「バブルが挟まった」「井の中の蛙だ」。

韓国野球代表チームが２０２３ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）１次ラウンドで脱落した。非難の矢が激しかった。高額年俸を得ているのに比べ選手らの実力が劣るという評価が多い。「ハングリーさがない」という苦言まで出るほどだ。韓国野球は本当に見かけ倒しなのだろうか。

プロ野球がスタートした１９８２年、選手の平均年俸は１２１５万ウォンだった。選手の寿命が短いことを考慮し、「プロ」の名に見合った待遇に向け最高年俸基準を２４００万ウォンに設定した。当時江南（カンナム）の約９９平米のマンション１戸を買える金額だ。ＭＢＣの金在捕搏（キム・ジェバク）とＯＢの朴哲淳（パク・チョルスン）の２人が最高年俸者だった。


２０２３年のＫＢＯリーグ平均年俸は１億４６４８万ウォン（新人と外国人選手除く）だ。契約金と成績に基づくインセンティブのため実際に受け取る金額はもう少し多い。それでもこの４０年間の物価上昇率を考慮すれば大きな増加幅ではない。

ただＡ級選手らの価値は天井知らずに上昇した。２０２１年シーズンを終え韓国に復帰した投手金広鉉（キム・グァンヒョン、ＳＳＧ）は４年総額１５１億ウォンでサインし、梁義智（ヤン・ウィジ、斗山）は昨年冬に６年１５２億ウォンで契約した。大リーガーの金河成（キム・ハソン）とトミー・エドマンを含む韓国選手団の年俸総額は３００億ウォンを超える。

韓国を破りベスト８に進出したオーストラリアはマイナーリーガーと自国リーグ選手でエントリーを満たした。マイナーリーグ選手の年俸は１５００万～３５００万ウォン水準だ。冬季（１１月～２月）に開かれるオーストラリアリーグの手当ては２００万～４００万ウォンだ。３０人の選手の年俸をすべて合わせても３億ウォンほど。韓国の１００分の１程度だ。

韓国と同じＢ組に入ったチェコは「プロ」でない選手が多かった。自国リーグはあるが実業団野球水準だ。ＭＬＢ出身エリック・ソガードや米国の大学で活躍するマレク・フルプなど数人を除けば、平日に働き週末に野球をする「二足のわらじ族」が多数だ。パベル・ハジム監督は神経外科医師で、キャプテンのマルティン・シュナイダーは消防署員だ。韓国はチェコに７－３で勝ったが苦戦した。今回の大会成績だけ見れば韓国野球は「バブルのかたまり」だ。

野球選手の年俸が上がったのは市場論理に従ったためだ。９番目の球団ＮＣ、１０番目の球団ＫＴが誕生し選手の供給が需要に追いつかなくなった。２０１７年に崔炯宇（チェ・ヒョンウ）がＦＡ契約総額１００億ウォン時代を開き、今年まで９人が年俸１００億ウォンを超えた。

球団はこれを改善するために年俸総額制限（サラリーキャップ）を導入した。しかし大型選手らの年俸は下がらなかった。サラリーキャップを回避するためのさまざまな対応策が出てきたためだ。ク・ジャウク（サムスン）はＦＡになる前に長期契約（５年１２０億ウォン）を結んだ。ＳＳＧはサラリーキャップ適用を控えた２０２２年シーズンに金広鉉の年俸を８１億ウォンと策定した。