米国の上空に中国の偵察用無人気球と疑われる物体が目撃され、米軍首脳部が召集されるなど非常事態を迎えた。第2次世界大戦当時に旧日本軍が気球爆弾を送り込んで以来、外国の軍事用無人飛行体が米本土上空に無断侵入したのは今回が事実上初めてだ。米国は直ちに複数のチャンネルを通じて中国政府に抗議するなど真意の把握に入った。
1日(現地時間)、米北西部モンタナ州ビリングス上空に中国のものと推定される「偵察気球(spy balloon))」が目撃され、米軍が対応に入ったと、NBC放送が2日伝えた。放送によると、米国防当局は気球が中国本土からアリューシャン列島とカナダを経て米北部上空に入ったと把握している。
米国防総省は「現在この飛行体が依然として米国上空を飛行中」と伝えながらも、具体的にどこにあるかは公開しなかった。米国防総省のライダー報道官は「我々は高高度監視飛行体を引き続き綿密に追跡してモニタリング中」と述べた。
当時フィリピンを訪問中だったオースティン米国防長官は報告を受けると、マーク・ミリー米統合参謀本部議長、グレン・ヴァンヘルク米北方軍(NORTHCOM)兼北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)司令官ら米軍首脳部を召集し、飛行体迎撃など対応策について議論した。会議で挙がった軍事的オプションはバイデン米大統領に報告された。
米高官は「中国の偵察気球の情報収集力量には限界があり、迎撃時に破片が近隣住民の安全を脅かすおそれがあり、ひとまず攻撃はしないと判断した」とし「引き続き監視しながらどうするかを決める」と話した。
米軍は迎撃をしていないが、ネバダ州ネリス空軍基地からF-22ステルス戦闘機を出撃させ、非常対応をした。また飛行船の動向を監視するための空中早期警戒管制機(AWACS)も出動した。このためビリングス空港では一時すべての航空機の運航が停止され、地上で待機した。
放送は米政府関係者を引用し「米国政府は中国のものと確信している」とし「ワシントンと北京で複数のチャンネルを通じて中国政府と意思疎通している」と明らかにした。
◆米国民の不安感を刺激する「認知戦」
中国が偵察気球を送った意図について、専門家の間では米国の台湾軍事支援、フィリピンでの軍事拠点拡大などに対する反発の性格という解釈が出ている。バイデン政権は最近、台湾に対する武器輸出支援を増やしながら、米本土の州防衛軍などを動員して台湾軍の訓練にも関与し始めた。
米国は南シナ海で中国と対立するフィリピンとの軍事協力も拡大している。オースティン長官は2日、フィリピン政府と米軍がフィリピン内の軍事基地4カ所を追加で使用することで合意した。現在、米軍が使用できる基地(5カ所)と合わせると、南シナ海に近いフィリピン内の戦略拠点は計9カ所に増える。
実際、このような米軍の動きに関連し、中国は無人飛行体を利用して南シナ海で偵察・監視力を高めている。昨年末にはフィリピン北部ルソン島近隣の上空で輝く巨大飛行船が捕捉された。
当時、軍事専門家らは「中国が飛行船を使用してミサイル早期警報体制の稼働をテストしている可能性がある」という分析が出てきた。米国と日本が中国本土を狙った中距離ミサイルを配備することに対応する手段ということだ。
ただ、米本土に登場した中国無人偵察気球の偵察力量は制限的という評価がある。峨山政策研究院のヤン・ウク研究委員は「たとえリアルタイムで映像を伝えることができるとしても、偵察衛星より軍事的な価値は落ちる。無断侵入だが、明白な軍事的脅威とは見なしがたい部分がある」とし「このようなグレーゾーンで米国民の不安感を刺激する一種の認知戦戦略と考えられる」と話した。
1日(現地時間)、米北西部モンタナ州ビリングス上空に中国のものと推定される「偵察気球(spy balloon))」が目撃され、米軍が対応に入ったと、NBC放送が2日伝えた。放送によると、米国防当局は気球が中国本土からアリューシャン列島とカナダを経て米北部上空に入ったと把握している。
米国防総省は「現在この飛行体が依然として米国上空を飛行中」と伝えながらも、具体的にどこにあるかは公開しなかった。米国防総省のライダー報道官は「我々は高高度監視飛行体を引き続き綿密に追跡してモニタリング中」と述べた。
当時フィリピンを訪問中だったオースティン米国防長官は報告を受けると、マーク・ミリー米統合参謀本部議長、グレン・ヴァンヘルク米北方軍(NORTHCOM)兼北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)司令官ら米軍首脳部を召集し、飛行体迎撃など対応策について議論した。会議で挙がった軍事的オプションはバイデン米大統領に報告された。
米高官は「中国の偵察気球の情報収集力量には限界があり、迎撃時に破片が近隣住民の安全を脅かすおそれがあり、ひとまず攻撃はしないと判断した」とし「引き続き監視しながらどうするかを決める」と話した。
米軍は迎撃をしていないが、ネバダ州ネリス空軍基地からF-22ステルス戦闘機を出撃させ、非常対応をした。また飛行船の動向を監視するための空中早期警戒管制機(AWACS)も出動した。このためビリングス空港では一時すべての航空機の運航が停止され、地上で待機した。
放送は米政府関係者を引用し「米国政府は中国のものと確信している」とし「ワシントンと北京で複数のチャンネルを通じて中国政府と意思疎通している」と明らかにした。
◆米国民の不安感を刺激する「認知戦」
中国が偵察気球を送った意図について、専門家の間では米国の台湾軍事支援、フィリピンでの軍事拠点拡大などに対する反発の性格という解釈が出ている。バイデン政権は最近、台湾に対する武器輸出支援を増やしながら、米本土の州防衛軍などを動員して台湾軍の訓練にも関与し始めた。
米国は南シナ海で中国と対立するフィリピンとの軍事協力も拡大している。オースティン長官は2日、フィリピン政府と米軍がフィリピン内の軍事基地4カ所を追加で使用することで合意した。現在、米軍が使用できる基地(5カ所)と合わせると、南シナ海に近いフィリピン内の戦略拠点は計9カ所に増える。
実際、このような米軍の動きに関連し、中国は無人飛行体を利用して南シナ海で偵察・監視力を高めている。昨年末にはフィリピン北部ルソン島近隣の上空で輝く巨大飛行船が捕捉された。
当時、軍事専門家らは「中国が飛行船を使用してミサイル早期警報体制の稼働をテストしている可能性がある」という分析が出てきた。米国と日本が中国本土を狙った中距離ミサイルを配備することに対応する手段ということだ。
ただ、米本土に登場した中国無人偵察気球の偵察力量は制限的という評価がある。峨山政策研究院のヤン・ウク研究委員は「たとえリアルタイムで映像を伝えることができるとしても、偵察衛星より軍事的な価値は落ちる。無断侵入だが、明白な軍事的脅威とは見なしがたい部分がある」とし「このようなグレーゾーンで米国民の不安感を刺激する一種の認知戦戦略と考えられる」と話した。
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