英国チャールズ3世戴冠式の招待状。[写真 英国王室 ウェブサイト キャプチャー]
◇パレードを短縮し、礼服は再使用
戴冠式は6日午前11時(日本時間午後7時)、チャールズ3世とカミラ王妃夫妻のパレードで幕が上がる。国王夫妻は馬車「ダイヤモンド・ジュビリー・ステイト・コーチ」に乗ってバッキンガム宮殿を出発して、ザ・マル~トラファルガー広場~ホワイトホール(政府中央庁舎)などを経てウェストミンスター寺院までの約2.1キロ区間を30分間行進する。
戴冠式でチャールズ3世は生涯たった一度だけ着用することになる「聖エドワード王冠」をかぶり、両手には王権を象徴する宝珠(球体の装飾品)と王笏(scepter)を持つ。礼服は「Supertunica」と「Robe Royal」で構成された。Supertunicaは1911年ジョージ5世のために作られたコート、Robe Royalは1821年ジョージ4世のために製作された。剣帯と手袋もジョージ6世が着用した遺物を再使用することにした。宗教的敬けんさを表わすためにフランシスコ教皇がプレゼントしたイエスが実際に磔にされたという十字架からつくられたクロスも戴冠式で公開される。
約2時間余りにわたって執り行われる戴冠式が終われば国王夫妻は「黄金の馬車」に乗って、寺院に来るときと同じルートを経てバッキンガム宮殿に戻る。この行列には英国王族と軍人4000人余りが参加する。バッキンガム宮殿に到着した国王夫妻が王室家族とともにバルコニーで挨拶することで有終の美を飾る。
70年前エリザベス2世は戴冠式を終えてハイドパーク~オックスフォード・サーカスなどを経て8キロのルートを2時間パレードした。行列には軍人3万人が動員された。チャールズ3世のパレードのルートと時間は4分の1で、人員は7分の1水準へ大幅に減らした。
簡素化された行事は物価急騰による厳しい経済状況、王室に対する非友好的な雰囲気が勘案された。外信は戴冠式の正統性と壮厳さは維持するものの、贅沢ではなく実用的なイメージを前面に出そうとするチャールズ3世の意図が反映されていると伝えた。
今回の戴冠式は特に初めて女性司祭が出席して聖書を朗読する。征服王ウィリアム1世が1066年ウェストミンスター寺院で戴冠式を行って以来、女性司祭の出席や聖書朗読は957年間なかった。聖職者の行列にムスリム・仏教・ヒンズー教・シーク教など多様な宗教の代表も参加する。また、英語の他にウェールズ語・スコットランドゲール語・アイルランド語など少数住民の言語でも賛美歌が公演されるなど「多様性」を強調する。
「一般市民の忠誠の誓い」も初めて導入される。戴冠式の中のオマージュ(敬意)儀式の時、カンタベリー大主教、ウィリアム皇太子に続いて現場や中継で見ている市民に「法の下、神の助けのもと、真の忠誠を尽くすと誓う」という誓約を要請する。
戴冠式を執典するカンタベリー大主教は「王室の歴史の中で、一般大衆が新しい国王に対して敬意を表わす機会が提供されたことがなかった」としながら「戴冠式の伝統として新しく重要な瞬間になるだろう」と話した。
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