米大手銀行がファーストリパブリック銀行に流動性を支援しながら銀行危機の「鎮火」に動いたが、余震は続いている。バンクランで破産して金融界に大きな波紋を呼んだ米シリコンバレー銀行（ＳＶＢ）の親会社ＳＶＢファイナンシャルも結局、当局に破産保護を申請した。

ブルームバーグ、ＡＰ通信の１７日（現地時間）の報道によると、ＳＶＢファイナンシャルはこの日、連邦破産法１１条に基づく破産保護を申請した。ＳＶＢが１０日、不足する流動性と支払い不能を理由に閉鎖されてから１週間ぶりだ。破産法１１条は、企業の資産と債務を構造調整して回復の機会を与える制度で、韓国の「法定管理」と似ている。ＳＶＢは裁判所に提出した申請書に、それぞれ１００億ドル（約１兆３１８０億円）の資産と負債を記載した。

米法制度上、連邦準備制度システムの一部であるＳＶＢ自体は破産を申請する資格がない。しかし親会社のＳＶＢファイナンシャルは残りの財産を保護し、債権者への償還のために破産関連申請を出すことができると、ブルームバーグは説明した。１０日、米カリフォルニア州金融保護革新局はＳＶＢを閉鎖し、米連邦預金保険公社（ＦＤＩＣ）を破産管財人に任命した。


ＳＶＢファイナンシャルの破産申請は予定された手続きだが、市場の不安感は強まっている。ＳＶＢと似た規模の他の中小型銀行に広がるという懸念からだ。

これに先立ち１６日（現地時間）、バンクオブアメリカ（ＢＯＡ）など米大手１１銀行はファーストリパブリック銀行に計３００億ドルを預け入れると発表した。これは当局のＳＶＢ預金全額保護措置に続く市場安定策だ。民間資本を活用して銀行システムを安定化させるための措置と解釈される。米財務省、連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）、連邦預金保険公社（ＦＤＩＣ）、通貨監督庁（ＯＣＣ）の４機関は「大手銀行の支持表明は銀行システムの回復力を見せる」とし、歓迎するという共同声明を出した。

しかし効果は長く続かなかった。１６日のニューヨーク証券市場でファーストリパブリックの株価は前日比９．９８％上昇したが、時間外取引で２０％暴落した。株価の急騰落は市場の不安心理をそのまま反映しているという評価だ。

ウォールストリートジャーナル（ＷＳＪ）は「米最大手銀行が莫大な現金を投入すればファーストリパブリック銀行の危機はほぼ確実に緩和する」としながらも「似た危機に直面した他の中小銀行の恐怖を解消するには力不足」と指摘した。大手銀行が支援する資金の財源はほとんど中小型銀行から引き出された預金という点で、事実上の臨時方便にすぎないということだ。

銀行産業全体に対する不信感も強まっている。ブルームバーグとＷＳＪによると、米ＳＶＢの崩壊後、９－１５日の１週間に銀行は２００８年の世界金融危機以来最大規模の１６４８億ドルをＦＲＢから借り入れた。バンクラン対応措置だとしても米国の銀行システムの脆弱性が表れているという診断だ。

欧州銀行の流動性危機説を呼んだクレディ・スイス（ＣＳ）をめぐる不安感もまた広がった。１７日午後１時３０分（現地時間）基準でＣＳの株価は前日比１１％以上も下落している。前日、ＣＳはスイス中央銀行から５３７億ドル規模の緊急流動性が支援され、株価が１９％ほど急騰していた。

信栄証券のパク・ソヨン投資戦略部部長は「米国政府の預金者保護措置など積極的な支援でひとまず落ちつく雰囲気」とし「急激な利上げによる後遺症で破裂音は年中続くかもしれない」と話した。