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【コラム】製造業大国だけでは未来を準備できない=韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最近韓国政府が発表した首都圏先端産業団地造成構想は新冷戦時代の進退両難の苦悩に置かれた韓国製造業の悩みを如実に見せる。安全保障と関連した核心製造業の中国投資は持続しにくく米国投資も難しい状況で核心生産能力を韓国国内に確保するのは主権国家ならば当然すべきことだ。未来を心配するならばここにだけとどまる余裕はない。さらに大きなビジョンを描かなければならない。

主要先進国が補助金を掲げて家を出ていった製造業を取り戻すゲームに熱中している。彼らと同じゲームをしていては勝算がない。新冷戦本格化時代に経済安全保障の重要性を考慮すれば、自国の統制領域内に製造業能力を確保しようとする先進国の動きは彼らの宿題を解くものだ。製造業能力を備えた韓国は超格差を維持しようとする努力と同時に他の先進国に比べて弱い産業構造の弱点を補完しなければならない。

◇サービス産業の割合低く生産性も劣悪


世界水準の製造業に比べて後進的なサービス産業は韓国の産業構造の古くからの弱点だ。韓国の国内総生産(GDP)比の製造業の割合は25%。先進7カ国(G7)のどの国よりも高く、OECDのすべての加盟国より高い。ドイツの19%、日本の20%、米国の11%、OECD平均の13%と比較してみよ。これに対しサービス産業のGDPの割合は韓国が57%、日本が69.5%、ドイツが62.9%、米国が77.6%、OECD平均が71%(世界銀行、2021年統計)だ。韓国内の雇用の70%以上がサービス産業で作られるのに対し、サービス産業のGDPの割合が60%に満たないのはサービス産業の劣悪な生産性を意味する。サービス産業の労働者が製造業分野の世界的企業の労働者より賃金水準が低くなるほかない構造的な理由だ。

1987年の民主化後に執権した歴代のどの政権もサービス産業を未来と考え真剣に扱わなかった。製造業輸出戦略で先進国の隊列に上った国のうち韓国のように国家経済政策が依然として製造業にばかり集中しているケースはない。製造業がいくら大きくなってもGDPの30%を超える先進国はなかった。雇用の大部分はサービス産業で出る。先進国入りしたすべての国はサービス産業大国だ。サービス産業の生産性が上がらなくては高賃金と高い福祉水準を同時に実現できない。韓国が製造業大国になった秘訣は世界市場に向けた競争を繰り返し狭い内需の限界を克服したためだ。なぜ同じことがサービス産業では広がらないか。サービス産業も世界的戦略でビッグバンを試みることができる。始まりは政府の意志と戦略だ。

◇日本は世界10大観光大国に変身

観光周辺国から観光大国に変身した日本の場合は政府主導のサービス産業革新の現場を見せる。10年前だけでも日本を訪れる外国人観光客数は韓国より少なかった。2005~2011年に年間600万~800万水準にとどまっていた日本の外国人観光客数は2012年から急激な上昇曲線を描いた。2014年に1300万人を突破して同年の韓国の1400万人の外国人観光客数に近接すると、2015年には1900万人を超え1300万人水準にとどまった韓国を追い越した。2016年に日本は2400万人の外国人観光客を誘致し1700万人の韓国との格差を広げた。2018年には3000万人を突破した。

交通施設の利用は複雑で、英語はあまり通じず、多くの店でカード決済ができない不便にもかかわらず日本が世界10大観光大国に浮上した秘訣は何だろうか。円安だけで説明できない何かがあるのではないか。2012年の日本政府の大胆な構想に解答の糸口を見つけられる。すでに人口の崖、地方衰退の危機に直面した日本は日本経済の活路を地方の魅力を世界に売り込むことで見いだすことにした。地方ならではの魅力を発掘し、それにストーリーを組み合わせて商品にした。その努力の結実は数字が証明している。

サービス産業の世界的産業への跳躍は人口の崖に追いやられる韓国経済の突破口を見つけることにもなり得る。首都圏と地方の間の格差を解消できる均衡発展につなげられる。世界的な韓流ブームはサービス産業のグローバル化の決定的な契機ではないか。ガラパゴスとわらわれた日本もしたのに、どうして韓国はできないだろうか。挑戦精神が花火のように燃え上がらないのか。

チェ・ビョンイル/韓国高等教育財団事務総長、梨花女子大学教授


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