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悩み深まる「慰安婦合意」…和解財団「残金56億ウォン」どうすれば(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

文在寅大統領は2018年1月、慰安婦被害者を青瓦台(チョンワデ、大統領府)に招請し「大統領として謝罪の言葉を伝える」と述べた。 [写真 青瓦台提供]

韓日関係改善のもう一つの課題として急浮上した「韓日慰安婦合意履行」をめぐり政府の悩みが深まっている。徴用問題解決策と韓日首脳会談の波紋が広がる状況で、慰安婦合意を履行することも、合意の履行に背を向けることもできないジレンマに直面した。日本現地の報道などによると、岸田文雄首相は15日の韓日首脳会談で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に「慰安婦合意を履行しなければいけない」という趣旨の発言をしたという。

韓日両国は2015年12月、「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決」を盛り込んだ慰安婦合意を導出した。しかし2018年11月、文在寅(ムン・ジェイン)政権で合意の核心結果である和解・癒やし財団の解散を決定し、4年以上も合意の履行が中断した状態だ。慰安婦合意当時、岸田首相は外相として韓国との交渉を実務総括した。岸田首相が2021年10月に就任して以降「国家間の約束を守らなければ今後(韓国とは)いかなる議論をしても意味がない」という発言を繰り返しながら慰安婦合意の履行を強調した理由だ。

中央日報の取材を総合すると、慰安婦合意に基づいて日本が出捐した10億円(当時の為替レートで約109億ウォン)の執行主体である和解・癒やし財団は現在、法的に解散が完了したが、清算手続きはまだ終わっていない。あいまいに財団の業務が残っている状態で「2018年11月の解散発表→2019年1月の設立許可取り消し→2019年6月の解散登記完了」という順序を経て「空中分解」したからだ。特に慰安婦被害者に対する慰労金支給と日本出捐金のうち残金56億ウォンの処理問題で、財団は過去4年間、清算手続きを終えることができなかった。


◆昨年10月に慰安婦慰労金支給終了

女性家族部などによると、現在、財団の残余業務のうち慰安婦被害者に対する慰労金支給手続きは終わっている。昨年10月に最後の慰労金申請者だった慰安婦被害者の遺族A氏に2000万ウォンを支給した。A氏は慰安婦被害者の養子であり、家族関係登録簿上、実子ではなかった。このため財団理事会は審査を経て慰労金支給の保留を決め、財団解散後に関連議論が中断した。慰労金支給遅延が長期化すると、結局、財団清算人として登録されたキム・ヨンジン弁護士が法的検討を経て慰労金を支給した。

これに先立ち財団は解散直前までに日本の出捐金から慰安婦被害生存者および遺族に慰労金44億ウォンを支給した。慰安婦被害生存者47人のうち35人に1人あたり1億ウォンが支給され、慰安婦被害者の遺族は1人あたり2000万ウォンを受けた。また財団の運営費として出捐金のうち9億ウォンを使用した。

◆清算前の最後の手続きは「56億ウォン処分」

これを受け、財団は日本の出資金のうち残金56億ウォンの処分計画書さえ作成すれば清算作業を終えることができる。財団の定款などによると、清算人は女性家族部の許可を受けてこの財産を処分することができる。ただ、政府は財団の残余財産は韓日両国合意に基づく日本の出捐金という象徴性と事案の重要性を勘案し、女性家族部・外交部など関連部処間の協議を経て処分計画を用意する予定だ。

外交部当局者は21日、「慰安婦の尊厳と名誉を回復し、心の傷を治癒できる良い案があるかについて関連機関と協議し、残りの出捐金に対する必要な措置を取る」と述べた。これに関連し出捐金管理の主務部処である女性家族部側は「外交部が日本との協議を通じて韓日未来志向的協力を強化する方向で慰安婦記念事業を計画すれば積極的に支援する」という立場だ。


悩み深まる「慰安婦合意」…和解財団「残金56億ウォン」どうすれば(2)

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