当時国立水産科学院は昌原鎮海湾など大量死の原因を「酸欠による窒息死」と結論付けた。大量死発生海域で「貧酸素水塊」が発生したことが調査で分かった。イワシは同じニシン目魚種であるカタクチイワシやニシンより酸素消費量が多いため酸欠に弱い魚種だ。
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