岸田文雄首相
◇銀色の物体投げた男を現場で制圧、10秒後に爆発音
NHKによると、この日のテロはこの日午前11時30分ごろに起きた。岸田首相はこの日和歌山県和歌山市にある雑賀崎港を訪れた後に演説する予定だった。岸田首相は23日の衆議院和歌山補欠選挙応援に向け訪問したが、現場には数百人の群衆が集まっている状況だった。岸田首相は10分後の11時40分から演説が予定されていた。演説に向け岸田首相が移動する間、群衆の中にいた男が銀色の物体を投げた。周辺にいた警護員がこの男を取り押さえる間に岸田首相は警護員に囲まれて現場を離れた。岸田首相が現場を離れた直後に爆発音とともに白い煙が広がった。和歌山県警は爆発物を投げたとみられる男を現場で威力業務妨害容疑により逮捕した。爆発による負傷者はいないという。
目撃者は、男が銀色の物を投げて制圧された後10秒ぐらい過ぎて爆発音が聞こえたと証言した。現場を目撃したある市議会議員もNHKに「自分の2メートルほど前に筒状の銀色のものが飛んできた。それが煙を噴いて、岸田首相はSPにかばわれるようにして現場から離れた」と説明した。選挙応援演説に出た首相がテロに遭ったのは今回が初めてではない。昨年7月には安倍元首相が選挙応援遊説中に銃撃され死亡した。
今回のテロに対し自民党の茂木敏充幹事長は「民主主義の根幹をなす選挙期間中にこのような暴挙が行われたことは極めて遺憾であり、強く非難する」と明らかにした。公明党の山口那津男代表も「昨年の安倍元首相の銃撃事件から1年もたたずに爆発物を使った事件が起きたことに驚きを禁じえない。民主主義の基本的な働きを妨害しようという行動は断じて許されない」と話した。
◇街頭演説に出た岸田首相「心配をおかけした」
事故から1時間ほど過ぎ岸田首相は和歌山駅に姿を表わした。岸田首相は街頭演説で「大きな爆発音が発生した。詳細は警察が調べているが、心配をおかけした」と話し始めた。続けて「私たちの国にとって大切な選挙は最後までやり通さなければならない」と強調した。
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