米国が先進7カ国(G7)メンバーを説得して対ロシア制裁を既存のネガティブ方式からポジティブ方式に変更することを推進している。このようになれば一部許容するもの以外はすべて認めない規制となりロシア経済をさらに固く締めつけることになる見通しだ。欧州連合(EU)もG7とともにロシア産天然ガスの輸入再開を禁止することにした。
◇米国、制裁方式をネガティブからポジティブに強化
ロイター通信は14日、「19~21日に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)でG7首脳らは第三国と関連した対ロシア制裁回避を狙いロシアの未来エネルギー生産を弱める計画を発表するだろう。特に米国は特定分野の商品に対しては承認された品目でない限りすべての輸出を自動で禁止しようという自分たちの提案にG7メンバーが同意すると期待する」と報道した。
現行の対ロシア制裁方式は輸出禁止品目を指定して残りは全部認める「ネガティブ方式」だ。米国はこれを少数の許容物品を除いて輸出をすべて禁止するポジティブ方式に変えようとしている。
◇ロシアの抜け穴になる旧ソ連構成国の「ユーラシア迂回路」
変更された制裁が適用される分野は決まっていない。ドイツをはじめとする一部の国がポジティブ方式を広範囲に適用することに反対しているためだ。米国政府関係者はロイターに「G7メンバーがポジティブ方式をあらゆる分野に使うことに同意することはないが、ロシア軍に最も敏感な分野である防衛産業分野では制裁変化が起きるだろう」と予想した。
米国が制裁強化に出るのは対ロシア経済制裁が思ったほどの効果を得られずにいるためだ。第三国を通じた迂回輸出がロシアの抜け穴となっているだ。ウォール・ストリート・ジャーナルはこの日、「旧ソ連を構成した中央アジア諸国を通じたユーラシア迂回路がロシアが西側の輸出禁止措置を回避する通路になった」と報道した。国連の統計によると、アルメニアとジョージア、キルギスタン、ウズベキスタン、カザフスタンの昨年の対ロシア輸出は前年より約50%増えた150億ドルだ。
注目すべきことは同じ期間にこれらの国が米国とEUから輸入する商品総額も146億ドルから243億ドルに大きく膨らんだ点だ。特に民間と軍用いずれにも使える「二重用途」品目の輸出入が急増した。アルメニアは昨年米国とEUから850万ドル相当の集積回路を輸入した。2021年の集積回路輸入額は53万ドルにすぎなかった。同時にアルメニアがロシアに送った集積回路輸出額は2021年の2000ドル未満と事実上皆無だったのが昨年は1300万ドルに急増した。西側以外にも中国などから集積回路を輸入してロシアに輸出したとみられる。半導体が装着される集積回路はロシアに対する代表的な禁輸品目のひとつだ。
キルギスタン(レーザー)、ウズベキスタン(電気点検)などでも昨年米国とEUから関連装備輸入が急増したと同時に対ロシア輸出が増加した。同紙は「統計を見ればこれらの国が西側から戦争に使うことのできる装備を輸入し、利潤を乗せてロシアに売る貿易をしたと解釈できる。ロシアの物流企業はホームページに『対ロシア制裁を100%迂回する』という広告までしている」と伝えた。
◇「もう必要ない」…欧州、ロシア産ガスをボイコット
一方、フィナンシャル・タイムズは「EUがG7とともにパイプラインを通じたロシアからのガス輸入再開を禁止することにし、G7サミットでこれを最終決定するだろう」と報道した。同紙が確認したG7声明草案には「ウクライナ侵略問題が解決されるまでロシア産エネルギー使用をさらに縮小する。ロシア政府のエネルギー武器化措置で閉鎖されたガスパイプライン再開を防ぐことも含まれる」とされている。
制裁が実施されるならばこれはG7とEUが行う初めてのロシア産天然ガス制裁だ。ロシア産原油を欧州に積み出すパイプラインは現在稼動が中断された状態だ。昨年西側が各種制裁を加えるとロシアがパイプラインのバルブを閉めたためだ。それでも西側はロシア産原油などにかけた禁輸措置とは別に天然ガスには手をつけなかった。天然ガスの40%以上をロシアから輸入するほど依存が大きかったためだ。フィナンシャル・タイムズは「昨年の冬の気温が予想より温和で、EU各国がエネルギー多角化に乗り出し欧州のロシア産ガス輸入の割合は10%未満に落ちた」とし、こうした状況で欧州が逆に「ロシアからガスの供給は受けない」という反撃ができるようになったと分析した。
