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【韓半島平和ウォッチ】真の独立を阻む対日被害者意識(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓半島平和ウォッチ

1919年3月1日、万海・韓龍雲(ハン・ヨンウン)は民族の代表らが集まったソウル鍾路区仁寺洞(チョンノグ・インサドン)泰和館で「我々は今日、朝鮮が独立国であり、朝鮮人が自主民であることを宣言する」で始める三一独立宣言書を朗読した。この宣言で人類平等の大義を明らかにし、民族自尊の正当な権利を永遠に享受することを明らかにした。

韓龍雲は続いて侵略主義と強権主義の犠牲になって10年間受けてきた苦痛を吐露した。「我々が生きていく権利を奪われた苦痛は計り知れず、精神を発達させる機会が阻まれた痛みはどれほどだろうか。民族の尊厳を傷つけられた痛み、新たな技術と独創的な世界文化に寄与する機会を失った痛みはどれほどだろうか」。

にもかかわらず宣言書に署名した民族の代表らは日本が江華島(カンファド)条約後に朝鮮との約束を繰り返し破ったことを非難せず、土地を奪い、文化民族に野蛮人のように接し、立派な心性を無視した日本の正しくない行為も責めなかった。その日本に対する朝鮮の立場を明確にしている。「自らを省みることに忙しい我々には他人を恨んでいるような余裕はない。現在の過ちを正すことに忙しく、過去の過ちを云々する余裕もない。いま我々がやるべきことは自身を立て直すことであり、他人を破壊することではない。良心の導くままに新たな運命を創り出すことであり、決して古い恨みや一時の感情で他人を追い出そうとしているのではない」


◆加害者排斥の代わりに真の理解を要請

傷を負った2000万人の民衆の痛みを強靭な意志で乗り越え、日本を恨んで追い出す代わりに、むしろ真の理解と共感を基礎に日本と共に仲よく新たな世の中を開こうとした。それは独立した朝鮮が日本・中国と共に東洋平和、世界平和、人類の幸福を実現する世の中だった。

「今日の朝鮮の独立は、朝鮮人が正当な繁栄を成し遂げると同時に、日本が誤った道から抜け出し、東洋に対する責任を果たすことでもある。また中国が日本に土地を奪われるという不安と恐れから抜け出すようにし、世界の平和と人類の幸福の重要な部分である東洋の平和を実現する足掛かりだ」。

韓龍雲は今後決して排他的な感情でむやみに行動しないことを強調して宣言書を終えた。被害当事者の民族代表33人は加害者の日本を排除しなかった。むしろ日本を包容し、共により良い未来に進もうとした。当時彼らが信奉した天道教・キリスト教・仏教思想に関連する論理構造はそれぞれ違ったはずだ。彼らの中には包容論に賛同しない人もいたかもしれない。しかし全員が「五千年の歴史の権威を背に」 「2000万人の民衆の誠意を込めて」包容論的な宣言書を作成した。朝鮮の知性33人はこの宣言書に歴史共同体の文化的力量をそのまま表した。朝鮮建国4252年3月1日は「文化知性」が姿を現した日だった。

現在、大韓民国は歴史問題のため日本と深刻な葛藤状況にある。文在寅(ムン・ジェイン)政権で慰安婦合意が有名無実になり、徴用者問題が前面に浮上した。強制動員被害者が提起した訴訟に大法院(最高裁)が原告勝訴判決を出して本格化した徴用者問題は、法的レベルを超えて政治・外交・経済・軍事・安保の領域で葛藤が深まった。

その間、政治家は「竹槍歌」を歌い、市民社会は日本製品不買運動で呼応した。韓日が互いに反日・嫌韓意識にとらわれて正面衝突する状況はまるで戦争状態を彷彿させた。旧怨を想起させて怒りの感情に火をつけ、燃え上がった憤怒は、相手の傷に触れながら敵対感を増幅させた。互いに負った傷は大きかった。今日の派生的な傷が過去の本源的な傷よりも深くて治癒するのが難しく感じられる。

歴史問題の根源になるのは被害者意識だ。日本から直接的な被害を受けた当事者とその遺族は原初的な被害者意識を持っている。そして当事者の被害者意識が解消されずに後世に相続される時、歴史の葛藤は長期化する。さらに被害当事者に対する共感度が高まって本人の被害者意識が信念化すれば、歴史問題を深化させる要因として作用する。

◆被害者意識は植民地経験の遺産

一方、被害相続人を意識的に否定しない限り、大韓民国の国民は当事者の被害者意識に共感しないと表明するのが難しい。当事者の傷と苦痛を否定したり、それに共感しない人は国民でないことを証明するような雰囲気を作るのが国民の情緒だ。したがって植民地時代の親日派の直接的な後えいはもちろん、政府樹立以降に日本と関連して利益を得た者、そして民主化運動に対して負債意識を持つ人たちは国民情緒の網から抜け出しがたい。

国民の情緒に基盤にした被害者意識が外へ向かって解消されない時、加害者に対する怒りはさらに膨らんで葛藤はさらに深まる。一方、中へ向むかって被害者の傷に共感しなかったり自分たちの主張に同調しない人に対する排除の心理が強まる時、彼らを非難する極端な用語が使われたりもする。これは植民地経験が残した否定的な遺産として被害者意識に起因するこうした集団トラウマから抜け出すことができない限り、決して未来に進むことはできない。


【韓半島平和ウォッチ】真の独立を阻む対日被害者意識(2)

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