８日、国会の前に掲げられた共に民主党名義の横断幕には、尹錫悦（ユン・ソクヨル）政府の強制徴用賠償解決法を乙巳保護条約（第二次日韓協約）を締結した李完用（イ・ワニョン）になぞらえて批判する文句が書かれた。民主党は最近、党所属議員選挙区にこのような字句が書かれた横断幕をはじめ、政府の強制徴用賠償解決法を批判する広報戦を展開するように促した。

しかし、一部の議員は中央党から送った、いわゆる「李完用横断幕」をわざとかけなかったという。「反日感情を過度にあおる文句は望ましくない」という理由からだ。ある首都圏議員は「地元に『李完用横断幕』はすべて撤去せよと言った」とし「わが党があのような刺激的な表現で反日感情を刺激するのは誤った方式」と話した。

指導部に所属する他の議員も「わが地方区には李完用横断幕をかけないようにした」とし「党が『親日フレーム』でいってはならない」と強調した。首都圏再選議員も「『李完用』のような表現は殺伐としている。地方区ごとに雰囲気が違うのに、どうして強硬支持層だけに訴える横断幕をかけることができるのか」と吐露した。ある初当選議員は「『被害国がなぜ加害者を代弁するのか』という文句に変えた。それが『李完用』より訴求力のある表現ではないか」と反問した。


これに先立って、７日、李在明（イ・ジェミョン）代表をはじめとする議員が多数参加した「強制動員政府解決法糾弾緊急時局宣言」行事に登場したピケットの文句についても似たような懸念の声があがった。当時、一部の議員は「国会は反逆者尹錫悦を弾劾せよ」「日本に追放せよ」などと書かれたピケットを持っていたが、これに対しても「大統領の弾劾は本当に慎重を期すべき言葉だ。やりすぎるとしくじる恐れがある」（首都圏議員）という指摘が出た。

連日党指導部が政府の強制徴用解決法を激しく批判する中で、民主党の一部ではこのように「『親日対反日』は季節外れのフレーム」という声があがっている。２０１９年日本貿易報復に対する対抗で、日本製品の不買、観光拒否など「ノー（ＮＯ）ジャパン」運動を展開した時と日本観光が急増している今は状況が違うという論理だ。ある初当選議員は「政府が急いで動いて日本から何も得られなかった点を批判する必要があり、断片的に『親日』と罵倒すればむしろ逆攻勢の機会を与えかねない」と話した。

慰安婦被害者団体の後援金横領の疑いで１審で罰金刑を言い渡された無所属の尹美香（ユン・ミヒャン）議員が再び声をあげ始めた点も議論の的になっている。尹議員は７日、ラジオインタビューで「被害者である韓国が加害者である日本に頭を下げた降伏宣言」と批判した。これを受け、国民の力の権性東（クォン・ソンドン）議員はフェイスブックに「１審裁判所の極端に手加減した判決にもかかわらず、（尹議員の）横領罪は認められた」とし「韓日関係に対して沈黙すべきただ一人がいるとすれば、それは尹議員」と指摘した。