今月4日、蔚山(ウルサン)HD現代(ヒョンデ)重工業造船所。建物の外壁に貼られた「我々がうまくいくことが国がうまくいくこと」と書かれた大きな文字のスローガンが印象的だった。中に入ると、オレンジ色のゴリアテクレーンの下で建造中の大型液化天然ガス(LNG)運搬船が最も目についた。それもそのはず、クレーンの高さだけで109メートルに及ぶ。マンション36階と同程度の高さで、一度に持ち上げることができる重量が最大1290トンに及ぶ。全10個のドック(建造空間)では、計47隻の船舶が建造中だ。
汝矣島(ヨイド)の面積の3倍に及ぶ635万平方メートル(約192万坪)の造船所は活気に満ちていた。長い低迷期を乗り越えて世界受注1位を走る会社らしい。HD現代重工業は2010年代初めから「受注絶壁(不況)」と中国企業の激しい追撃で「10年の危機」を経験した。しかし、2021年から訪れた好況期を迎え、最近は受注目標を超過達成し、今後3年分の仕事を確保した状態だ。昨年末基準の世界の受注量でHD現代重工業の市場シェアは10%に及ぶ。現場に投入された人員だけで3万人だ。
同日、取材陣は2020年7月に受注した17万4000立方メートル級のLNG船舶に乗船することができた。工程率が85%で骨格は完成した状態だった。現代重工業のイ・マンス責任マネージャーは「船の長さが299メートルで、縦に立てれば63ビル(264メートル)より高い」とし、「国内人口全体が1.3日間使用するLNGを保存できる」と紹介した。
階段で14階の高さにある甲板に上がると、造船所が一目で眺望できた。甲板横の操舵室内部にはモニターとキーボードがいくつか見えた。自動運転自動車のように自動運行を支援するシステムだ。移動航路を事前に入力すると障害物を自動的に回避する。「LNG運搬船の花」と呼ばれる貯蔵タンクも見えた。LNGが気化して消失する量を最小化するために氷点下163度以下の温度に維持しなければならない。LNGは液体の状態で冷却されれば体積が600分の1に減るが、船舶が動く度に一定量は気体に変換されるほかない。気体となったLNGを液体にする再液化施設も貨物窓に沿って連結されていた。HD現代重工業のイ・ヨンドク常務は「高強力鋼板を使って剛性を高め、船の重量は減らすことができる」とし、「このような差別化技術で中国の追撃を回避している」と述べた。
この他、HD現代重工業はタンク内部の亀裂を防ぐ貨物窓施工能力、ガス処理システムなどで世界最高技術が認められている。運航中にLNG貨物窓から自然気化するガスをエンジンの燃料として使用することもある。同社は1972年の創立以来、現在まで95隻のLNG船を建造している。受注残量のうちLNG船の割合は34.2%に及ぶ。英国の造船・海運市況専門機関クラークソン・リサーチは今年だけで約70隻規模のLNG船発注が殺到すると予測した。HD現代重工業の今年の売上高目標値は12兆1000億ウォンで、昨年(9兆3044億ウォン)より30%増えた。
収益性も改善している。クラークソン・リサーチによると、最近17万4000立方メートル級のLNG船の価格は2億5400万ドル(約335億円)で前月比400万ドル値上がりし、過去最高を更新した。受注が溢れると、業界では人手の調達が最も大きな悩みの種になった。造船所からバスで10分余りの距離の同社の技術教育院には内・外国人の研修生が溶接の実習を行っていた。実習場の廊下は混み合い、絶えず溶接の火花が散っていた。現在は韓国人150人を含めタイ・インドネシアなどから来た外国人40人が教育を受けている。
HD現代重工業のシン・ヨンギュン技術教育院長は「例年は年間500人程度の教育を行っているが、今年は1000人を見込んでいる」とし「年内に直営人材を最大300人まで補充する」と述べた。現代重工業の韓永錫(ハン・ヨンソク)副会長は「2~3年内にスマート造船所が構築されれば、MZ世代も働きやすい作業環境に変わり、優秀な人材を更に確保できる」と期待を示した。
汝矣島(ヨイド)の面積の3倍に及ぶ635万平方メートル(約192万坪)の造船所は活気に満ちていた。長い低迷期を乗り越えて世界受注1位を走る会社らしい。HD現代重工業は2010年代初めから「受注絶壁(不況)」と中国企業の激しい追撃で「10年の危機」を経験した。しかし、2021年から訪れた好況期を迎え、最近は受注目標を超過達成し、今後3年分の仕事を確保した状態だ。昨年末基準の世界の受注量でHD現代重工業の市場シェアは10%に及ぶ。現場に投入された人員だけで3万人だ。
同日、取材陣は2020年7月に受注した17万4000立方メートル級のLNG船舶に乗船することができた。工程率が85%で骨格は完成した状態だった。現代重工業のイ・マンス責任マネージャーは「船の長さが299メートルで、縦に立てれば63ビル(264メートル)より高い」とし、「国内人口全体が1.3日間使用するLNGを保存できる」と紹介した。
階段で14階の高さにある甲板に上がると、造船所が一目で眺望できた。甲板横の操舵室内部にはモニターとキーボードがいくつか見えた。自動運転自動車のように自動運行を支援するシステムだ。移動航路を事前に入力すると障害物を自動的に回避する。「LNG運搬船の花」と呼ばれる貯蔵タンクも見えた。LNGが気化して消失する量を最小化するために氷点下163度以下の温度に維持しなければならない。LNGは液体の状態で冷却されれば体積が600分の1に減るが、船舶が動く度に一定量は気体に変換されるほかない。気体となったLNGを液体にする再液化施設も貨物窓に沿って連結されていた。HD現代重工業のイ・ヨンドク常務は「高強力鋼板を使って剛性を高め、船の重量は減らすことができる」とし、「このような差別化技術で中国の追撃を回避している」と述べた。
この他、HD現代重工業はタンク内部の亀裂を防ぐ貨物窓施工能力、ガス処理システムなどで世界最高技術が認められている。運航中にLNG貨物窓から自然気化するガスをエンジンの燃料として使用することもある。同社は1972年の創立以来、現在まで95隻のLNG船を建造している。受注残量のうちLNG船の割合は34.2%に及ぶ。英国の造船・海運市況専門機関クラークソン・リサーチは今年だけで約70隻規模のLNG船発注が殺到すると予測した。HD現代重工業の今年の売上高目標値は12兆1000億ウォンで、昨年(9兆3044億ウォン)より30%増えた。
収益性も改善している。クラークソン・リサーチによると、最近17万4000立方メートル級のLNG船の価格は2億5400万ドル(約335億円)で前月比400万ドル値上がりし、過去最高を更新した。受注が溢れると、業界では人手の調達が最も大きな悩みの種になった。造船所からバスで10分余りの距離の同社の技術教育院には内・外国人の研修生が溶接の実習を行っていた。実習場の廊下は混み合い、絶えず溶接の火花が散っていた。現在は韓国人150人を含めタイ・インドネシアなどから来た外国人40人が教育を受けている。
HD現代重工業のシン・ヨンギュン技術教育院長は「例年は年間500人程度の教育を行っているが、今年は1000人を見込んでいる」とし「年内に直営人材を最大300人まで補充する」と述べた。現代重工業の韓永錫(ハン・ヨンソク)副会長は「2~3年内にスマート造船所が構築されれば、MZ世代も働きやすい作業環境に変わり、優秀な人材を更に確保できる」と期待を示した。
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