◇米国、制裁方式をネガティブからポジティブに強化
ロイター通信は14日、「19~21日に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)でG7首脳らは第三国と関連した対ロシア制裁回避を狙いロシアの未来エネルギー生産を弱める計画を発表するだろう。特に米国は特定分野の商品に対しては承認された品目でない限りすべての輸出を自動で禁止しようという自分たちの提案にG7メンバーが同意すると期待する」と報道した。
現行の対ロシア制裁方式は輸出禁止品目を指定して残りは全部認める「ネガティブ方式」だ。米国はこれを少数の許容物品を除いて輸出をすべて禁止するポジティブ方式に変えようとしている。
◇ロシアの抜け穴になる旧ソ連構成国の「ユーラシア迂回路」
変更された制裁が適用される分野は決まっていない。ドイツをはじめとする一部の国がポジティブ方式を広範囲に適用することに反対しているためだ。米国政府関係者はロイターに「G7メンバーがポジティブ方式をあらゆる分野に使うことに同意することはないが、ロシア軍に最も敏感な分野である防衛産業分野では制裁変化が起きるだろう」と予想した。
米国が制裁強化に出るのは対ロシア経済制裁が思ったほどの効果を得られずにいるためだ。第三国を通じた迂回輸出がロシアの抜け穴となっているだ。ウォール・ストリート・ジャーナルはこの日、「旧ソ連を構成した中央アジア諸国を通じたユーラシア迂回路がロシアが西側の輸出禁止措置を回避する通路になった」と報道した。国連の統計によると、アルメニアとジョージア、キルギスタン、ウズベキスタン、カザフスタンの昨年の対ロシア輸出は前年より約50%増えた150億ドルだ。
注目すべきことは同じ期間にこれらの国が米国とEUから輸入する商品総額も146億ドルから243億ドルに大きく膨らんだ点だ。特に民間と軍用いずれにも使える「二重用途」品目の輸出入が急増した。アルメニアは昨年米国とEUから850万ドル相当の集積回路を輸入した。2021年の集積回路輸入額は53万ドルにすぎなかった。同時にアルメニアがロシアに送った集積回路輸出額は2021年の2000ドル未満と事実上皆無だったのが昨年は1300万ドルに急増した。西側以外にも中国などから集積回路を輸入してロシアに輸出したとみられる。半導体が装着される集積回路はロシアに対する代表的な禁輸品目のひとつだ。
キルギスタン(レーザー)、ウズベキスタン(電気点検)などでも昨年米国とEUから関連装備輸入が急増したと同時に対ロシア輸出が増加した。同紙は「統計を見ればこれらの国が西側から戦争に使うことのできる装備を輸入し、利潤を乗せてロシアに売る貿易をしたと解釈できる。ロシアの物流企業はホームページに『対ロシア制裁を100%迂回する』という広告までしている」と伝えた。
◇「もう必要ない」…欧州、ロシア産ガスをボイコット
一方、フィナンシャル・タイムズは「EUがG7とともにパイプラインを通じたロシアからのガス輸入再開を禁止することにし、G7サミットでこれを最終決定するだろう」と報道した。同紙が確認したG7声明草案には「ウクライナ侵略問題が解決されるまでロシア産エネルギー使用をさらに縮小する。ロシア政府のエネルギー武器化措置で閉鎖されたガスパイプライン再開を防ぐことも含まれる」とされている。
制裁が実施されるならばこれはG7とEUが行う初めてのロシア産天然ガス制裁だ。ロシア産原油を欧州に積み出すパイプラインは現在稼動が中断された状態だ。昨年西側が各種制裁を加えるとロシアがパイプラインのバルブを閉めたためだ。それでも西側はロシア産原油などにかけた禁輸措置とは別に天然ガスには手をつけなかった。天然ガスの40%以上をロシアから輸入するほど依存が大きかったためだ。フィナンシャル・タイムズは「昨年の冬の気温が予想より温和で、EU各国がエネルギー多角化に乗り出し欧州のロシア産ガス輸入の割合は10%未満に落ちた」とし、こうした状況で欧州が逆に「ロシアからガスの供給は受けない」という反撃ができるようになったと分析した。
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