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「性関係もなく赤ちゃんもいない」戦場に向かった男たち、プーチンの人口戦争

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「ロシアに軍人がいないというのは男性がいないという意味です。ゆえに赤ちゃんもいません」(ロシアの人口統計学者アクレセイ・ラクシャ)。

ウクライナ侵攻によりロシアの男性が大挙戦場に動員されてロシアの出生率が急落し人口減少が加速化しているという分析が相次いでいる。ロシアのプーチン大統領は西側が「ロシア解体」を目標にしていると非難したが、その本人が戦争を長期化して人口危機を加重させ国の存立を脅かしているという批判を受けている。

◇ロシアの出生率1.45人、さらに下がりそう


今年初めにロシア統計庁が発表した資料によると、昨年のロシアの合計特殊出生率は1.45人だった。昨年韓国の合計特殊出生率は0.78人だ。人口が安定的に維持されるには出生率が2.05~2.1人なければならない。ロシアでは昨年130万6000人が生まれたが、2001年以降で最も低い数値だった。

しかしロシアのこの記録は今年再び更新される可能性が高い。昨年9月の軍動員令で招集された30万人の男性が1年間戦場にとどまるならば出生が2万5000人の減る恐れがあるとモスクワ人口統計研究所が試算した。

今年も戦争が続くならばロシアの今年の出生数は120万人未満になると予想される。モスクワガイダル経済政策研究所の人口学専門家イゴール・エフレーモフ氏は「この数値はロシア近代史で最も低い出生児水準」と話す。合計特殊出生率は1.2人に落ちかねない。これはロシアで1999~2000年に現れた低い数値だ。

◇兵力損失に移民の余波も…「人的資本戦争」

ロシアの出生率は長期的に悪化し続けかねない。戦場で犠牲になる男性が多いほど出生も減少するためだ。最近米国と西側専門家らが推定したロシア軍の死傷者は10万人から多くて20万人に達する。

ウクライナ東部ドネツク戦線でロシアが膠着状態に陥り陸軍戦力の97%を注ぎ込むなど人海戦術を展開していた影響が大きい。兵力損失が深刻でプーチン大統領が再度軍動員令を出すとの見通しが出ている。

ラクシャは「軍人がいないということは男性がいないという意味だ。男性がいなければ性関係もなく、赤ちゃんもいない。出生数が減少するとても簡単な論理」と話した。

戦争移民による人口流出も深刻だ。昨年2月の開戦以降110万人以上がロシアを離れカザフスタン、ウズベキスタン、アルメニア、ジョージア、トルコ、フィンランドなど周辺国に去った。

開戦初期には西側の制裁で雇用に打撃を受けたエリート中産層が、昨年9月以降は動員令を避け若い男性がロシアを離れた。戦争で未来世代の生活が苦しくなると考えた若い母親たちは多額を投じて南米アルゼンチンに遠征して出産しそのまま居着いている。

こうした戦争死傷者と移民者により、最悪の場合ロシアの人口は毎年100万人ずつ減少すると英テレグラフが伝えた。人口1億4600万人で9位のロシアが21世紀末には約7000万人と半分になるかもしれないという意味だ。

米シンクタンク、カーネギー国際平和財団のアンドレイ・コレスニコフ上級研究員は「プーチン大統領は表向きにはウクライナ戦争をするが、本質では人的資本戦争をしている」と皮肉った。

単純に人口減少にとどまるのではなく経済成長も止まる可能性が高い。戦争で外国企業が撤退し、インターネットが統制されてITとソフトウエア分野などに従事する高級人材数万人がロシアを離れた。今後数十年にわたり経済成長を主導するのに必要な新技術を調達できないという意味だ。

ラクシャは「ロシアは数年にわたり老いていき、経済成長が止まり10~20年前のように暮らすことになるだろう。世界との格差はますます大きくなるだろう。この戦争が核戦争で終わらなくてもロシアの未来は暗鬱だ」と予想する。

◇プーチン出生率に死活…「終戦が答え」

プーチン大統領も現状を直視している。彼は昨年末、内閣に2023年末までに出生率を増やす案をまとめるよう指示した。これに先立ち昨年8月には旧ソ連時代の制度だった母親英雄勲章を復活させている。4~10人以上を産んだ女性に勲章と最大2000万ウォンを超える賞金を与える。

一部ではウクライナの子どもをロシアに強制移住させているのも人口危機に対する解決策とみている。これは最大30万人と推定され、ロシア人家庭に養子縁組されたりキャンプに抑留されウクライナ人としてのアイデンティティを抹殺されているという。

しかしウクライナ戦争が終わらない限りロシアの出生率下落と人口危機は構造的に解決される兆しは見られないだろうという指摘が出ている。コレスニコフ研究員は「出生率を高める最も良い方法は若い男性が軍隊から抜け出し安定的で平和で安全な暮らしを享受すること」と話した。



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