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黒いバッグが「核カバン」か…金正恩が自慢した「核ボタン」の実体(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
◆ただ金正恩一人のために…米露と似て非なる北朝鮮版核ボタン

軍当局と専門家の意見を総合すると、唯一体制の特性上、北朝鮮版核ボタンは米国やロシアなどの核保有国の従来のモデルとは異なる可能性が高い。政府筋は「北の核の引き金には他の核保有国とは違い、核弾頭の分配体系が含まれているとみる」とし「平時は平壌(ピョンヤン)近隣に核弾頭を保管し、有事の際、東・西・中部戦線に配置された戦術核運用部隊に分けて供給する方式と考えられる」と話した。極端な唯一統治体制でクーデターなどを懸念しているためと解釈される。

核攻撃時の命令の真偽を確かめる保安体系は、他国の核ボタンの原理と似ているとみられる。命令のハッキングまたは電波妨害を克服するには暗号化が必須だが、このためにコードと秘話装置を備えなければならない。最終的に命令の真偽を確認した2人以上が同時に発射ボタンを押すことで、偶発的な発射や誤射を防止する形だ。


こうした脈絡から先月12日の労働党中央軍事委会議では黒いカバンに注目が集まった。パク・スイル総参謀長が右手に持った四角形の黒いカバンが「核カバン」を連想させるということだ。米国やロシアなど核保有国の首脳が出張するたびに隣に置く核カバンには秘話装置などが入っている。核の引き金を設計している北朝鮮も実際に作動するかどうかは別にして、これを参考に核カバンの運営を予告することができる。

◆金正恩のそばの「モザイクマン」…核ボタン関連人物の可能性

最近、顔を隠した北朝鮮軍将星の正体も核の引き金と関連して注目される。北朝鮮メディアは先月の核反撃訓練報道で、金正恩のそばでミサイル発射を見守る軍人の顔をモザイク処理して登場させた。これをめぐり国際社会の制裁対象になる状況を避けるための措置という解釈があったが、核の引き金の命令体系を遂行する役割のためである可能性も排除できない。身分が露出して身辺に問題が生じた場合、核指揮システムに支障をきたすことを懸念しているということだ。情報当局が彼を戦術核部隊の運用を指揮する連合部隊長と推定する点も、こうした見方を後押しする。

北朝鮮が最近、核開発核心関係者を重用する気流も核兵器体系を確立する局面で注目される。先月28日、北朝鮮メディアの火山31型公開報道で、久しぶりに姿を現わしたカン・ギョンホ核兵器研究所副所長が代表的な例だ。2018年5月の豊渓里(プンゲリ)核実験場廃棄当時にブリーフィングを担当したカン副所長は5年ぶりに中将(星2つ)から上将(星3つ)に昇進して公式的な場に登場した。昨年1月のモラトリアム宣言撤回後、金正恩が信頼できる側近を中心に核兵器研究所を再整備したのではという見方がある。

統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室長は「豊渓里核実験場廃棄当時に登場した人物を再登場させ、自然に核実験再開を推論させた」とし「主要人物の意図的な露出で対南・対米圧力効果を狙うようだ」と話した。


黒いバッグが「核カバン」か…金正恩が自慢した「核ボタン」の実体(1)

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