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<WBC>野球漫画の主人公がブロックバスター映画を完成させた

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
普通は野球の試合が行われる日なら球場は開始1時間ほど前からにぎわうものだ。球場スタッフがグラウンドを整備し、球団職員が行事を準備し自然にホームプレート周辺が慌ただしくなる。

しかし今回のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではこれと正反対の風景がしばしば見られた。日本の試合がある日には必ずそうなった。ファンだけでなく取材陣と関係者らも2~3時間前からグラウンドに集まった。理由はひとつ。日本のスーパースター大谷翔平(エンゼルス)の打撃練習を見るためだ。

大谷はすでに何年も前から野球界で最も多く話題になった選手だ。2018年に大リーグに進出した後、投手と打者の「二刀流」でスターになった。そして2021年には投手で9勝を収め、打者で46本塁打を叩き出しアメリカンリーグMVPまで獲得した。


そんな大谷に今回のWBCは世界的な選手に飛躍できる機会になった。すべての野球ファンが見守る前で自身の能力を存分に見せつけた。二刀流というテーマで展開し野球漫画がブロックバスター映画として再構成されたような1日だった。

ハイライトは21日に米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで開かれた米国との決勝戦だった。この日3番指名打者で出場した大谷は3打数1安打を記録した。これまでの試合と違い打席ではインパクトが不足したが、3-2でリードをしていた9回表のマウンドで大叙事詩を完成した。

当初大谷は準々決勝後には登板する計画はなかった。所属チームのエンゼルスと協議し準々決勝まで投げることにした。しかし決勝まで上がった以上身を惜しめなかった。この日の試合後半から体をほぐし、9回でマウンドに上った。

大谷は先頭打者ジェフ・マクニールに四球を与えて揺らいた。しかし次の打者のムーキー・ベッツを二塁手方面併殺打に誘導して火を消した。最後の対決はエンゼルスのチームメートであるマイク・トラウトとの勝負。大谷は時速161キロの速球でトラウトを圧迫した後、フルカウントから140キロのスライダーで空振り三振を誘導した。

今大会で大谷は打者として7試合で打率0.435(23打数10安打)1本塁打8打点9得点と猛打を見せつけた。投手としては3試合2勝平均自責点1.86で好投した。優勝の主人公にだけ与えられるMVPは当然大谷のものだった。また、今大会のベストナインのうち投手と指名打者の2部門で選ばれる栄誉にも恵まれた。

大谷は「本当に夢見ていたところなのでうれしい」と感想を述べた。「終わってしまって寂しい。これからそれぞれのチームで始まるので、それに備えてがんばりたい」とコメントした。大谷はまた、「日本だけじゃなくて韓国も台湾も中国もその他の国も、もっと野球を大好きになってもらえるように願っています」との思いを伝えた。

大谷は今シーズンが終わればFAとなる。実力と潜在力、スター性すべて立証しただけに天文学的な規模の契約を予想している。米ESPNは今年初め「大谷が大リーグで初めて5億ドルを突破する選手になるかもしれない」と予想したりもした。まだ今シーズンは始まっていないが、今回のWBCの勢いが続けば想像を超越する金額が大谷にもたらされる見通しだ。

一方、13人が選ばれた今大会のベストナインに韓国は1人も含まれなかった。大谷のほか、投手でパトリック・サンドバル(メキシコ)とミゲル・ロメロ(キューバ)、捕手にサルバドール・ペレス(ベネズエラ)、一塁手に張育成(チャイニーズ・タイペイ)、二塁手にハビアー・バイエズ(プエルトリコ)、三塁手にヨアン・モンカダ(キューバ)、遊撃手にトレイ・ターナー(米国)、外野手にマイク・トラウト(米国)とランディ・アロザレーナ(メキシコ)、吉田正尚(日本)が選ばれた。



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