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【コラム】屈辱外交の修辞学=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ワールドベースボールクラシック(WBC)の韓日戦の結果よりも残酷だった。惜しみなく与えて受けたものはわずか「オムライス」一皿。韓国外務部長官は「我々がコップの半分まで入れたので、日本が残りの半分を満たしてくれるはず」と述べたが、日本政府はむしろ「残り半分も入れて来なさい」という態度で独島(ドクト、日本名・竹島)、慰安婦、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)、レーダー照射、汚染水問題など次々と請求書を出した。

三一節(独立運動記念日)に太極旗(韓国の国旗)でなく日章旗を掲げた人もいた。この前衛芸術家は大統領の三一節演説から思いついたと明らかにした。訪日中に大統領は慶応大学での演説で岡倉天心を引用した。「朝鮮半島は有史以来日本の植民地」「檀君は天照大神の弟の子息」といって朝鮮征伐の必要性を主張した人物だ。

両民族間の問題ではない。この事態の根底には実は韓日両国の右翼が共有する世界観があった。鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員の発言はその精髄を見せる。「朝鮮はなぜ滅びたの。日本軍の侵略で滅びたのか。朝鮮は中から腐って崩れ、それで滅びた」。自分たちが弱いために滅びたが、なぜそれを日本のせいにするのかということだ。これは韓日合邦が合法的だったという認識につながる。岸田首相は徴用工問題を「旧朝鮮半島出身労働者問題に関する措置」と表現した。当時は朝鮮人も日本人だったため日本がやるべきことは「謝罪や賠償でなく感謝と慰労」(黒田勝弘産経論説委員)ということだ。その認識を韓国政府が公認する格好になった。


尹大統領の友人、石東ヒョン(ソク・ドンヒョン)民主平和統一事務局長は2019年、日本の右翼と共に「韓日法律家共同声明」に参加した。その内容は「韓日合邦は不法」という韓国大法院(最高裁)の認識が問題というものだ。「大法院の判決は韓日関係に大きな亀裂を生じさせ、戦後最悪と評価されるほどの韓日関係悪化をもたらした重大な要因になった」。「謝罪」の独特の用法も韓日右翼の公用語に属する。「日本はすでに数十回にわたって反省と謝罪を表明した」(大統領)。

「謝罪」とは本来「これからはそのようなことをしない」という約束だが、韓日の右翼はそれを状況の必要による一回のジェスチャーと見る。実際「数十回」の謝罪は謝罪の十分性でなく「約束」の反復的破棄を反証する。

日本政府は「歴代内閣の歴史認識を引き継ぐ」という言葉を謝罪を替えた。ところがそこには「未来の世代に謝罪する宿命を背負わせてはいけない」という安倍内閣の認識も含まれる。真の「謝罪」なら反省とおわびの立場が後代まで続くようにすべきだが、日本はそれをむしろ後代に継がさない「宿命」と理解する。岸田政権は日本の歴史教科書で旧日本軍「慰安婦」に関して「従軍」という言葉を、徴用工問題では「強制連行」「強制動員」という言葉を使わないようにしている。参考に、石東ヒョン事務局長が参加した2019年の共同声明の日本側代表は、歴史歪曲を主導する極右団体(「新しい歴史教科書をつくる会」)の会長だ。

「謝罪」に対するこの独特の観念は、謝罪を要求する側が間違っているという転倒した認識につながる。「植民支配を受けた国のうち謝罪・賠償を叫ぶ国は韓国だけだ」(石東ヒョン)。事実でもない。リビアはイタリア(2008)、ケニアは英国(2013)、インドネシアはオランダ(2013)から賠償を受け、ナミビアは目下ドイツと交渉中だ。

いわゆる「大乗的決断」の心理的なしくみは大統領個人でなく保守エリートの間で広く共有されるメンタリティだ。彼らにはそれが自明の真理であるため、それを批判する人たちを「排他的民族主義と反日を叫びながら政治的利益を得ようとする勢力」とみることになる。その結果、国民の60%が突然、大統領の敵にされてしまった。



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