北朝鮮の核脅威に対応する次元の韓半島（朝鮮半島）への核兵器再配備論が一部で提起される中、米国務省は「究極的目標は韓半島の非核化」という点を繰り返し強調した。

米国務省のパテル副報道官は２７日の定例会見で、「米国の核兵器を韓国に再配備することも考慮しなければならない」という米上院外交委員会共和党幹事ジェームス・リッシュ上院議員の最近の主張と関連し、「韓国に戦術核を再配備することが可能と考えるか」という問いに、「（核）展開や（核）態勢と関連し具体的なことは国防総省が答える事項。ひとつ明確にしたいのは韓国との訓練と協力は長く続いてきたもので防衛的で日常的なこと」と話した。

パテル副報道官は続けて、北朝鮮が完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を強要すれば核で対応するという立場を２２日に出したことについて、「われわれは北朝鮮に対する外交的アプローチに専念しており敵対的意図を持っていない」とした。その上で「われわれの究極的目標は継続して同じように維持されており、それは韓半島の完全な非核化」とした。また「われわれのパートナーである韓国と日本に対する（防衛）公約は堅く維持されている」と話した。


これに先立ちリッシュ上院議員は米政府系ラジオのボイス・オブ・アメリカ（ＶＯＡ）に送った電子メールで「北朝鮮の目標を否定して拡大抑止力を強化するために同盟内の核計画と作戦メカニズムを拡大するだけでなく、米国の核兵器を韓国に再配備することもまた考慮しなければならない」と主張した。

韓国と米国の一部で出る韓半島への戦術核再配備論に対する米政府の公式立場は変わらないでいる。北朝鮮が弾道ミサイルを相次ぎ発射して挑発水準を高めた昨年１０月２０日に一部で議論された韓半島内戦術核再配備論と関連して米国防総省のライダー報道官は「政策的観点からわれわれは依然として韓半島全体の非核化に専念している」と話した。同日米国務省高位当局者も「米国の政策は変わっていない。われわれの目標は依然として韓半島の完全な非核化」として核兵器再配備論に線を引いた。

一方、米議会調査局（ＣＲＳ）は「２０２２核態勢検討報告書（ＮＰＲ）分析」で、「未来の核リスクに対応するための米国の戦略焦点が２０１８年の『核兵器在庫維持』から２０２２年に『生産能力の柔軟性確保』に変化した」と評価した。

２７日に公開されたＮＰＲ分析資料は、「２０１８年のＮＰＲは未来のリスクと挑戦に対応するために核生産インフラ構築と相反しない相当規模の核兵器維持を並行するヘッジ戦略を導入した。２０２２年のＮＰＲは核兵器の公式な役割としてこうしたヘッジ戦略を削除し国防総省と国家核安全保障局（ＮＮＳＡ）が弾力的な核兵器企業を通じて潜在的リスクに対応するものと言及した」と紹介した。その上で「これはリスク対応戦略が核兵器の在庫維持から生産能力に集中するものに変化したことを意味する」とした。