◇レーガンとゴルバチョフの共助
覇権競争の時代に科学技術協力は縮小すべきだろうか。そうではない。米国をはじめとする友好国も核心技術と人権侵害技術分野の危険を管理しながら、いつどのように科学技術協力を進めるのか悩んでいる。昨年末にMITがまとめた「大学での中国協力」と題する報告書は選択的な協力の糸口を提供する。
EUもホライズンヨーロッパを通じて競争力を強化し科学技術協力を主導する戦略的アプローチを選んだ。韓米中ロなどが参加している国際核融合実験炉(ITER)共同研究も技術対立が尖鋭だった冷戦時代にレーガンとゴルバチョフが始めたことを記憶しよう。われわれの技術主権を守ると同時に研究協力と人材交流を活性化する可能性を探さなければならない。
分ける協力は開発途上国の発展に向けた技術移転と2国間協力だ。最も重要なのは開発途上国の科学技術能力を高めて社会発展に寄与することだ。韓国には国の格を向上し友邦を確保するという明確な目標がある。高い国の格が国益だ。目指したい国を作るのは人口の崖を目前にしている韓国に海外人材を誘致し長期的には韓国の産業と研究生態系にも寄与するだろう。韓国政府のインド太平洋戦略にも科学技術協力が明言されただけに細部的な履行計画が策定されなければならないだろう。
◇世界的協力は生き残りの問題
ともにする協力はなぜ必要なのか。科学技術は地政学を超えなければならない。気候危機、災害、疾病、貧困退治に対応する世界的科学技術協力は韓国には生き残りの問題だ。米国の国際政治学者ハースは共通のビジョンを持つ各国の科学技術者、専門家ネットワークの重要性に対し知識共同体として説明した。
1987年に採択された「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」はUCアーバインの研究陣を含む科学者の絶え間ない研究と説得の結果だ。真実を糾明し力の論理に屈しない科学技術者の努力があったため共同対応が可能だった。協力の実はオゾン層が明確に回復しているという昨年10月の「オゾン層減少に対する科学的評価報告書」で確認された。
世界的複合危機を解決するのに科学技術協力の重要性が一層大きくなっている。ネイチャーは2011年から選定してきた「今年の科学技術者」にグテーレス国連事務総長をはじめ、政策専門家2人、気候変動専門家3人、国際保健学者3人を選定した。科学的発見と技術開発にだけ焦点を合わせた過去とは違い、徐々に科学技術の全地球的価値に注目しているという点を確認させてくれる。
技術競争の時代にも国際社会は気候技術の開発に向けた共同努力と技術移転の重要性を再確認した。昨年末にエジプトで開かれた気候変動枠組条約締約国会議(COP27)の主要争点のひとつは開発途上国連合である77カ国グループが上程した疎外された国に向けた金融と技術支援だった。「損失と被害」を補償する基金設立と技術移転に劇的な合意を導出した。まだ具体的でないこの合意が進む道は遠いが、韓国が積極的に参加すべき科学技術協力の空間を用意した。
◇韓国が科学技術協力リーダーシップ発揮しなくては
技術覇権の時代、韓国にはむしろ長期的なビジョンを持って協力を主導することが新たに進む道だ。これは純真で理想的な叫びではなく戦略であり現実だ。ブルーマーブルゲームは勝者独占で終わるが、現実の「ブルーマーブル」は一発勝負ではない。
国家戦略の観点から科学技術を見る時に最も難しい点は科学技術の二重性にある。科学技術は本質的に競争の要素だが人類の難題を解決していくことができる強力な協力の手段になったりもする。したがって競争と協力の二分法を超え包括的な国家科学技術政策を策定するのは難しいけれど必ずすべきことだ。
韓国の科学技術能力と産業化の歴史は世界が注目する。これまで韓国の能力に比べ官庁を超える科学技術外交と協力の哲学を確立して直接国際社会に声を出すには不足していた。対立の時代に韓国が科学技術協力議題を先導的に発掘し多様な民間協力と2国間・多国間協力の場でリーダーシップを発揮すべきだろう。これが国際協力と多国間外交を主導することを核心にする韓国政府の世界的中枢国ビジョンにも相応する道だ。
パク・ギョンリョル/KAIST科学技術政策大学院教授
【コラム】科学技術の本質は協力…韓国、米中対立の二分法乗り越えなくては(1)
