金泳三(キム・ヨンサム)政権は「不正政権」、金大中(キム・デジュン)政権は「改革政権」という断定的評価を下した「韓国近現代史」教科書が検定を通過、議論を呼んでいることを受け、教育部が急きょ修正の指示を出した。
現政権下で作られる教科書が現政権を評価するということ自体が、歴史叙述の常識を逸脱することであることに加え、教育部が今ごろになってこの事実を知り、修正するということ自体がナンセンスだ。
検定を通過した問題の近・現代史教科書4種は、第7回教育過程により来年、初めて導入される深化選択科目だ。現行の国定国史教科書が前・現政権に対して客観的な事実だけを短く記述した反面、今回の教科書はある程度、前・現政権の功罪に対する評価を試みているのが特徴だ。
金泳三政権は「一部側近の強大な権力行使と不正腐敗」「大型事故の頻発、社会不安」などで「不正政権」という印象が強い半面、金大中政権に対してはIMF管理体制の終了、民主的改革措置、南北首脳会談、ノーベル平和賞受賞など「改革政権」としての政治的功績を強調するのに重点をおいている。
国民の共通の教育目標と価値中立的な評価の基準となるべき教科書がこのように偏れば、青少年の歴史観を混乱させてしまうだろう。
しかもある事項が歴史的記述の対象になるには、一定の検証期間を経なければならないのに、現政権に対して歴史的評価を下すとは、実に早急で非常識だ。金大中政権が行っている改革措置は、ゲートや側近の不正で色あせ、対北朝鮮政策も様々な問題点を浮き彫りにしている。評価・検証はまだ早い。
現政権に対する評価を、歴史教科書の内容にするという基準がある限り、同じ失敗は繰り返される。教育部が教科書の内容を修正するというなら、現政権に対する評価と歴史記述自体を削除する検定の指針をはっきり定めるべきだ。歴史教科書が政権を持ち上げるためのものとして転落してはならない。
現政権下で作られる教科書が現政権を評価するということ自体が、歴史叙述の常識を逸脱することであることに加え、教育部が今ごろになってこの事実を知り、修正するということ自体がナンセンスだ。
検定を通過した問題の近・現代史教科書4種は、第7回教育過程により来年、初めて導入される深化選択科目だ。現行の国定国史教科書が前・現政権に対して客観的な事実だけを短く記述した反面、今回の教科書はある程度、前・現政権の功罪に対する評価を試みているのが特徴だ。
金泳三政権は「一部側近の強大な権力行使と不正腐敗」「大型事故の頻発、社会不安」などで「不正政権」という印象が強い半面、金大中政権に対してはIMF管理体制の終了、民主的改革措置、南北首脳会談、ノーベル平和賞受賞など「改革政権」としての政治的功績を強調するのに重点をおいている。
国民の共通の教育目標と価値中立的な評価の基準となるべき教科書がこのように偏れば、青少年の歴史観を混乱させてしまうだろう。
しかもある事項が歴史的記述の対象になるには、一定の検証期間を経なければならないのに、現政権に対して歴史的評価を下すとは、実に早急で非常識だ。金大中政権が行っている改革措置は、ゲートや側近の不正で色あせ、対北朝鮮政策も様々な問題点を浮き彫りにしている。評価・検証はまだ早い。
現政権に対する評価を、歴史教科書の内容にするという基準がある限り、同じ失敗は繰り返される。教育部が教科書の内容を修正するというなら、現政権に対する評価と歴史記述自体を削除する検定の指針をはっきり定めるべきだ。歴史教科書が政権を持ち上げるためのものとして転落してはならない。
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