南シナ海の領有権をめぐって東南アジア諸国と中国の紛争も高まっている。2月に中国軍の艦艇が軍用物資補給作戦を進めていたフィリピン船舶にレーザーを照射し船員が一時的に視力を失う事件が発生したりもした。シンガポールとインドネシアは中国の脅威に対抗して潜水艦を追加で購入し海軍力を強化した。
中国と約3500キロメートルにわたり国境を接しているインドもやはり2020年に国境地帯で中国軍とインド軍が衝突しインド軍側で20人の死者を出してから多連装ロケット砲とブラモス超音速巡航ミサイル、軽戦闘ヘリコプターなどを国境地帯に配備している。ニューヨーク・タイムズは「習近平中国国家主席は台湾を統制して『ひとつの中国』の原則を達成し、南シナ海への接近を制限するなど域内の『規則制定者』として米国を押し出すという目標を明確にした。これに対する対応として隣国が『ハードパワー』に視線を向けている」と分析した。
◇米国は果たして韓国を守るだろうか
これまで域内安保秩序を管理した「世界の警察」米国が信じられなくなった影響も大きい。米国が昨年2月からロシアの侵攻を受けたウクライナに天文学的な支援を注ぎ込んだため他の地域に力を注ぐ政治的・軍事的余力が減ったためだ。もし紛争に巻き込まれた場合、米国に手を差し出すのは不如意になるかもしれない。実際にオーストラリアは24日に公開した国防戦略報告書(DSR)で「中国はインド太平洋の世界的規則基盤秩序を脅かし、米国はこれ以上この地域の独歩的リーダーではない」と診断し、4年間に190億豪ドルを投じて独自の長距離ミサイル打撃能力を確保すると明らかにした。隣国であるインドネシアも昨年2月にフランスとラファール戦闘機42機の購入契約を締結したのに続きブラモスミサイル2億ドル相当を購入する計画も立てている。
◇ロシア製兵器に裏切られる
インドと東南アジアの主要兵器供給国だったロシアがウクライナ戦争後に供給量を満たせていないことも変数になっている。インド空軍は先月ロシアから購入した戦闘機スホーイ30、ミグ29と、防空ミサイルS400などがまともに供給されていないと明らかにした。インドのシンクタンク、オブザーバーリサーチ財団のハーシュ・パント副理事長は「ウクライナ戦争はインドがロシアに対する依存度を減らし兵器多角化の努力を傾けさせた」と話した。英エコノミストも「ロシア製兵器がウクライナ戦争で見せてくれたさんざんな性能は東南アジア諸国がロシア製兵器を敬遠し韓国など新たな国に目を向けさせた」と伝えた。
アジア太平洋地域で広がる軍備競争は本質的に安保自立次元だが、こうした軍備増強だけでは危機抑止に限界があるという分析も出ている。豪グリフィス大学のピーター・レイトン研究員は「10年以内にアジア地域で主要強大国間の戦争が発生する可能性が大きくなっている。米国・アジア諸国と中国間の経済相互依存を強化し軍事的衝突を防がなければならない」と話した。
米国は果たして韓国を守るだろうか…拡大する戦争の恐怖、アジア太平洋諸国で軍備競争(1)
中国と約3500キロメートルにわたり国境を接しているインドもやはり2020年に国境地帯で中国軍とインド軍が衝突しインド軍側で20人の死者を出してから多連装ロケット砲とブラモス超音速巡航ミサイル、軽戦闘ヘリコプターなどを国境地帯に配備している。ニューヨーク・タイムズは「習近平中国国家主席は台湾を統制して『ひとつの中国』の原則を達成し、南シナ海への接近を制限するなど域内の『規則制定者』として米国を押し出すという目標を明確にした。これに対する対応として隣国が『ハードパワー』に視線を向けている」と分析した。
◇米国は果たして韓国を守るだろうか
これまで域内安保秩序を管理した「世界の警察」米国が信じられなくなった影響も大きい。米国が昨年2月からロシアの侵攻を受けたウクライナに天文学的な支援を注ぎ込んだため他の地域に力を注ぐ政治的・軍事的余力が減ったためだ。もし紛争に巻き込まれた場合、米国に手を差し出すのは不如意になるかもしれない。実際にオーストラリアは24日に公開した国防戦略報告書(DSR)で「中国はインド太平洋の世界的規則基盤秩序を脅かし、米国はこれ以上この地域の独歩的リーダーではない」と診断し、4年間に190億豪ドルを投じて独自の長距離ミサイル打撃能力を確保すると明らかにした。隣国であるインドネシアも昨年2月にフランスとラファール戦闘機42機の購入契約を締結したのに続きブラモスミサイル2億ドル相当を購入する計画も立てている。
◇ロシア製兵器に裏切られる
インドと東南アジアの主要兵器供給国だったロシアがウクライナ戦争後に供給量を満たせていないことも変数になっている。インド空軍は先月ロシアから購入した戦闘機スホーイ30、ミグ29と、防空ミサイルS400などがまともに供給されていないと明らかにした。インドのシンクタンク、オブザーバーリサーチ財団のハーシュ・パント副理事長は「ウクライナ戦争はインドがロシアに対する依存度を減らし兵器多角化の努力を傾けさせた」と話した。英エコノミストも「ロシア製兵器がウクライナ戦争で見せてくれたさんざんな性能は東南アジア諸国がロシア製兵器を敬遠し韓国など新たな国に目を向けさせた」と伝えた。
アジア太平洋地域で広がる軍備競争は本質的に安保自立次元だが、こうした軍備増強だけでは危機抑止に限界があるという分析も出ている。豪グリフィス大学のピーター・レイトン研究員は「10年以内にアジア地域で主要強大国間の戦争が発生する可能性が大きくなっている。米国・アジア諸国と中国間の経済相互依存を強化し軍事的衝突を防がなければならない」と話した。
米国は果たして韓国を守るだろうか…拡大する戦争の恐怖、アジア太平洋諸国で軍備競争(1)
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