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【時視各角】井の中の韓国野球、井の中の韓国野党

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
29歳のMVPが投げたスライダーが外側のストライクゾーンに突き刺さった。マイク・トラウトのバットは空を切った。2023年ワールドベースボールクラシック(WBC)の支配者は日本代表チーム「侍ジャパン」だった。9回裏に奇跡のような逆転ドラマを描いたメキシコとの準決勝に続いて、世界最強の米国までも決勝で撃沈した。野球漫画から飛び出してきたような大谷翔平が優勝を決めた時に吠えた場面が正直うらやましかった。すべての新聞が一斉に号外を出すなど日本列島が沸いた。

WBCに向けた日本国民の熱狂ぶりは2月中旬の福岡出張当時から感じられた。開幕まで20日も残っていたが、地上波テレビのトップニュースは「侍ジャパン」のキャンプ地の宮崎発だった。「英雄」大谷が米国から帰国する前だったが、他の選手たちの練習を見ようと多くの野球ファンが長い列を作っていた。投手陣のリーダーのダルビッシュ有をはじめ、練習場を出入りするスター選手の一挙手一投足を追うために全国から集まったファンは1万8000人を超えた。キャンプ地付近のホテルが満室になるなど周辺地域の経済に特需が生じた。

韓国と日本の野球の底辺を比較する時に決まって登場するところが兵庫県西宮市の甲子園球場だ。4000校近い日本全国の高校野球チームのうち32校(春)、49校(夏)だけに出場資格が与えられる、100年の伝統を誇る高校野球全国大会の舞台だ。厳しい予選を突破した高校の球児は甲子園の舞台に立つこと自体が栄光だ。敗れた球児たちが涙を流しながら球場の土を掘り、故郷に持ち帰るのがこの大会の伝統だ。高校時代に160キロの速球を投げて日本列島を興奮させた大谷もこのような過程を踏んだ。甲子園に憧れたり甲子園を踏んで成長した選手たちが日本代表チームの柱に成長した。実力も、日本人が「魂」と呼ぶ精神力も、このように育まれた。底辺が広い学生野球、レベルの高い国内プロリーグ、野球に対する国民的なプライドと情熱は日本野球を支える強力な軸だ。今回の優勝はこうした要素が長い歳月にわたり積み上げられてきた結果だ。1、2カ月間の練習と一時的な国民の応援では成就できない。


悲しいことに今大会で表れた韓国野球のレベルは赤裸々だった。遅い球速にストライクも入らない投手、基本を忘れた守備、あきれる走塁と精神力不在、このような選手たちに100億ウォン(約10億円)以上をベッティングする井の中のリーグ、世代交代の失敗、育成より外国人選手に頼る風土、高校チーム数が88にすぎない学生野球の薄い底辺、革新に向けたリーダーシップの不在などが確認された。普段は無関心のまま放置し、今回のような大型惨事を迎えた時だけ騒がしくなる野球文化、野球ファン文化も残念だ。

WBCも、韓日両国を揺るがした徴用解決策と両国関係イシューも、韓国の野球文化と似ているところがある。特に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が国を売り払ったかのように反発している往年の与党、民主党の態度が特にそうだ。筆者が駐日特派員だった2017年末から3年間、韓日関係は本当に最悪だった。慰安婦合意の事実上の破棄、韓国大法院(最高裁)の徴用賠償判決などでひどい状態になった。民主党出身の文喜相(民主ムン・ヒサン)国会議長の仲裁案に日本の政治家と官僚は「どうにか脱出口を開こう」と意欲を見せたが、文在寅(ムン・ジェイン)政権が不動の姿勢だった。「土着倭寇」「竹槍歌」に象徴される対日強硬論で一貫し、「国内政治用反日」で韓日関係を5年間放置した。このように無責任だった人たちが今は「外交大惨事」と言いながら騒ぐ。韓日米、韓日協力の重要性が高まる国際情勢も井の中の人たちには別の世界の話だ。韓国野球も韓国野党もこれでは答えが出てこない。

ソ・スンウク/論説委員



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