Ｑ：対中封鎖が半導体輸入すらも防ぐものとされているが。

Ａ：「半導体装備でなく半導体輸入まで防ぐのは米国の戦略ではない。中国が半導体完成品を海外から買い入れるほかなくするのが米国の戦略だ。米国は中国の半導体産業が遅れていることを本心で望んでいる。そうなると中国は半導体を海外から買い続けるほかない」。

Ｑ：米国が構築した反中半導体連合はどれだけ持続するだろうか。米国だけでなく韓国のサムスンとＳＫハイニックス、オランダの半導体装備会社ＡＳＭＬなどがいつまで巨大な中国市場を冷遇できるだろうか。


Ａ：「同盟は持続しそうだ。もちろん同盟がどれだけ維持されるかは私もわからない。だが同盟が長続きすると信じる理由がある。中国はＢ級半導体を多く生産するが、売り上げ規模などに照らすと依然として小さなプレーヤーだ。これに対し中国の半導体需要は大きい。市場が巨大だという話だ。必要な半導体を自分で生産できないので輸入するほかない。韓国と台湾から半導体を買うほかない境遇だ」。

◇米「半導体輸出するが技術は防げ」

Ｑ：２０２３年１０月には米国の封鎖のため半導体装備などが中国に入らなくなると理解している。サムスンなどの中国工場が施設の立ち後れなどで使えなくなる。サムスンなどが打撃を受ける見通しだ。

Ａ：「サムスンとＳＫハイニックスだけでなく他の国も中国に半導体工場を持っている。私が知るところでは多くの会社が１０月までに中国から撤退するなどの計画を持っている。一部企業は中国工場をそのまま維持する計画だが拡張はしない方針を固めた。１０月以降は中国に半導体装備が入らないとしても打撃を受ける企業は多くなさそうだ」。

Ｑ：ミラー教授は保守陣営のシンクタンクである米企業研究所（ＡＥＩ）の主要研究者なのでワシントンの雰囲気をよくわかっているようだ。韓国は米中半導体戦争でどのような道を選択すべきだろうか。

Ａ：「私が思うに韓国に米中のうちどちらかを選択させるのは米国の政策ではないという事実に（韓国人が）気付くことがとても重要だ。米国が韓国に望むのは中国に半導体を輸出し続けることだ。ただ韓国が保有する技術などが中国に流れないようにしなければならない。米国の封鎖のために韓国の半導体企業が中国内での生産を減らし、代わりに中国外でもっと生産する状況を米国は望む」。

Ｑ：『半導体戦争』で韓国を取り上げた章の見出しが「敵の敵は友─韓国の台頭」だが、この見出しは最近のワシントンのパワーエリートの本心を見せるものではないのか。

Ａ：「（笑いながら）その表現は関係を描写するためのものではない。現在の半導体市場ではすべての国がライバルだ。そうした競争の形で、中国を狙った同盟で韓国の意味または地位がそうだという話だ」。


「中国、半導体輸入国に転落」これが米国の本当の目標だ（１）