ロシアへの中古車輸出が昨年大幅に増加した。ロシアとウクライナの戦争と関連した経済制裁により主要な世界的自動車ブランドがロシアへの輸出と現地生産を中断したためだ。戦争が生んだ一種の「風船効果」だ。

韓国貿易協会と中古車業界などが１２日に明らかにしたところによると、昨年のロシア向け中古車輸出規模は１万９６２６台で、２０２１年の２３５８台から７３２．３％増えた。輸出金額は４５３４万ドルから５億７２７６万ドルと１３倍に走った。

昨年韓国から輸出された中古車の台数は４０万４６５３台だ。このうち４．９％がロシア向けだった。中古車業界関係者は「戦争が本格化した昨年４－６月期から西側自動車ブランドに対するロシア消費者の代替需要が韓国と日本の中古車業界に集まった。ロシアに輸出される中古車の輸出単価もやはり急速に上がった」と話した。


◇ロシアに輸出の中古車１台当たり２万９２００ドル

実際に昨年のロシア向け輸出中古車の１台当たり単価は２万９２００ドルに達する。昨年の全輸出中古車平均単価７３００ドルの４倍を超える。２０２１年のロシア向け輸出中古車の平均価格は１万９２００ドル台だった。

相対的に高額な中古車がロシアに向かうのは、それだけ韓国の中古車が現地で新車需要を代替する性格が強いという意味でもある。特に韓国製中古車はロシアでも人気という。維持保守など品質管理がしっかりされている上に、モバイルアプリなどを利用して購入も手軽なためだ。中古車業界によると、韓国製中古車はモスクワやサンクトペテルブルクなどロシア西部地域で主に売れている。東海岸で船積みされた後、シベリア鉄道を経てロシア西部に送られるのが一般的な経路という。

中古車輸出業者ＡｔｏＺネットワークスのシン・ヒョンド代表は「ロシアの人たちが韓国の主要中古車販売サイトなどを通じて新車に近い年式が新しい中古車を買うのは珍しくなくなった。ロシアに輸出される高額中古車が急増したおかげで輸出金額もやはり過去最高となった」と伝えた。

中古車輸出と違い自動車メーカーはいつごろロシア市場が開放されるのかめどが立たない状態だ。戦争と経済制裁緩和など世界的マクロ環境により左右される問題だからだ。現代自動車グループの場合、サンクトペテルブルクに年産２０万台規模の生産工場を運営してきた。ここでは現地向けモデルである「ソラリス」などを生産してきたが、戦争勃発後は稼動を中断した状態だ。２０２１年基準でロシアでの販売台数は２３万３８０４台に達していた。フランスのルノーグループと日本のトヨタ、ドイツのメルセデス・ベンツ、米国のフォードなどは現地事業から撤退している。