日本アイドル業界の大物で２０１９年に亡くなったジャニー喜多川氏がアイドル志望生に対して性犯罪を繰り返していたという疑惑がＢＢＣのドキュメンタリーで再び明るみになった。

英国公営放送ＢＢＣは７日、「捕食者：Ｊ－ＰＯＰの秘密スキャンダル」というドキュメンタリーを通じて喜多川氏から性的虐待を受けたと主張する被害者を紹介した。ドキュメンタリーでハヤシという仮名を使った男性は１０代のときに喜多川氏から性的暴行を受けたと主張した。

１５歳の時にオーディションを受けたハヤシ氏は最終選考まで残り合宿所に招かれた。合宿所には多くの少年がいた。ハヤシ氏は「ジャニーさんに『お風呂に入っておいでよ』と言われました。そして（喜多川氏に）全身を洗われました、お人形さんみたいに」とし、その後喜多川氏がハヤシ氏に対して性犯罪を犯したと主張した。このような犯罪は他の状況でも起き、他の少年もこれを知っていたが「これを我慢しないと売れないから」と言って沈黙したとハヤシ氏は回顧した。


喜多川氏は１９６２年に日本最大芸能事務所のひとつ「ジャニーズ事務所」を作って男性アイドル育成を主導した。８７歳だった２０１９年に脳卒中で亡くなった。

「ＳＭＡＰ」「嵐」など韓国でも人気のアイドルグループもジャニーズ事務所を通じて成長して舞台に立った。

喜多川氏は生前もアイドル志望生に対して性的犯罪を犯しているという疑惑に包まれていた。１９９９年にはこれを暴露した週刊誌と訴訟戦も繰り広げていた。

一部の日本メディアが喜多川氏の性犯罪を告発する報道を世に問うたことがあったが大衆の沈黙の中で喜多川氏は死亡するまで刑事起訴を免れた。

ＢＢＣはこの事件が大きくならなかった理由としてマスコミとアイドル産業の暗黙的な共生関係と、謙虚さと他人に迷惑をかけないことを美徳とする日本文化などを挙げた。

すでに成人になったハヤシ氏はドキュメンタリーの中で「ずっと日本にしか暮らしていないので、日本はすごい優秀な国と思っています」とし「けど、全然違うんだろうな」と話した。