修交以降最悪の状態となった韓日関係の改善に向け、両国政府の動きが速まっている。特に関係改善の先決条件である日帝強制動員被害者賠償問題を妥結するために拍車を加えている。先月30日に開かれた両国外務局長級協議に続き、13日には米ワシントンで韓日米外務次官協議会を機に韓日の次官が会う。17-19日にドイツで開催されるミュンヘン安全保障会議では朴振(パク・ジン)外交部長官が林芳正外相と会談すると予想される。全方向から解決策を探ろうとしている。
韓日関係の正常化は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が掲げた主要外交政策の一つだ。特に上半期の訪米を控え、この問題を終えて韓日米の連携をより一層強め、韓日首脳間のシャトル外交を復元するというのが尹大統領の期待だ。5月に広島で開催される主要7カ国(G7)首脳会議にも招待国として出席することが検討されている。しかし現在、強制動員交渉は基金に日本企業が参加するかどうかをめぐり両国間で隔たりがある。国民大の李元徳(イ・ウォンドク)日本学科教授に会い、現在進行中の強制徴用問題交渉に関する分析と見通しを聞いた。
--強制徴用解決法の最大の障害は。
「両国が協議している案は第三者弁済だ。すなわち、韓国が政府傘下財団(強制動員被害者支援財団)を通して被害者に代わりに弁済する方式だ。ここにはポスコなど1965年の韓日請求権交渉で恩恵を受けた企業が参加する。カギは三菱重工業や日本製鉄(旧新日鉄住金)のように実際に強制動員被害者を雇用した企業の参加だ。日本は韓日請求権交渉でこの問題が決着したという立場を固守している。韓国政府はこれら企業の参加を貫徹させるために交渉力を集中している」
--両国が妥協案を導出できなければ、結局、交渉は決裂するのでは。
「現在としても交渉妥結の見通しは厳しい。ただ、以前に比べると日本国内の雰囲気がはるかに良くなったとはいえる。2013年に新日鉄住金が強制動員被害者に1億ウォン(約1000万円)ずつ賠償すべきというソウル高裁の判決があった当時、日本の世論は冷たかった。韓国がすでに終わった問題をまた持ち出して因縁をつけるという雰囲気が広がった。過去に植民地支配をした東南アジアでも類似の訴訟が出てくる可能性があり、莫大な賠償金を支払うことになるという懸念も強かった。しかし今は少し代わった。実質的な訴訟当事者は1000人程度にとどまり、このうち証拠不足などで大法院(最高裁)まで行って勝訴する可能性がある人は200人ほどだ。2018年の大法院判決以降、すでに時効3年が経過し、新しい訴訟は提起できない。金銭的にみると200億ウォンほどあればこの問題が解決するという認識が日本で広がっている」
--日本は最後まで三菱重工業などの賠償金参加を拒否すると思うか。
「日本は実用主義外交を重視する。日本政府は交渉の成否に基づく損益計算をするだろう。特に韓日関係の正常化を望む米国との関係を重視するため、日本政府の悩みは深いはずだ。岸田首相ら最高位層の決断が要求される事案だ」
--韓国国内の世論も激しい。戦犯企業の参加がなければ賠償金を受けないという被害者もいるが。
「韓国政府もこれに関して別の案を用意しなければいけない。被害者が最大限共感する賠償にならなければいけないからだ。個人の考えでは支援財団から賠償金を受けないという被害者の場合、大法院の判決通り日本企業の国内財産を売却して現金化して支払うしかない。このために日本を説得する必要があるが、政府のもう一つの課題だ」
--両国は賠償と共に謝罪問題についても協議しているが。
「ここには大きな隔たりがないようだ。日本側が植民地支配に対する痛切な反省とお詫びを入れた村山談話と金大中(キム・デジュン)-小渕宣言などを継承するというラインで整理されると予想される」
「強制徴用賠償、戦犯企業の参加がカギ…岸田首相の決断が必要」(2)
韓日関係の正常化は尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が掲げた主要外交政策の一つだ。特に上半期の訪米を控え、この問題を終えて韓日米の連携をより一層強め、韓日首脳間のシャトル外交を復元するというのが尹大統領の期待だ。5月に広島で開催される主要7カ国(G7)首脳会議にも招待国として出席することが検討されている。しかし現在、強制動員交渉は基金に日本企業が参加するかどうかをめぐり両国間で隔たりがある。国民大の李元徳(イ・ウォンドク)日本学科教授に会い、現在進行中の強制徴用問題交渉に関する分析と見通しを聞いた。
--強制徴用解決法の最大の障害は。
「両国が協議している案は第三者弁済だ。すなわち、韓国が政府傘下財団(強制動員被害者支援財団)を通して被害者に代わりに弁済する方式だ。ここにはポスコなど1965年の韓日請求権交渉で恩恵を受けた企業が参加する。カギは三菱重工業や日本製鉄(旧新日鉄住金)のように実際に強制動員被害者を雇用した企業の参加だ。日本は韓日請求権交渉でこの問題が決着したという立場を固守している。韓国政府はこれら企業の参加を貫徹させるために交渉力を集中している」
--両国が妥協案を導出できなければ、結局、交渉は決裂するのでは。
「現在としても交渉妥結の見通しは厳しい。ただ、以前に比べると日本国内の雰囲気がはるかに良くなったとはいえる。2013年に新日鉄住金が強制動員被害者に1億ウォン(約1000万円)ずつ賠償すべきというソウル高裁の判決があった当時、日本の世論は冷たかった。韓国がすでに終わった問題をまた持ち出して因縁をつけるという雰囲気が広がった。過去に植民地支配をした東南アジアでも類似の訴訟が出てくる可能性があり、莫大な賠償金を支払うことになるという懸念も強かった。しかし今は少し代わった。実質的な訴訟当事者は1000人程度にとどまり、このうち証拠不足などで大法院(最高裁)まで行って勝訴する可能性がある人は200人ほどだ。2018年の大法院判決以降、すでに時効3年が経過し、新しい訴訟は提起できない。金銭的にみると200億ウォンほどあればこの問題が解決するという認識が日本で広がっている」
--日本は最後まで三菱重工業などの賠償金参加を拒否すると思うか。
「日本は実用主義外交を重視する。日本政府は交渉の成否に基づく損益計算をするだろう。特に韓日関係の正常化を望む米国との関係を重視するため、日本政府の悩みは深いはずだ。岸田首相ら最高位層の決断が要求される事案だ」
--韓国国内の世論も激しい。戦犯企業の参加がなければ賠償金を受けないという被害者もいるが。
「韓国政府もこれに関して別の案を用意しなければいけない。被害者が最大限共感する賠償にならなければいけないからだ。個人の考えでは支援財団から賠償金を受けないという被害者の場合、大法院の判決通り日本企業の国内財産を売却して現金化して支払うしかない。このために日本を説得する必要があるが、政府のもう一つの課題だ」
--両国は賠償と共に謝罪問題についても協議しているが。
「ここには大きな隔たりがないようだ。日本側が植民地支配に対する痛切な反省とお詫びを入れた村山談話と金大中(キム・デジュン)-小渕宣言などを継承するというラインで整理されると予想される」
「強制徴用賠償、戦犯企業の参加がカギ…岸田首相の決断が必要」(2)
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