米国が韓米首脳会談で「ワシントン宣言」を採択するのに先立ち、これを中国に事前説明していたことが分かった。

大統領室高位関係者は２６日午後（現地時間）、ワシントン現地のプレスルームで行った会見で「米国が今日『ワシントン宣言』を発表する１～２日前に中国に『ワシントン宣言』の概略を事前に説明した」と明らかにした。

この日、韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領と米国のバイデン大統領はワシントンＤＣのホワイトハウスで首脳会談を開き、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗した韓米拡大抑止強化方案が入った「ワシントン宣言」を発表した。


尹大統領は韓米首脳会談を終えた後に行われた共同記者会見で「我々両首脳は北朝鮮の核・ミサイル脅威に直面して相手の善意に頼る偽の平和ではない、圧倒的な力の優位を通した平和を達成するために両国間の拡大抑止を画期的に強化することにした」とし「このような意志を『ワシントン宣言』に込めた」と述べた。

大統領室関係者は「宣言が中国と直接的な衝突要因ではなく、北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する同盟次元の対備方案なので中国としてはこれを懸念したり何らかの問題意識を持つ必要はないという趣旨で事前にブリーフィングをしたと理解している」と伝えた。

大統領室はまた、この日の首脳会談の結果として６件の別途合意文を出すことができたと明らかにした。

このうち▽ワシントン宣言　▽韓米次世代核心・新興技術対話スタートのための共同声明　▽戦略的サイバー安保協力フレームワーク　▽韓国戦争（朝鮮戦争）名誉勲章授与者の身元確認に関する首脳共同声明－－など４件は大統領室と米国家安保室（ＮＳＣ）の間で締結された。

残りの２件のうち「量子科学技術協力共同声明」は科学技術情報通信部とホワイトハウス科学技術政策局間で、「韓米宇宙探査協力共同声明」は科学技術情報通信部と米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）間でそれぞれ締結された。

大統領室は「今日の首脳会談を通じて韓米同盟は価値同盟を主軸に安保同盟・経済同盟・技術同盟・文化同盟・情報同盟の５つの柱が席を占めた」とし「これら５分野の協力が拡大してシナジーを発揮して『未来に向けて前進する、行動する韓米同盟』がしっかりと具現されることを期待する」と述べた。

一方、この日の首脳会談で韓米首脳間の日本関連の議論は行われなかったという。大統領室関係者は「日本に関連し、今日具体的に韓米首脳が何らかの計画や今後の韓日間の懸案について話し合うことはなかった」と話した。

バイデン大統領が会談の冒頭発言などで韓日関係の改善に言及したことについては「ただし、韓国大統領が先制的・積極的に韓日関係を改善して導いていることに対して米国が評価した」と説明した。