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【中央時評】貧しい高齢者、若者の未来にさせるのか=韓国(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国民年金財政推計によると、2080年代になっても新規受給者の平均加入期間は27年ほどだ。この場合実際の所得代替率は23~24%にすぎないという計算が出ている。もちろん余裕ある人たちは国民年金とともに退職年金と個人年金などの三重戦略を立てるだろうが、そうでない人たちは依然として小遣い銭程度の年金に満足しなければならない。これでは不名誉な高齢者貧困率を改善できない。国民年金研究院は最近、2020年に生まれた子どもが高齢者になる2085年になっても高齢者貧困率は29.8%に達するという憂鬱な見通しを出した。実質所得代替率を高めなければ「世界最悪の高齢者貧困国」というタイトルを未来世代も依然として負っている公算が大きい。

若者たちが子どもを産まない最大の理由は未来に対する不安だ。熱心に仕事をしても安定的な老後が保証されないならだれが自分の老後費用をあらかじめはたいて子どもの養育に使おうとするだろうか。年金改革の目的は年金財政枯渇を遅らせて公的年金に対する信頼を維持しようということだ。しかし枯渇時点をいくら遅らせても年金財政はいつか正体が現われる。枯渇時点を遅らせるのに没頭して少額の年金を継続するならば年金に対する信頼そのものが枯渇しかねない。

公的年金の機能拡大を社会的負担とだけ考えるのは短見だ。2060年代以降高齢者人口の割合は全体の45%を超える。人口の半分近い彼らが貧困に苦しめられるならば、韓国経済は萎縮の悪循環に陥るほかない。保険料率を高め、徐々に受給開始年齢を遅らせてでも所得代替率を高める案を真摯に研究しなければならない。


高い高齢者貧困率が維持されるならば韓国社会は継続して二極化とこれに伴う対立に苦しめられる可能性が高い。投票権を持っている高齢者の公的扶助要求が強まり財政圧迫がさらに深刻化する恐れもある。2008年に導入された基礎老齢年金(基礎年金の前身)は大統領が変わるたびに概ね10万ウォンずつ上がった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権も任期中に基礎年金を30万ウォンから40万ウォンに引き上げるとすでに約束している。こうした悪循環を繰り返すよりは国民年金の所得代替率向上に社会的合意を引き出す方が良くないだろうか。

もちろん容易ではない道だ。定年延長、高齢者雇用拡大、福祉システム調整のような難題がセットで付いてくる。しかしこのまま貧しい未来を待つことはできない。消耗的な現金福祉を整理して国民年金支援に活用することも考えることができる。努力せずに得られる唯一のものが老年であっても、老年の幸福は努力なく得ることはできない。その努力を個人にだけ任せるならば国の存在理由はない。

イ・ヒョンサン/論説室長


【中央時評】貧しい高齢者、若者の未来にさせるのか=韓国(1)

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