ソニーワールドフォトグラフィーアワードの一般応募クリエイティブ部門の受賞作『偽の記憶:電気技術者』。受賞者は受賞を拒否し、資格を失った。[インターネット キャプチャー]
17日BBCなどの報道によると、一般応募作クリエイティブ部門で最優秀賞を受賞したドイツの作家ボリス・エルダグセン氏は「騒がせるために出品した」として受賞を拒否した。AIがしたのは写真ではないという主張だ。エルダグセン氏は13日、自身のウェブサイトに掲載した声明で「歴史的な瞬間を作ってくれた審査委員に感謝する」という言葉も伝えた。
また「AIが生成したイメージがコンテストに出られるか確認するために出品した」として「皆さんの中でこの作品がAIによって作られたということに気づいたり疑ったりする人がどれくらいいるのか」と問い返したりもした。また「AIによる画像や写真が、このようなコンテストで競争するべきではない。AIは写真芸術にはなれない」と受賞拒否の理由を明らかにした。さらに、主催側に自分が受け取る賞金をウクライナのオデッサで開かれる写真フェスティバルに寄付してほしいと添えた。
受賞した小さな2人の女性が登場する白黒写真だ。タイトルは『偽の記憶:電気技術者(Pseudomnesia:The Electrician)」だ。また「この作品には何か変なところがあるだろう」とし、「それは実際の写真ではなく合成で作られたイメージだという事実」と説明した。
コンテストを主催する世界写真協会(World Photography Organization)の広報担当者は受賞者発表前にエルダクセン氏と交わした会話を通じて、この作品がAIを利用した「共同創作」であることが分かったと明らかにした。また「一般コンテストのクリエイティブ部門は青写真、フォトグラム、最先端デジタル技術までイメージメイキングの多様な実験的アプローチを歓迎する。我々はこのテーマについてさらに深い議論ができることを期待した」と述べた。しかし、ついにエルダクセン氏が受賞を断ったことに対して、主催側は「本人の意思によりコンテストから除外する」と結論付けた。
AIの機能が高度化し、写真、美術、音楽など芸術領域で創作に関連した新しい規範の必要性がますます高まっている。
これに先立って、昨年9月にも米国のある州立博覧会が主催した美術コンテストでAIが描いた絵が優勝し、芸術と創作の境界をめぐる論議が巻き起こった。2月にはオーストラリアのある写真専門売り場が開催したコンテストでAIで制作したイメージが優勝を占めたことがある。
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