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「我々は防弾盾だった」…脱走のロシア傭兵、戦場の惨状を暴露

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ロシア傭兵ワグネルグループのロゴ。[写真 欧州安全保障協力機構(OSCE)報告書]

「数えることができない。遺体が増えるほど、私の下により多くの囚人が補充されるということが繰り返された」。

ロシア傭兵企業ワグネルグループから脱走してノルウェーに入国した元傭兵アンドレイ・メドベージェフ氏(26)は先月30日(現地時間)、米CNN放送のインタビューで自身が率いた兵士の数を尋ねられると、このように答えた。

メドベージェフ氏は軍服務経歴があったため、昨年6月に傭兵契約を結んだ直後、激戦地の一つ、バフムトに投入され、現場指揮官として活動した。


メドベージェフ氏は「最初に自分の下に配置された人員は10人にすぎなかったが、その後、囚人を戦争に動員しながらその数が急激に増えた」と説明した。これはプーチン露大統領の側近、エフゲニー・プリゴジン・ワグネルグループ代表がロシア各地の矯正施設から囚人を傭兵として迎えて戦線に投入したからだ。

しかしメドベージェフ氏によると、このように補充された兵力の多数は作戦指示もまともに受けられないまま戦場に送り出されて犠牲になった。メドベージェフ氏は「実質的に戦術などはなかった。我々に下された命令にはただ敵の位置程度しかなく、どのように行動するかという明確な指示はなかった」と話した。メドベージェフ氏は自身を含むワグネルグループの傭兵を「防弾盾」と呼んで自嘲した。

こうした状況にもかかわらず、ワグネルグループの上層部は士気が落ちた傭兵を脅しながら操ったという。メドベージェフ氏は「彼らは戦闘を望まない人たちを取り囲んで新兵の目の前で銃殺した。戦闘を拒否した囚人2人をみんなの前で射殺し、訓練兵が掘った塹壕の中に埋めた」と伝えた。

メドベージェフ氏はワグネルグループを創立したプリゴジン代表とロシア軍特殊部隊将校出身のドミトリー・ウトキン氏に直接報告することもあったとし、この2人を「悪魔」と呼んだ。

また、プリゴジン代表がウクライナの戦線で戦死した囚人の傭兵の遺族に1人あたり500万ルーブル(約8700万ウォン、約920万円)の慰労金を支払うと約束したが、実際には「誰もそのようなお金を払うことを望まなかった。(戦死者の)多数はただ行方不明者として処理された」と主張した。

結局、昨年末に部隊から脱走したメドベージェフ氏はロシア内に潜伏し、最近国境を越えるのに成功してノルウェーに亡命を申請した。メドベージェフ氏はこの過程で10回以上も逮捕の危機に直面し、最後には白い服を着て凍結した川を渡ったと説明した。

メドベージェフ氏は自身の陳述がプリゴジン氏とプーチン大統領を法廷に立たせるうえで役に立つことを望むとし、「遅かれ早かれロシアでは宣伝戦が通用しなくなるはずで、民衆が蜂起して新しい指導者が登場することになるだろう」と主張した。

プリゴジン氏はCNNに送ったメールの声明で「現在までワグネルグループが保険金を支給しなかった事例は1件も記録されていない」とメドベージェフ氏の主張に反論した。

ワグネルグループが所属傭兵を防弾盾のように扱って即決処刑を繰り返したというメドベージェフ氏の発言に関しては「軍事上の事案」として言及を拒否し、「ワグネルグループは現代戦のすべての規範を遵守する模範的な軍事組織」と強調した。



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