米国下院のエネルギー・商業委員会は今年３月２３日の公聴会に召喚した中国動画共有プラットフォーム「ＴｉｋＴｏｋ（ティックトック ）」の最高経営責任者（ＣＥＯ）の周受資（Ｓｈｏｕ　Ｚｉ　Ｃｈｅｗ）氏（４０）に関心が集まっている。エネルギー・商業委は「周氏が初めて米国下院公聴会に立つことになった」とし「この日の証言者は周氏一人だけであり、単独公聴会になるだろう」と伝えた。米下院はＴｉｋＴｏｋの親会社であるバイトダンス（ＢｙｔｅＤａｎｃｅ）がＴｉｋＴｏｋ利用者の個人情報を無断収集してこれを中国共産党に渡す恐れがあるとの疑惑を提起してきた。また、ＴｉｋＴｏｋが薬物・性映像など有害コンテンツの温床になっていると指摘している。米国下院エネルギー・商業委は公聴会で周氏にＴｉｋＴｏｋの個人情報流出と中国共産党との癒着関係を積極的に問い質す予定だ。

周氏は途方もない財産と華やかな学歴、優れた容貌を兼ね備えて中国メディアが「シンガポールＦ４（Ｆｌｏｗｅｒ４・漫画『花より男子』のハンサムな主人公が属したグループ）」と呼ぶ要人だ。

行く先々で会社の業績を上向きにするため中国では「財神」と呼ばれている。昨年３月「ＴｉｋＴｏｋの救援投手」に抜擢された。周氏を指名したのはＴｉｋＴｏｋ創業者の張一鳴氏（４０）だ。当時、張氏は「周は我々の初期投資家であり業界に対する理解が深い」と評価した。


ゴールドマンサックス・ＤＳＴグローバル（ロシア系ファンド）などで投資専門家としてキャリアを築いた周氏はシャオミ（小米）や中国版Ｕｂｅｒ「滴滴出行」などを見出す優れた審美眼で有名になった。ＴｉｋＴｏｋの親会社バイトダンスと縁を結んだのもこの時だ。

投資した企業のうち成長の可能性が見える所には最初から役員として就職して「キャリアパス」まで整えた。周氏は３２歳の時に投資したシャオミの最高財務責任者（ＣＦＯ）になった。この時、周氏は毎日１５時間働き３年でシャオミを香港証券市場に上場させた。

周の在任期間、シャオミは２７０社に投資する産業ファンドを作った。「第２のシャオミ」を育てるエコシステムを作ったのだ。シャオミ役員陣は「周氏は中国語と英語が堪能でグローバル企業を率いる適任者だ」と評価した。周氏は２０２１年フォーチュン誌が選んだ「４０歳未満のグローバルビジネスエリート４０人」にも入っていた。

現在、周氏の純資産は２億ドル（約２６３億円）と推定される。中国メディアは周氏がシンガポールの居住地を購入するために８０００万シンガポールドル（約７９億円）を投じたと報じた。


ＴｉｋＴｏｋ「救援投手」に浮上した財神…容貌・学閥・金をすべて持った「シンガポールＦ４」（２）