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【時視各角】ウクライナに武器支援してはならない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国が再び選択の岐路に置かれている。ウクライナに武器を支援してほしいという米国主導のNATOと、そうすれば黙ってはいないというロシアの間に挟まれたのだ。こうした渦中に最近米国がウクライナに供与したために不足した砲弾を韓国から買うとして状況が複雑になった。米国は昨年末に155ミリ自走砲用砲弾の在庫が減ると韓国から10万発を買い入れて不足分を埋め合わせた。そして最近再び購入を要請したという。

結論から言えば、殺傷用兵器は支援してはならず、米国に砲弾を売ってもウクライナへの迂回輸出禁止という条件を付けなければならないというのが筆者の考えだ。武器支援が名分と実利の両面で適切でない理由だ。

名分から見よう。最近訪韓したNATOのストルテンベルグ事務総長は先月30日のあるセミナーでこのように主張した。「ウクライナの勝利を助けて民主主義を守り恒久的平和に向けた環境を用意する唯一の道は軍事支援」だと。英雄として浮上したウクライナのゼレンスキー大統領は開戦1周年となる24日、「われわれはすべてをはね除けるだろう」としながら抗戦の意思を確かめた。ここに米国をはじめ英国、ドイツ、フランスなどNATO加盟国が攻撃用武器支援に出た。これほどになれば終戦どころか終わりもわからない長期戦になるのは明らかだ。


「戦争は老人が起こすが戦って死ぬのは若者だ」(フーバー元米国大統領)。若い息子を持つウクライナの母親たちにゼレンスキーの抗戦演説はどのように聞こえただろうか。すでにウクライナとロシア軍は10万~15万人ずつの死傷者を出した。民間人の死傷者も2万人に達する。こうした悲劇を続けさせる武器支援が果たして正しいことなのか。いま切実なのは終戦に向けた国際社会の仲裁努力だ。それでもバイデン米大統領は20日、これ見よがしにウクライナの首都キーウを電撃訪問し5億ドルの追加支援を約束した。戦争を終わらせるどころかそそのかす格好だ。

今回の戦争がロシアの侵攻で起きたのは正しい。だがその根源を問い詰めれば米国も戦争の責任から自由になれない。ドイツ統一が推進された1990年、米国はロシアに「NATOを1インチも東に拡張しない」と約束してドイツ統一を成し遂げた。そんな米国が旧ソ連構成国でありロシアの目の前にあるウクライナのNATO加盟を受け入れようとしたからロシアが黙っているわけがない。このため世界最高の現実主義国際政治学者である米シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授はかなり前から「ウクライナのNATO加盟が推進されればロシアが侵攻するだろうし、これには米国の責任も大きい」と力説してきたのだ。

実利的にも武器支援は得より損失がはるかに多い。韓国が武器を送れば何を得られるだろうか。韓米同盟が強化されウクライナ再建事業への参加に役立つだろうという。だが第三国のことで韓米関係に決定的変化があるだろうか。また、再建事業を韓国が独占できるはずはない。これに対し武器輸出でロシアに恨まれれば265億ドルに達する韓国とロシアの貿易が決定的な打撃を受けるのは明らかだ。また、周辺4大国のうち韓半島(朝鮮半島)統一を望む国がロシアだ。中国のほかに南北間の仲裁をできる存在でもある。こうしたすべての面から見るとウクライナへの武器支援は国益次元で望ましくない。

非情に聞こえるだろうが地政学的にウクライナ情勢は韓半島の安全保障とは特に関係のないはるか遠い所のことだ。先月末に日本の森喜朗元首相がある会合で「(日本は)こんなにウクライナに力を入れてしまってよいのか。ロシアが負けることはまず考えられない」と話したところには多くの真実が含まれている。米国に砲弾を送るのだからウクライナを支援するのではないという主張するのは見え透いた嘘だ。ロシアはばかなのか。ウクライナを助ける道は地雷除去など人道的方法も多い。罪のない命の犠牲を幇助する過ちを犯してはならない。

ナム・ジョンホ/コラムニスト



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