来年1月総統選挙を控えた台湾政界に米国と中国の影が濃く落ちている。執権民進党の蔡英文総統が来月初めに訪米する予定の中で、同じ期間に第一野党「国民党」所属の馬英九前総統が総統経験者として初めて中国を訪問することになったためだ。米中葛藤が深まり台湾海峡の緊張が最高潮に達した中で、民進党は米国との連携をさらに強めて中国の攻勢に対抗しようとしているが、中国は国民党を支援して来年の選挙で台湾の政権交代を狙っている。
◇馬英九氏、台湾総統経験者として初の訪中
自由アジア放送によると、20日、馬英九基金会は馬氏が中国政府の招待で台湾学生代表団30人と一緒に27日から来月7日まで中国の南京・武漢・長沙・重慶・上海を訪問すると明らかにした。基金会は馬氏が中国で辛亥革命、2次世界大戦の遺跡などを訪れる予定だと明らかにした。両親が湖南省出身の馬氏は故郷を訪問して先祖を供養する行事を行うほか、台湾・中国の学生間の交流もあっ旋する計画だ。
今回の訪中が実現する場合、1949年国共内戦で敗北した蒋介石の国民党政府が台湾に移ってきた後、馬氏は中国本土を訪問する初めての台湾総統経験者となる。訪中期間には習近平国家主席に会う可能性もある。基金会は「馬氏は(訪中期間)北京を訪れない」としつつも、習主席ら中国の高位要人と会うかどうかについては明言しなかった。
馬氏の訪中時期は蔡総統の訪米期間と重なる。自由時報など台湾メディアによると、中央アメリカの友好国であるグアテマラとベリーズを訪問するために今月末に出国する蔡総統は歴訪日程の途中で米国カリフォルニアとニューヨークを経由する予定だ。この過程でケビン・マッカーシー米下院議長と会う可能性がある。
蔡総統と民進党は中国が台湾に連日軍事的圧迫を加える渦中で、米国との関係強化を通じて問題を突破しようとする意志を見せている。米国との協力で中国の軍事的脅威に共同対処する一方、米国製武器購入の加速化、経済・貿易協力の拡大、国際機構への参加拡大などを試みている。このため先月、台湾の呉釗燮・外交部長と顧立雄・国家安全会議(NSC)秘書長が米国を訪問して米国側と高官級安全保障会談を行った。蔡総統は米国でマッカーシー議長ら米国主要人物に会って米国の台湾防御意志を再確認する考えだ。
◇中国、国民党を支援して台湾政権交代狙う
こうした中、中国が蔡総統の訪米期間に馬氏を招いたのは結局台湾内政治地形に変化を与えるためのものという分析だ。蔡総統と民進党を台湾独立を試みる分離主義勢力と規定した中国は、そうではない国民党と協力して来年1月に行われる台湾総統選挙と立法院(議会)選挙で台湾の政権交代を狙っている。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「来年1月に行われる台湾選挙を控えて中国は国民党との関係強化に努めている」とし「国民党で政権交代を成し遂げ、台湾の侵攻なく交渉で統一を成し遂げる考え」と分析した。
このような側面で、親中志向の馬氏は中国の好みに最も近い台湾の高官要人だ。2008~2016年馬氏が執権していた当時、両岸(中国と台湾)は政治・経済的に非常に密接な関係を形成した。2015年にはシンガポールで習主席と歴史的な両岸初の首脳会談を行ったこともある。
◇ウクライナ戦の余波…弱まる台湾反中世論
最近台湾では反中への叫びが弱まっている。台湾民主文化教育財団が1日に実施した世論調査で、台湾人の61.1%が米国・中国どちらとも仲良くしなければならないという意見を明らかにした。22.8%だけ「親米反中」の立場だった。ウクライナ戦争に参戦しなかった米国の姿が変化に影響を及ぼした。台湾21世紀基金会が最近実施した世論調査で、台湾人の40%は中国が侵攻する場合、米国が台湾に武器だけを提供するにとどまるだろうと考えた。
中国はこれを機会に両岸関係の平和を望む台湾世論をさらに拡大させる腹積もりだ。中国で台湾問題を掌握する国務院台湾弁公室の馬暁光報道官は馬前総統の訪中に対して歓迎メッセージを出した。馬報道官は馬前総統を2015年両岸首脳会談当時に習主席と馬総統がお互いを呼びあった呼称「先生」を使い、「馬先生の訪問と両岸青年の交流が両岸関係の平和発展に資することを期待する」と話した。
