ＮＡＮＤ型フラッシュメモリーも同じだ。保存装置のＮＡＮＤ型フラッシュメモリーは通常、同一面積により高く積み上げるほど性能が向上する特性があり、メモリー半導体企業は積層競争をした。しかし２００層以上の積層工程を超えると投資効果を得るのが容易でない。これに対しセル１つに３ビットの情報を保存する従来のＴＬＣより多くのデータを保存できるＱＬＣ技術競争が行われているが、データ処理速度と耐久性で補完が必要な状況だ。

米国の対中半導体規制が強まっているのも問題だ。メモリー半導体の多くを中国で生産する韓国企業の悩みが深まる状況だ。米国政府は昨年１０月から対中国半導体装備輸出規制を始めた。韓国企業には今年１０月まで猶予措置を適用したが、追加の猶予はないという立場だ。中国西安でＮＡＮＤ型フラッシュメモリー全体の４０％を生産しているサムスン電子と、中国の無錫と大連でＤＲＡＭ全体の４０％とＮＡＮＤの２０％を生産するＳＫハイニックスの立場では、中国工場の技術的競争力維持を心配するしかない。

米国政府は先月末にも米国の半導体投資補助金を受ける場合、今後１０年間は中国内半導体生産能力を５％以上拡張できないようにするガードレール条項を発表した。韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン専務は「主要国政府の決定は我々がコントロールできるものではないため、現在は判断を下すのが容易でない状況」とし「すぐに生産禁止にしないのは幸いだという評価もあるが、時間が経過してこそ結果が分かるだろう」と述べた。


証券市場は半導体業況がいつ回復するかに注目している。最悪の状況は過ぎたという共感を形成し、半導体企業の株価が反騰の兆しを見せているが、本格的な反騰につながるには業績が伴わなければいけない。イ・スンウ・センター長は「チャットＧＰＴ効果でサーバーとグラフィック用メモリーの需要が増えると期待され、最近、半導体企業の株価が動いているが、今年上半期は本格的な需要改善を期待するのは難しい」と話した。ノ・グンチャン・センター長も「サムスン電子がメモリー半導体事業で黒字を出すには早くとも今年１０－１２月期、ＳＫハイニックスは来年上半期ごろになるだろう」と予想した。


サムスンの半導体アーニングショックを診断…好循環が途絶える（１）