覇権競争の時代に科学技術協力は縮小すべきだろうか。そうではない。米国をはじめとする友好国も核心技術と人権侵害技術分野の危険を管理しながら、いつどのように科学技術協力を進めるのか悩んでいる。昨年末にMITがまとめた「大学での中国協力」と題する報告書は選択的な協力の糸口を提供する。
EUもホライズンヨーロッパを通じて競争力を強化し科学技術協力を主導する戦略的アプローチを選んだ。韓米中ロなどが参加している国際核融合実験炉(ITER)共同研究も技術対立が尖鋭だった冷戦時代にレーガンとゴルバチョフが始めたことを記憶しよう。われわれの技術主権を守ると同時に研究協力と人材交流を活性化する可能性を探さなければならない。
分ける協力は開発途上国の発展に向けた技術移転と2国間協力だ。最も重要なのは開発途上国の科学技術能力を高めて社会発展に寄与することだ。韓国には国の格を向上し友邦を確保するという明確な目標がある。高い国の格が国益だ。目指したい国を作るのは人口の崖を目前にしている韓国に海外人材を誘致し長期的には韓国の産業と研究生態系にも寄与するだろう。韓国政府のインド太平洋戦略にも科学技術協力が明言されただけに細部的な履行計画が策定されなければならないだろう。
◇世界的協力は生き残りの問題
ともにする協力はなぜ必要なのか。科学技術は地政学を超えなければならない。気候危機、災害、疾病、貧困退治に対応する世界的科学技術協力は韓国には生き残りの問題だ。米国の国際政治学者ハースは共通のビジョンを持つ各国の科学技術者、専門家ネットワークの重要性に対し知識共同体として説明した。
1987年に採択された「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」はUCアーバインの研究陣を含む科学者の絶え間ない研究と説得の結果だ。真実を糾明し力の論理に屈しない科学技術者の努力があったため共同対応が可能だった。協力の実はオゾン層が明確に回復しているという昨年10月の「オゾン層減少に対する科学的評価報告書」で確認された。
世界的複合危機を解決するのに科学技術協力の重要性が一層大きくなっている。ネイチャーは2011年から選定してきた「今年の科学技術者」にグテーレス国連事務総長をはじめ、政策専門家2人、気候変動専門家3人、国際保健学者3人を選定した。科学的発見と技術開発にだけ焦点を合わせた過去とは違い、徐々に科学技術の全地球的価値に注目しているという点を確認させてくれる。
技術競争の時代にも国際社会は気候技術の開発に向けた共同努力と技術移転の重要性を再確認した。昨年末にエジプトで開かれた気候変動枠組条約締約国会議(COP27)の主要争点のひとつは開発途上国連合である77カ国グループが上程した疎外された国に向けた金融と技術支援だった。「損失と被害」を補償する基金設立と技術移転に劇的な合意を導出した。まだ具体的でないこの合意が進む道は遠いが、韓国が積極的に参加すべき科学技術協力の空間を用意した。
◇韓国が科学技術協力リーダーシップ発揮しなくては
技術覇権の時代、韓国にはむしろ長期的なビジョンを持って協力を主導することが新たに進む道だ。これは純真で理想的な叫びではなく戦略であり現実だ。ブルーマーブルゲームは勝者独占で終わるが、現実の「ブルーマーブル」は一発勝負ではない。
国家戦略の観点から科学技術を見る時に最も難しい点は科学技術の二重性にある。科学技術は本質的に競争の要素だが人類の難題を解決していくことができる強力な協力の手段になったりもする。したがって競争と協力の二分法を超え包括的な国家科学技術政策を策定するのは難しいけれど必ずすべきことだ。
韓国の科学技術能力と産業化の歴史は世界が注目する。これまで韓国の能力に比べ官庁を超える科学技術外交と協力の哲学を確立して直接国際社会に声を出すには不足していた。対立の時代に韓国が科学技術協力議題を先導的に発掘し多様な民間協力と2国間・多国間協力の場でリーダーシップを発揮すべきだろう。これが国際協力と多国間外交を主導することを核心にする韓国政府の世界的中枢国ビジョンにも相応する道だ。
パク・ギョンリョル/KAIST科学技術政策大学院教授
【コラム】科学技術の本質は協力…韓国、米中対立の二分法乗り越えなくては(1)
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