反面、馬氏の訪中計画に対して民進党は「馬前総統は2300万の台湾人民の立場を代弁することはできない」と明らかにした。台湾総統府は「馬前総統が中国に行くつもりなら必ず総統府に申告しなければならない。まだ関連の申告を受けていない」と明らかにした。
◇馬英九氏、台湾総統経験者として初の訪中
自由アジア放送によると、20日、馬英九基金会は馬氏が中国政府の招待で台湾学生代表団30人と一緒に27日から来月7日まで中国の南京・武漢・長沙・重慶・上海を訪問すると明らかにした。基金会は馬氏が中国で辛亥革命、2次世界大戦の遺跡などを訪れる予定だと明らかにした。両親が湖南省出身の馬氏は故郷を訪問して先祖を供養する行事を行うほか、台湾・中国の学生間の交流もあっ旋する計画だ。
今回の訪中が実現する場合、1949年国共内戦で敗北した蒋介石の国民党政府が台湾に移ってきた後、馬氏は中国本土を訪問する初めての台湾総統経験者となる。訪中期間には習近平国家主席に会う可能性もある。基金会は「馬氏は(訪中期間)北京を訪れない」としつつも、習主席ら中国の高位要人と会うかどうかについては明言しなかった。
馬氏の訪中時期は蔡総統の訪米期間と重なる。自由時報など台湾メディアによると、中央アメリカの友好国であるグアテマラとベリーズを訪問するために今月末に出国する蔡総統は歴訪日程の途中で米国カリフォルニアとニューヨークを経由する予定だ。この過程でケビン・マッカーシー米下院議長と会う可能性がある。
蔡総統と民進党は中国が台湾に連日軍事的圧迫を加える渦中で、米国との関係強化を通じて問題を突破しようとする意志を見せている。米国との協力で中国の軍事的脅威に共同対処する一方、米国製武器購入の加速化、経済・貿易協力の拡大、国際機構への参加拡大などを試みている。このため先月、台湾の呉釗燮・外交部長と顧立雄・国家安全会議(NSC)秘書長が米国を訪問して米国側と高官級安全保障会談を行った。蔡総統は米国でマッカーシー議長ら米国主要人物に会って米国の台湾防御意志を再確認する考えだ。
◇中国、国民党を支援して台湾政権交代狙う
こうした中、中国が蔡総統の訪米期間に馬氏を招いたのは結局台湾内政治地形に変化を与えるためのものという分析だ。蔡総統と民進党を台湾独立を試みる分離主義勢力と規定した中国は、そうではない国民党と協力して来年1月に行われる台湾総統選挙と立法院(議会)選挙で台湾の政権交代を狙っている。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は「来年1月に行われる台湾選挙を控えて中国は国民党との関係強化に努めている」とし「国民党で政権交代を成し遂げ、台湾の侵攻なく交渉で統一を成し遂げる考え」と分析した。
このような側面で、親中志向の馬氏は中国の好みに最も近い台湾の高官要人だ。2008~2016年馬氏が執権していた当時、両岸(中国と台湾)は政治・経済的に非常に密接な関係を形成した。2015年にはシンガポールで習主席と歴史的な両岸初の首脳会談を行ったこともある。
◇ウクライナ戦の余波…弱まる台湾反中世論
最近台湾では反中への叫びが弱まっている。台湾民主文化教育財団が1日に実施した世論調査で、台湾人の61.1%が米国・中国どちらとも仲良くしなければならないという意見を明らかにした。22.8%だけ「親米反中」の立場だった。ウクライナ戦争に参戦しなかった米国の姿が変化に影響を及ぼした。台湾21世紀基金会が最近実施した世論調査で、台湾人の40%は中国が侵攻する場合、米国が台湾に武器だけを提供するにとどまるだろうと考えた。
中国はこれを機会に両岸関係の平和を望む台湾世論をさらに拡大させる腹積もりだ。中国で台湾問題を掌握する国務院台湾弁公室の馬暁光報道官は馬前総統の訪中に対して歓迎メッセージを出した。馬報道官は馬前総統を2015年両岸首脳会談当時に習主席と馬総統がお互いを呼びあった呼称「先生」を使い、「馬先生の訪問と両岸青年の交流が両岸関係の平和発展に資することを期待する」と話した。
反面、馬氏の訪中計画に対して民進党は「馬前総統は2300万の台湾人民の立場を代弁することはできない」と明らかにした。台湾総統府は「馬前総統が中国に行くつもりなら必ず総統府に申告しなければならない。まだ関連の申告を受けていない」と明らかにした。
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