韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が訪日当時、福島第１原発の汚染水海洋放出問題について「時間がかかっても韓国国民の理解を求めていく」と述べたという共同通信の報道に関連し、李俊錫（イ・ジュンソク）元国民の力代表が「大統領室が立場を明確に表すべきだ」とコメントした。

李元代表は２９日、フェイスブックで「原発汚染水や福島農水産物問題については我々が日本側にテコを持つ部分だが、すんなりと合意する理由はない」とし、共同通信の報道を伝えた記事のリンクを共有した。そして「この部分は報道内容が事実かどうか大統領室が明確に立場を明らかにしなければいけない」と要求した。

共同通信の２９日の報道によると、尹大統領が菅義偉前首相らと１７日に会談した際、福島第１原発汚染水の海洋放出について「時間がかかっても韓国国民の理解を求めていく」と述べたという。


また、韓日関係消息筋を引用し、訪日中だった尹大統領と菅前首相の会談に同席した額賀福志郎元日韓議員連盟会長が、韓国政府に汚染水放出に対する理解とともに、２０１１年の福島原発事故後から続いてきた日本産水産物輸入禁止措置の撤廃を要請したと、共同通信が伝えた。

尹大統領は「文在寅（ムン・ジェイン）前政権は理解するのを避けてきたようだ」と指摘し、日本に対する文前大統領の政治的立場のために日本の説明が韓国に十分に知らされなかったという認識を伝えたという。尹大統領は「国際原子力機関（ＩＡＥＡ）のプロセスを通じて韓国政府が実態を知る必要がある」と強調し、「日本政府はもう少し理解させる努力をしてほしい」とも注文したと、共同通信は報じた。