米国を訪問中の朴振（パク・ジン）外交部長官が３日（現地時間）、ブリンケン米国務長官と会談する。今年最初の韓米外交長官会談で、北朝鮮の核に対応するための拡大抑止強化など両国の協力議題を幅広く議論する。また両長官は韓米同盟７０周年の今年、両国関係を「未来同盟（Ａｌｌｉａｎｃｅ　ｆｏｒ　ｔｈｅ　Ｆｕｔｕｒｅ）」に発展させるという目標の下、次世代の協力議題を発掘する予定だ。

◆４月中の尹大統領「国賓訪米」調整

この日の外交長官会談は尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の訪米に向けた事前調整の意味も持つ。尹大統領は早ければ４月中に米国を訪問し、韓米首脳会談を開くと予想される。「国賓」として訪問する可能性もある。大統領など首脳の外交訪問は国賓訪問、公式訪問、実務訪問、私的訪問などの形式に分けられる。一国の首脳が最高レベルの礼遇を受ける国賓資格で訪米したのは、２０１１年の李明博（イ・ミョンバク）元大統領が最後の事例だ。


米国側は尹大統領の米国訪問が同盟７０周年の核心イベントになるとみている。米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官（国家安全保障担当）は２日、朴長官に会った席で、尹大統領の訪米に関連し「韓米同盟の未来の青写真を提示する機会になるよう努力する」という考えをを明らかにした。朴長官も「２１世紀の挑戦課題解決に共に寄与する未来同盟を築こう」とし「そのためにも今年の尹錫悦大統領の訪米成功に向けて緊密に協力したい」と述べた。

◆韓米首脳会談で「同盟７０年共同宣言」

朴長官の訪米日程以降、韓米両国は尹大統領の訪米日程と協力議題を議論する本格的な実務協議を進める予定だ。また大統領室は尹大統領の訪米過程で同盟７０周年を象徴するイベントを開催するために多様なアイデアを集めている。尹大統領の訪米を通して７０年間続いた両国同盟の歴史を記念し、戦略的包括同盟に格上げした両国の協力基調を再確認しようという趣旨だ。一部では、尹大統領がバイデン米大統領と首脳会談後に同盟７０周年を記念する共同宣言を採択する可能性にも言及されている。

外交筋は「朴長官の訪米後、本格的な議題内容、新しい協力分野の発掘、具体的な日程などを議論した後、事前踏査まで終えれば、４月ごろ大統領の訪米が実現すると予想される」とし「同盟７０周年の今年、韓米同盟を一段階アップグレードする象徴的な訪米日程になるだろう」と話した。

朴長官の今回の訪米日程には、同盟７０周年を迎えて韓米両国が新しく提示する同盟の青写真と発展方向が見える。朴長官は１日から３泊４日の日程で米国を訪問中だが、日程は大きく▼各国国連大使および国連事務総長との会談▼米議会主要人物との会談▼米航空宇宙庁（ＮＡＳＡ）訪問などだ。

◆最初の訪米日程は「安保理懇談会」

朴長官は１日、ニューヨークを訪問して国連安全保障理事会理事国の国連大使と懇談会を開き、訪米日程を始めた。また懇談会の直後にはグテーレス国連事務総長と会って国連に対する寄与の拡大を約束した。

朴長官が国連から訪米日程を始めたのは、尹錫悦政権の核心外交課題である韓米同盟強化と国際社会との協力を連係することでシナジーを発揮するという趣旨と解釈される。特に北朝鮮核問題への対応に向けて安保理の団結を主導していく計画だ。このため政府は２０２４－２５年任期の安保理非常任理事国入りを目標にしている。

◆議会外交に続いて「未来同盟」第一歩

また朴長官はこの日、マッコール下院外交委員長、韓国系のヤング・キム下院議員ら米議会関係者と会った。朴長官が議会日程に注力したのは、政治家出身であり議会外交に強いという点のほか、韓国産電気自動車に対する補助金差別条項が入ったインフレ抑制法（ＩＲＡ）問題を勘案したためとみられる。

ＩＲＡに関連し、国内の一部では議会外交が韓米同盟の弱点に指摘された。この法が施行される場合、韓国産電気自動車が補助金支給対象から除外されて韓国企業の競争力が弱まる状況で、政府レベルで関連立法動向を把握して先制的に対応することができなかったからだ。政府は米議会主要人物とのネットワークを強化し、第２のＩＲＡ事態を未然に防ごうという計画だ。

朴長官のＮＡＳＡ訪問は韓米両国の「未来同盟」の意志を見せる。政府は韓米協力分野を拡大抑止強化とサプライチェーン再編など当面の懸案だけでなく、科学技術など未来の分野に拡大すべきだとみている。朴長官はこの日、ＮＡＳＡのビル・ネルソン長官に会い、「韓米同盟が未来志向的な科学技術同盟に拡張されることを期待し、宇宙分野の協力が意味のある礎石になることを望む」と述べた。