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【社説】10~20代の極端な選択が急増、深まる憂うつ社会=韓国

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
何日か前にソウル・江南区(カンナムグ)で女子学生Aさんが極端な選択する姿がソーシャルメディア(SNS)で生配信され大きな衝撃を与えた。この過程を数十人がリアルタイムで視聴して議論を呼んだ。続けて刺激的なものを求めるオンライン観淫症と人生の最後の場面まで生配信する過度なSNS依存症が社会的問題として台頭した。

さらに大きな問題は極端な選択を暗示するメッセージが「ミーム」のように広範囲に広がりつつあるという点だ。実際にAさんが活動していたインターネットコミュニティのうつ病ギャラリーは極端な選択と関連した投稿がたびたび上がってくる。事故直前にAさんも「一緒に投身する人を求める」と投稿した20代の男性と会った。Aさん以外にもこの3年間でコミュニティ活動者10人ほどが極端な選択をしたという複数の証言も出ている。

さらに情緒的に弱い10~20代の女性ばかり狙う男性がいるという情報まである。悩み相談などを口実で接近しガスライティング(巧妙な心理的支配を通じた搾取)するということだ。警察が内偵調査に着手しただけに徹底的に真相を見極めて加害者を厳罰しなければならない。「うつ病ギャラリーを閉じろ」というAさんの最後の言葉のようにコミュニティに対する調査と再発防止対策も必要だ。


しかしもっと本質的なことは、10~20代の弱くなった精神健康を回復することだ。健康保険審査評価院によると、20代のうつ病患者は2017年の7万8016人から2021年には17万7166人と127%急増した。20代の不安障害患者も同じ期間に5万9080人から11万351人に87%増えた。

自殺率も深刻だ。自殺率は2011年にピークとなり下落しているが、10~20代だけは増加している。2017~2021年の20代の自殺率は10万人当たり16.4人から23.5人に増加した。20代の死亡原因のうち自殺が占める割合は56.8%に上る。同じ期間に10代の自殺率も4.7人から7.1人に増えた。

10~20代の精神健康が危険水準に至った理由は、幼い時期から激しい競争環境にさらされているところが大きい。全国の同年代と競争した学力考査や修学能力試験中心の過去の入試とは違い、現在は内申のため親しいクラスメートまでライバルと認識される。合わせて自我確立があまりできていない状態で過度なSNS依存は他人との比較を通じて絶えず相対的剥奪感を育て情緒的満足感を低くする。成人した後も回復弾力性が落ちるのはもちろんだ。

急増する10~20代の極端な選択とうつ病の問題を解決するには過度に激しい入試環境を改善し、社会全般的に個人の自律性が尊重される文化を作らなければならない。特に「カフェイン(カカオストーリー、フェイスブック、インスタグラム)」うつ病のようにSNSで他人と比較して誇示する物質中心の風潮も変わらなければならない。

制度的には精神科相談と治療を活性化する必要がある。韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうちうつ病有病率が1位の36.8%だが、人口100人当たりの抗うつ剤消費量はOECD平均の3分の1水準だ。中等度以上のうつ病治療率は11.2%で米国の66.3%の6分の1にすぎない。

ただ昨年12月から治療の敷居が低くなったのは幸いだ。精神科ではなく家庭医学科、産婦人科、神経科などの抗うつ剤処方を年間60日に制限していた規制が廃止されてだ。これでうつ病患者のアクセス性が高まり、短い治療期間による再発の懸念も低くできるようになった。しかし広報が不足し精神科診療を忌避する文化もはびこっている、うつ病を「心の風邪」と考える他の先進国のように市民の認識も速やかに改善しなければならない。



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